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TORGリプレイ

『STORM』

 

第三幕

 
シーン1 The calm before the storm

 
GM:さあ。運命の3日目。徐々に徐々に、‘暴風王’は近づいて来ています。

ディアン:これは、‘暴風王’が、仲間の船の到着を待っている、ということか?

GM:あ、仲間の船ですけど、動く気配がない。昨日の嵐を見て、どうなるかを窺ってる状態。

トマス:まあ、そうでしょう。普通だったら、逐次投入にしかならないという認識をするはずなので。しかし本当に来たか。プライドは高いな。

GM:ニミュエたち、IRAの人たちは、IRAの戦闘服に着替えていて、いつでもやってやんよ、みたいな状態です。

トマス:戦闘前に、教会をお借りして、お祈りをします。

ディアン:オレも隣で祈る。

トマス:それは素晴らしい。まあ、私はカトリックではないので、君のために、ここで儀式を司るわけにはいかないが。

ディアン:大丈夫だ、気持ちだけで。

GM:ジョナサンも、一緒に祈っています。そして、ディアン、あなたに声を掛ける。「すまない」

ディアン:・・・・・。

GM:彼は続けます。「僕の名誉だけが、汚れてしまったのであれば、僕がそれを贖えばよい。だけども、僕は女王の騎士であり、また、友の死に報いることができなかった。そのことを、きみと女王に詫びる」

ディアン:「それは・・・」トマスが告解を聞いてくれたのだろう? と言おうとして、やめて、ただ頷きます。彼は、サセラム神の許で贖罪をすると決めたのだろうから、これ以上は口が出せない。

GM:ジョナサンはあなたが言葉に詰まったのを見て、こう言います。「勝利を」

ディアン:「ありがとう。それで、充分だ」

GM:といったところで、カメラが、勇人に向きます。万全の体制です。盤石です。

勇人:そうですね。皆さん、士気も高いようですし。

GM:バカ兄弟4人組が、頑張るッス俺たち(キリッ)、って顔してます。

勇人:「AKはちゃんと持ちましたか?」

GM:AK、背負ってます。

勇人:「無理しすぎずに。4人だけでやろうとは思わないで、みんなでやればいいんです」

GM:「先輩たちもいますし、大丈夫ッス」彼らは、将来の可能性を、真っ向から見据えている。そして、そこまでたどり着くために、立ち向かう覚悟を決めています。「未来、ある。オデ、美味しいもの食べる!」

勇人:「そう。幸せになりましょう。あと、僕が言うのは釈迦に説法だと思いますけども、やばかったら逃げていいですよ。最悪、生きていれば、リベンジはできます」

GM:Dが口を開きます。「逃げられる時に、多分、逃げてしまうとは思います。ただ、僕らだけ逃げることは、絶対にしません」

勇人:「そう。みんなで逃げてください。あとは僕らが何とかします。そして、みんなで一緒に、また頑張りましょう」

GM:「傲慢でも何でもなく」Aが言います。「俺たちは、勝てるような気がするし、勝てるか勝てないかじゃなく、勝ちに行くッス!」

勇人:「素晴らしい。勝つつもりがなければ勝てません。負けても次があるのと、勝つ気がないのは、全然別のものです」

GM:では最後はウーシン。

ウーシン:パブのマスターに机を借りて、そこで、タバコを刻んでいます。刻んだ後に、紙を出して、筆で、死んだ船員の名前を全部書いた後に、タバコを紙で巻いて、火を点けます。ふーっと吸って、「おーい、野郎ども。行ってくるぜ。これは、手向けだ」と言って、灰皿にぐっとやって、「俺自身は戦えねぇが、片を付けてくる」と、灰に対して言って、表に出て、「おう、来たか」

GM:向こうから船影が見えます。赤い帆の船です。

トマス:じゃあ、ふっと笑って、〈祈念〉を開始します。(コロコロ)19。

ディアン:いい出目。

トマス:「君たちも、神の祝福が欲しければ言いたまえ」

勇人:「お気持ちだけで結構です」大人の断り方(笑)。

ウーシン:「嬉しいが遠慮しとくよ」

勇人:僕はちょっと高めの、全体を見渡せる位置にいます。あと、指示が出せるように、伝声関係のものをキャプテンに渡しておきます。いざ斬り込む時には、ディアンさんの足になってあげてください。

ウーシン:「どうだ、俺のバイクの、後ろに乗ってくかい?」

ディアン:「これは、馬か?」

ウーシン:「鉄製だがな」

勇人:ほら、手元をこうやると、バルルンバルルン(笑)。

GM:えっと、このままだと赤い帆の船、接岸しますけど。

トマス:敵の船は、合計いくつですか。

GM:最悪、6隻が来る可能性があったんですけど、君たちの、大変クリティカルな動きによって、船影は2。

トマス:たった2隻なのね。残り4隻は、衛星で追ってみると、どこにいるかな。

GM:あなたが、嵐を起こした付近で。

トマス:あ、救助活動か(笑)。

GM:ぶっちゃけ、この戦闘に投入される可能性があるのは、本船と、護衛船団の2隻のみです。

トマス:護衛船が、距離1マイル以内になったら、【テンペスト】。

ウーシン:ですよねー。

トマス:そして、着いたら、「ほう、嵐を背負って登場するとは、さすが‘暴風王’」

ウーシン:ははははは!

GM:赤い帆の船から、黒い大鳥を肩に載せた、ひときわ豪勢な服を着たヴァイキングと、それを取り巻く4人のヴァイキングが、降りてきます。

ディアン:・・・・・。

GM:ニミュエが勇人に言います。「あの船にぶち当てればいいんだろ?」

勇人:「その方が話が早いです」

GM:でかい、豪勢なヴァイキングは、はっきりとした口調で言います。「お前たちはあのストームナイトとは違うようだな」

トマス:「いや? 彼の方が強いだろう」

GM:「あのパーシヴァルより? お前たちの方が弱いと言うのか? この町を蘇らせたお前たちが?」

トマス:「その通り」

勇人:異論はないです。

ウーシン:「何をもって強いと言うかだよなー」

GM:解せない、という顔をしている。

トマス:「君は卑しい。語るに値しない。沈め」(ボディランゲージ)

GM:・・・・・。「お頭。すいません。手を煩わせることになりそうです」豪勢なヴァイキングが言うと、黒い大鳥が、くるっと回って、人影となって降りてきました。

勇人:なるほど、こちらか。

GM:【ポリモーフィズム】を解除します。全身を黒で包んだ、貴族然とした男が、降り立ちました。

トマス:はいはい。

GM:オーロシュの魔物ではありませんが、こういった、変身能力を持つ手合いに、あなたの記憶がひとつヒット。曠野の狩人(*18)を、ちょっと強化しました。

トマス:ワイルドハントか。あれは、強いぞ。

ウーシン:強いからって、今更、はいそうですかと退いちゃいらんないからな。

GM:彼は、禍々しい形をした、魔法の武器と思しきブロードソードを地面に刺して、「いや、驚いたよ。素晴らしいな君たちは」

トマス:きょとんとした顔をして、「何が?」

GM:「あれだけ、全てを失おうとしていた町を、再びひっくり返すとはね。ああ、これから我々は殺し合うことになるのだが、どのみち、やることは一緒だ。少しだけ、話に付き合ってくれないか」と、ニコニコしながら言ってますよ。

トマス:ディアンの方を向いて、聞くのかね? って顔をした。

勇人:ただ、聞かないわけにもいかないんだろうなー、ディアン卿は。

ディアン:「お前は、ひとつ勘違いをしている」

GM:「ほう?」

ディアン:「オレたちは、きっかけを与えただけ。強いのは、オレたちの姿を見て、立ち向かう心を、希望を取り戻した、この町の者たちだ! 今から、お前に、町の怒りを見せてやる」

ウーシン:「ストームナイトが100人超えてるんだ。厄介だぜ?」

GM:ニミュエは、正直な話、もうテンションがだいぶ上がってて、勇人に、「撃っていい? ねえ、撃っちゃっていい?」

勇人:では、回線を繋ぎますから、2人で同時に号令をどうぞ。

ディアン:「撃てぇーーーーーっ!」

GM:「てぇーーーーーっ!!」と言った次の瞬間、投石が、ぐわーっ! って飛んできたところで、彼は無造作にブロードソードを引き抜いて、投石された石に、突き刺します。

ディアン:!

GM:「それでは始めよう。私が、‘暴風王’だ」と言って、戦闘開始になります。因みに、豪勢な男は、副長です。一般的なヴァイキングではありませんよ、と言っておく。

勇人:「では、どれだけ自分が高い買い物をしたかを、教えてあげましょう!」

 
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