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TORGリプレイ

『Be Strong』

第三幕

 
シーン3 共鳴

 
 スレブが闘技場へ向かった後も、フランソワの傍に控えていたアンは、
 暗がりから聞こえてくるバロン・インサイディアの声に、眉を上げる。
『相席よろしいですか?』
 

アン:「ああ、好きにしなよ」

GM/バロン:「では失礼します。よければ一杯、注がせていただけますか?」

アン:じゃあ普通に、グラスを出して。目は、フランソワを見ながら。

GM/バロン:「たまには赤いワインなどいかがです? ・・・ああ。(苦笑して)なかなか見ていただけませんね。まあ、プロの仕事ということにしておきましょう」

アン:「あたしがここで目を離したらやばいだろ」

GM/バロン:「もう、なくしたくない(*16)、とお考えですか?」

アン:「・・・違うね。あたしは聖人君子じゃないから悪党は見捨てるが、人間である以上、ストームナイトである以上、命を見捨てられないのは当然のことだ。だが、あたし、アン・シャーリーという名前を持つ人間が、なくしたくないと思ってるものは、もうないんだよ」

GM:「ふむ。そうですか」すごく真剣な目をしています。「しかし、それでも私には、貴女、アン・シャーリーが必要です」

アン:「・・・・・」

GM/バロン:「駄目ですね。吸血鬼になれたのは嬉しいのですが、いざという時に、好きな人の目も見られません。もし貴女が頷いてくれたら、私は疑うでしょう。私は魔力を使ったのか? と」

アン:「使ってないんだろ?」

GM/バロン:「だからこそ、言葉で紡ぎます。私は、紳士でありたい。お願いします。貴女が望まないのも解っています。それでも言います。貴女が望むなら望むだけ、永遠を差し上げましょう」

アン:「(ゆっくり、噛み締めるように)悪いね。あたしは・・・、永遠は欲しくないんだよ」

GM/バロン:「そうですか」

アン:「あたしが欲しいのは、ただ単純に、『あの時』、失った時のやり場のない、全ての感情を、ぶつけられる場所や相手と、それを込められる、あたしの魂さ」って言って、銃を持ち上げる。

GM/バロン:「わかりました。しかし私は、諦めが悪いのが本領です。永遠にお付き合いしろとまでは言いませんが、また、お会いできる時を、楽しみにしています。・・・思わないでもないんですよ? 貴女の想いを受け止めて差し上げてもいいのかな、と。ですが、それもまた違う気がします」

アン:「・・・・・」

GM/バロン:「また、貴女の部屋の窓をノックしてもよろしいですか?」

アン:「ああ。何度でも、窓にナイフをぶん投げてやるよ」

GM:「ありがとうございます」フランソワを見て、「可愛いお子さんだ」と言って、彼が飲み込んだ言葉が伝わります。(あんな子がいる未来もあったのかもしれません)

アンあ。

強力:ふーむ。

アン:「そうだね。もし『あの時』がなければ、私はあの人、と・・・!」(頭を押さえる)

ディ:!

アン:(ディに)何もされてないですよ。

GM:そっと、優しく、あなたの肩を抱きます。「大丈夫ですか?」

アン:「ああ。飲み過ぎたようだ」

強力:これは多分、キャラクターの急所だね。

GM:彼は、言葉を色々探した挙げ句、「どうか、お身体には気をつけて」

アン:「そうだね。侵略者共を倒すまでは死なないさ」

GM/バロン:「はい。では私はこれで」

アン:「特別扱いだ。あんたは最後にしてやる」

GM/バロン:「ありがとうございます。その日が、『永遠が終わる日』ですね。では、いずれまた、美しい夜に」(退場)

スレブ:ふむ。

ディ:そういえば前回、十字を切って帰っていったよね、バロン。

アン:吸血鬼なのに!

強力:美学の塊みたいな男だね。

GM:はい。これだけで生きています。別に、呼ばれなくても入れるし(笑)、目を見たからといって、相手を魅了する視線を、自動発動とかはしないし!

強力:人工吸血鬼として、ロマンで組まれちゃったんだねー。気の毒に!(笑)

GM:だって、永遠が手に入るし、やり直せるかもしれないって言われたら、すがるじゃないですか。で、長生きしていたら、生き写しみたいな人に会えたりするんですよ。長生きも悪くないじゃないですか。

アン:まあ、永遠に断り続けるだろうけど。

強力:個人的に、いい男だなぁと思う。

GM:というシーンでございました。彼は戦闘にはもう出ません!

強力:紳士ー!(笑)上からしたら扱いづらいことこの上ねぇけど。

 
(to be continued)
 


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