Eternal Smile > STORM 『STORM』 第一幕 勇人:彼女がストームナイトに抱いている、不信感とか、そういった辺りを、普通に訊いちゃっていいんじゃないですか? 僕はあなたは変な計算とかしなくていいと思ってるんで(笑)。 GM:であるならば、アジトに向かうと、「ああ、あんたらか」と言って、モブABCDぐらいが出てきます。 ディアン:「ニミュエは、いるか?」 GM:「姉さんだったら下にいるよ」 勇人:降りて行きます。 GM:地下の部屋のドアには、普通に、『いますよ』って札が。 ディアン:「ニミュエ」 GM:「あ、はーい。入ってー」 勇人:「僕もいますんで、2人で失礼します」 GM:入ったらね、カーゴパンツを履きかけの状態のニミュエがいます。「よいしょ、よいしょ」 ディアン:!! 勇人:「履き終わってから、イエスって言ってもらえませんかね」目を軽く背けながら。 GM/ニミュエ:「別に減るもんじゃないし」 ディアン:「その・・・すまなかった」 GM:「あー、別にー」と、肩をバンバン。 勇人:これが僕だと痛いなー、なんで(笑)。地味に、骨にくる感じ。 GM:テーブルに、酒のグラスをトン、トンと置いて、トクトクトクトク・・・って、平気で2人に注ぐ。 勇人:「僕は気持ちだけで」 ディアン:「オレも、酒は・・・」 GM/ニミュエ:「ふーん。堅いのねー。で、どしたの?」 ディアン:「ニミュエたちと、オレたちと、町を守りたい気持ちは、一緒だ。だから、この後、ニミュエたちがどう動こうと思っているのか、教えてほしい。隠れてどこかで待つか、それとも・・・」 GM:あっけらかんとニミュエは言いますよ。「じじばば子どもは地下に隠して、あたしらだけで戦って、死のうかなーと思ってたんだ」 ディアン:! 勇人:「まあ、正面切って戦ったら、そうなるでしょうね。これはもう、どうしようもない、事実と言うべきか」 GM/ニミュエ:「良ければ死ねるでしょう。死ねなかったら、あいつらの慰みもんかな。ま、しょうがないかなー」 ディアン:今の話で、気づくことはないかな。 GM:何に、気づきたいですか? ディアン:彼女は、死ぬことを考えている、つまり、生きることを諦めているのだと、オレは受け取りました。 GM:確信していいです。 ディアン:だから、メタ的な話になっちゃうけど、彼女もポシビリティを失っているのかな、っていうのを知りたい。 GM:返答しましょう。イエスです。そして彼女はもう、結果に頓着してない状態。 勇人:未来に可能性が見えてないから、なるようになる。なるようになった結果、多分死ぬだろう。死ねなかったとしたら、生き地獄の類だろう、ぐらいに考えている。 ディアン:オレはその考え方には、絶対に賛同できないので、ニミュエに言います。「何故、戦う前から、死ぬと思う?」 GM/ニミュエ:「逆だよ。あたしたちは、何度も戦いをくぐり抜けてきた。戦いというもので、勝ち・負けというものが、はっきりと見えるくらいには、場数は踏んでる。あたしが殺した数は、30や40じゃ足りないよ。だから、解るんだ。立ち向かったら、あたしたちは死ぬ」 ディアン:えーと、地雷踏みます。「今は、オレたちが共にいる」 GM:にっこり笑って、彼女は言います。「あんたもパーシヴァルと同じようなことになるさ。きっとね」 ディアン:「パーシヴァル?」 勇人:「なるほど。先行した聖騎士の方がいたという話がありましたが、その方ですか」 ディアン:「パーシヴァル卿は、どうなった?!」 GM/ニミュエ:「どうなった? ああ、仲間を売ってひとりだけ逃げ帰ってきて、あばら屋で酒浸りの生活さ!」 ディアン:「そんな・・・」 勇人:確かにそれは、希望をなくしても、仕方ないかと思いますね。 GM/ニミュエ:「あたしの見立てだと、あんたよりも強かったよ」 ディアン:「それが・・・それがどうした!」 GM:「お、言うねぇ」と、彼女はケラケラ笑いながら酒をあおります。 ディアン:「オレは、アイルランドの人間だ。オレは故郷を守るためにここに来た。気持ちは、ニミュエと一緒だ。そして、オレは、戦って死ぬ気はない」 GM:特にあざけるでもなく、怒りの感情を示すでもなく、「ほとんど同じことを、パーシヴァルはあたしに言ったんだ。その結果が、あれさ」 ディアン:・・・・・。 GM:解ってるだろうけど、言っときますね。恐らく、そのやり方では、彼女の気持ちを回復させることはできません。 勇人:「それで、貴女たちはどうしたんですか? そこを伺ってもよろしいでしょうか。パーシヴァル卿が彼と同じことを誓った時に、貴女たちは何をしたんですか?」 GM:何をしたんですか、と訊かれてしまうと、「あたしたちは、ただそれを見送っただけだった」 勇人:「なるほど。勇者が起ったので、それを見送る。観客としては非常に、正しい振る舞いではないですか」 GM/ニミュエ:「ええ。観客としては、ね」 勇人:「救う者、救われる者。はっきりして解りやすい。無償で、自分たちのために、命がけで旅立ってくれる人に、そうですね、手のひとつでも叩いてあげれば、それで充分でしょう」 ディアン:嵐王寺は、何を、言っているんだ? という目で見ます。 勇人:「それでもダメだった、となれば・・・」
勇人:「僕の目を見てください」向かい合って喋ってるんだから、僕の目にその旗は映っているはずです。 GM:目を見ているが、その旗は見ていない。 勇人:「人は何かを得ようとする時、ただでは得られません。何かを捧げなければいけません。何か欲しいものがあって、場合によっては戦って勝ち取らねばならないこともある。そのことを、世界で一番解っているのは、貴女たちだと思ってたんですけどね」 GM:少し、目に熱が戻ったような気がする。 勇人:「ディアン卿が言いたいのは、俺に任せて君たちは寝ていろということではなく、共に戦い生き延びよう、ということです。彼はあまり言葉が上手ではない」 ディアン:(笑) 勇人:「ただ守られるだけの者を助けられる余裕がないのは、貴女が一番よく解っているでしょう?」 トマス:この町の連中を動員したところで、戦力にはならないのかな。 ウーシン:逆に言えば、我々が何かして、発奮させることも可能ではある。 GM:・・・うん。非常に、いいアプローチです。彼女は2人の目を見て、「まぁ、でも、こうして話が聞けてよかったな、とは思ってるよ。少し、うちの若い衆にも話をしてやってくれるかい?」 勇人:「ええ、勿論」 GM:よっこいしょ、と立ち上がって、「おーい。おおーい!・・・あれ?」 ディアン:ん? GM:首を傾げている。「なんか、うちの若い衆がいないみたいなんだよね。あいつら何してんだ?」 勇人:何か、異変が起きたのでしょうか。 ディアン:外に、出よう。 "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |