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TORGリプレイ

『STORM』

 

第二幕

 
シーン1 The Controller

 
GM:第二幕です。朝だよー。

勇人:では僕は、社員を出迎える準備をします。

トマス:普通にお祈りをしてから、「できればジョナサンも一緒に」と言って、食事を摂ります。みんなに、「新たな神の僕、ジョナサンだ」と言って紹介して、彼が宿に戻ったら、4人で茶でも飲みながら、あまりにも個人のプライバシーに関わることには触れずに、一連の話をしよう。「彼は非常に不名誉な行いをして、アイルの騎士である自らの存在を、破綻したとみなしていた。なので私が、神の僕として、彼に第二の人生を与えた」

ディアン:「パーシヴァルに、戦う気は、もうない、ということか」

トマス:「それは解らん。また何年かすれば、今度は、我が神の僕として、戦うかもしれん。それは、彼のこれからであって、私がそれを否定するものでもない。ただ、今の彼は、騎士であることに対して、完全に適性を失った、という認識でいる」

ディアン:「トマス。相談がある。オレは、パーシヴァルのことを、陛下に報告しなければならない。2人の仲間は、神に召されたのだから、その通りに言えばいい。だが、パーシヴァルの、新しい生き方のことを、話しても構わないだろうか?」

トマス:「それは、君に報告の義務がある」

勇人:「それでどうこう言う陛下ではないですよ」

ウーシン:「なあ、騎士様。あんたの女王陛下は、てめぇの部下が、不名誉な行いをして、それでも生きている、よりは、死ぬ方を喜ぶ人か?」

ディアン:「いや、違うな。陛下はオレに、必ず帰ってこい、と言った」

ウーシン:「なら、それでいいだろ。何年か経ったら、帰ってこられるかもしれねぇ。命があるんだ。それだけでめっけものだ」

勇人:「そう。命あっての物種と言いますからね」

トマス:「どう生きるか。それすら、彼の自由ではある。我が神は、自由意思は認めている。だが、まぁ、一度我が神の僕になれば、そうそう変わるものではない」

ディアン:改宗させられたから、そりゃそうだよなー。

勇人:ルール的なバックボーンがありますからね。

ウーシン:「いや、しかし、トマスもおっかねぇ奴だなー!」(笑)

勇人:僕からすると、神にすくわれるのは足元だとしか思ってないけどね。これ以上踏み込むと喧嘩にしかならないって解ってるから、言いませんけど(*15)。

トマス:「ところであの海賊たちだが、これから、連中の拠点はどこで、どういう航路でやって来るか、現時点で、どこにどう展開しているか、そういった情報を集めて、次に、どうやって迎撃するかという話になるはずだ」

勇人:「はい」

トマス:「正直に言おう。私にはあまりアイデアがない。この世界、コアアースの人間の方が詳しいと思うんだが、どうかね?」

勇人:「まずは索敵に関してですが、僕の社の衛星通信網で、写真もリアルタイム映像も撮れますので、それをくまなく見ていただけば」

ディアン:「空から、絵を、描けるのか?」

勇人:説明がめんどくさいから、「ええ」(笑)目を合わせずに。

GM:手慣れてるー!

ディアン:「こんな細かい地図が!」

トマス:「きみの国の魔法使いに、私は似たようなことをしてもらったことがあるぞ。確か、上空に目だけ飛ばしてたな」

ディアン:「そうか。嵐王寺は、魔法使いだったのか」

勇人:「魔法使いを雇っている。いや違うな、魔法使いが作った魔法のアイテムを使っているだけです」

ディアン:「すごいな・・・」

勇人:ということで、判定が必要であれば振ります。

GM:それだけだったら、判定は不要です。いくつか、明らかに、時代錯誤な形をした船が、固まって移動しているのが見えました。

勇人:さらに縮尺を変えたり、カメラを増やしたり。

GM:どうやら他のところをしばきに行ってたみたい。ぶっちゃけ、君たちの戦術に必要なのであれば、彼らの航路は大まかに予想がつきます。

勇人:「今のところ、こんな感じみたいです」と情報を出して、「予告通りに3日後、まぁ既に1日経ってますけど、来るペースですね」

ディアン:「止めないと・・・!」

トマス:「ウー。君は、奴かもしれない人物に会ったという話だったが」

ウーシン:「ああ」

トマス:「その人物の御座船は、どういう型式だった?」

GM:えっと、船の特徴なんですけど、一隻だけ、帆が赤い。

ウーシン:「真っ赤な帆の船だったな」

トマス:「うん。判り易いな」

GM:徹底的に、この船が‘暴風王’の船である、という装飾がなされている。そして、右舷には、護符が貼られています。その護符の力によって、船の中は、アイル純正エリア(*16)になっています。

ウーシン:純正か。

ディアン:「トマスは、どう思う? 船が特定できれば、オレたちを鳥で飛ばして、そこへ降りればいいのだろうか」

トマス:「戦術はいくつかあって、迎撃戦、各個撃破、籠城戦」

ウーシン:「この町を守るだけだったら、籠城戦だが」

トマス:「正直、下策は籠城戦。上策は、合流前の各個撃破なんだが、各個撃破をする場合は、敵の合流地点の情報と、敵の陣形の情報、あと、我々が明らかに敵よりも早い移動速度手段を持っている、という3つが、肝要だ。どうかね?」(勇人を見る)

勇人:問題ないです。お金で解決できる部分を、ショートカットするのが僕の役目なんで。敵の航路は解ってますから、各個撃破でも、頭を取りに行くでも、お好きなように。マスターに事前に確認を取って、飛行機だろうが、潜水艦だろうが、何でも買っていいよ、とは言われてるので。

GM:全員、軍略・戦略を導き出せる技能で判定。難易度、12。

勇人:マスター。僕、〈瞑想〉します。《知力》で解決できる技能は、〈瞑想〉で代用できるので。

ウーシン:お、〈瞑想〉持ってんの?

ディアン:マスター。〈サバイバル〉で判定は許されますか?

GM:通す。

勇人:結跏趺坐を組んで、(コロコロ)15。

ディアン:“ひらめき”使って12。

ウーシン:《知覚》で判定します。(コロコロ)ダブル。達成値18。

GM:えーとですね、‘暴風王’の船団の動き方なんですが、戦力をある程度分散させてはいるものの、常に、何かあった時に駆けつけられる、いわゆる護衛船団が、周囲にいますし、また、その護衛船団が万が一潰された場合でも、すぐにカバーに入れるような状態になっています。

ディアン:「何重にも、船が、守っているということか」

ウーシン:「正面突破は、愚策だねぇ」

GM:具体的には、無策で行って、電撃戦で頭を取りに行こうとした場合、護衛船が、2回まで、増援に来るだろうね。

トマス:「うん。まぁ、嵐だったら起こせるよ」しれっと。

ディアン:「嵐を?」

勇人:はい? って顔をして、「ストーム・コンバットのことですか?」って訊きます。

トマス:「単純に嵐だ。直径は100メートル程度なので、船2、3隻がせいぜいだが」

ウーシン:「嵐か。俺の国で、昔、孔明っていう男がやったことだな」

トマス:端的な話をすると、対象を中心に、ずーっと嵐が起きる。私がその場所にいる必要もないし、一度発動してしまえば、あとは放ったらかしだ。

勇人:それを、‘暴風王’の船を中心として起こせれば、増援はある程度防げますね。

トマス:いや、さすがに、嵐の中、船の上で戦うことは、お勧めしない。恐らく、敵の方がその状況に慣れている。あくまでも、末端から各個撃破すればいいんじゃないか。

勇人:ああ、了解了解。

トマス:私の勝利条件は、ボスを倒せばいい。だが、ここの人間がやる気になったのならば、ここの人間が戦って勝利しなければ、意味がないぞ。解ってるんだろう?

勇人:はい。この町の人には、成功体験がまず必要です。

トマス:成功かどうかは、関係ないな。失敗するかもしれない。何人も死ぬかもしれない。

勇人:それは勿論そうですね。

ウーシン:だが、やったらできた。俺たちが、やったらできた。というのは、でかいよな。「そうそう、ひとつ訊きたい。騎士様は、陸(おか)の戦いと、海の戦い、どっちが得意だ?」

ディアン:「オレは、船で戦ったことは、ない。だから、陸だと思う」

ウーシン:「なら、陸でやらねぇか」

勇人:「せっかく向こうは来てくれると言うのですし」

ディアン:「だが、この町に上陸させたら、一度に沢山の相手をすることになるのではないか?」

トマス:「だから、各個撃破だ」

勇人:「各個撃破して、合流させなければいいんです」

トマス:「周りの船も巻き込まれてくれれば、私としては重畳だ。そういう意味で、だ。迎撃されない航空機が欲しい」

ウーシン:「だったらむしろ、潜水艦用意できねぇかな?」

勇人:「潜水艦にしましょう。その方がいい」

ウーシン:「ここコアアースだろ。自動操縦できるようになってると、とても楽できるんだがね」

ディアン:「ウーシン。センスイカン、とは何だ?」

ウーシン:「船に、屋根をつけて、水に沈めて、そいつにゴーレムを乗っけて、操縦してもらう、みたいな感じかな。ま、機械の人魚だ」

GM:えっと、いいですか。ここまでの会話を、ニミュエが聞いてるんですけど、こういう顔(・。・)をしてます(笑)。

ディアン:ポカーン。

勇人:ボウリングの球みたい(笑)。

GM:もはや、どこからツッコめばいいのだ、の状態。

トマス:「私の奇跡の詳細を言うとだ。1マイル向こうからが最大射程。相手が視認できれば、奇跡の対象になる」

ウーシン:1マイル以内の、視認できる対象。

トマス:「敵の船に近づく際の移動手段は、正直私にはよく解らない。ウーに任せる。外からぽつん、ぽつんとひとつずつ、潰していくだけだ。勿論、‘暴風王’なんていう危険な者には一切触らんよ」

ウーシン:「一応、船舶、潜水艦、飛行艇、戦闘機、爆撃機、全部乗ったことあるぜ! 落ちたこともあるがな!(笑)大丈夫。まだ一回だけだ」

勇人:「二回目がないことを祈りますよ。とりあえず、メインで使う潜水艦が一隻。あと必要なのは、銃と、普通の弾丸、予備の船舶類ですね」

トマス:「(ディアンに)あれだよ。敵の軍団が現れた。首魁は、どうせ魔法なんか効かない。その場合、とりあえず周りに【ファイアーボール】撃って、首魁は残すだろう?」

ディアン:「そうか、解った。では、ドラゴンに乗って、空から船を狙うのか」

トマス:「素晴らしいな。ドラゴンが用意できたら、私としては、ドラゴンに任せればいいんじゃないかという気がして仕方ないが」

勇人:すいません、僕も同感です(笑)。アイルのドラゴンはね、お金で雇おうとすると、馬鹿にすんのかって言ってくるから。

トマス:「いくら‘暴風王’の軍勢の統制が取れていようと、船の三分の一も沈めば、他の連中は及び腰になる。私のミッションは‘暴風王’を倒すことだが、まぁ、ついでに配下が減る分には構わんのだろう?」

GM:えっと、たまらずニミュエが口を出します。「あの・・・さ、トマス」

トマス:「なんだい?」

GM/ニミュエ:「あなたは何者なの?」

トマス:「いや、神の僕だが」

ウーシン:「ああ、嬢ちゃん。世の中広いんだ。たまにはいるさ、こんな奴も。それに、こっちの騎士様の地元に行きゃ、火を吹くドラゴンやら、魔法使いやらがいるんだぜ。おかしかねぇだろ?」

GM:ディアンと目を合わせて、「ストームナイトってのは、みんなこうなんだ?」

勇人:人による!(笑)

トマス:「私が見た、アイルの司祭魔法使いは、正直私が百人束になっても、欠片も勝てないぞ」

ディアン:多分何のフォローにもなってねぇ!(笑)

GM:捨てられた子犬みたいな目で、「とりあえず、あたしたちは何をすればいいの?」

ディアン:「沢山の相手を、同時にしなくて済むように、トマスが知恵を出してくれている」

GM/ニミュエ:「それは解るわ」

トマス:「正直、時間との戦いだ。全てを撃退できるとも思わない。それなりの数が、来る。なので、基本的な籠城の設備、バリケードや、狙撃ポイントの確保、もしくは、構造物の補強など、基本的な部分は、きちんとこなしておいてくれ。あとは、トラップとして、敵の上陸ポイントに、爆発物を設置する程度のことは、君たちならできるだろう?」

GM:大得意です。なので、ようやく、解る話をしてくれた、という顔になって、「任せといて!」

ディアン:「船では戦わない。陸で戦う」

GM/ニミュエ:「了解した!」

トマス:「基本は、相手が上陸した時の、爆発でどれだけ減らせるか。次に、上陸後の一斉斉射でどれだけ雑魚を散らせるかだ。ボスは狙わなくていい」

勇人:「いわゆる、相手が嫌がる戦い方をしましょう」

トマス:「銃は機能しない可能性が高い。弓、矢。使える人間がいないんだったら、攻城戦用の投石機(カタパルト)。あれは素晴らしい」

GM/ニミュエ:「あたしらの中に、弓を使える人間はいない」

トマス:「だろうね。なので、カタパルトだ」

GM:「カタパルト。・・・カタパルト?!」(笑)素頓狂な声を上げます。

ウーシン:「なあ、お前ら。ここにパチンコ玉あるか? バナナの皮でもビールの瓶でもいい。滑り易いものをいっぱい用意して、転がすんだ」

勇人:酒瓶なら、いっぱいあるべ。

GM/ニミュエ:「やれるだけはやってみるけど、もしかしたら、力を借りることになるかもしれない」

勇人:「カタパルトは僕が用意します。皆さんには、撃つ練習だけしていただければ」

トマス「投石機は、設置型なので、弾の重量と形状さえ安定していれば、試射して落ちたところに、何度でも落ちる」

GM:ニミュエは、その説明に納得したようです。「確かに!」

勇人:樽とかに火薬を詰めて、ポーンってやってもいい。

ウーシン:力持ちの奴の肩を叩いて、「おい、よかったな。お前、絶対出番あるぞ」

GM:「え、オデ?」そんな感じで、非常に空気が良くなってきてますね。ここでシーンを切ります。

 
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