Eternal Smile > The Sword Brings War
 

 
TORGリプレイ

『剣は誘う』

 

第二幕

 
シーン3 再動(承前)
 

GM:さて、そろそろ目的地が見えてきますよ。

ユウイチ:「お前、助手席に座ってろ。助手席、隣の席。せっかくだ、飛行機の恐ろしさを見せてやる」

マキシム:「お、おう」

ユウイチ:あ、助手席脱出ポッドになってるから(笑)。天井にぶつかっても責任持てないけどね、おれは。

マキシム:おいおい。

GM:なるほど。そんなことを言っているユウイチ。(コロコロ)

ユウイチ:はい、何でしょう。

GM:あなたのケティちゃん目掛けて、対空火器が火を噴きました。当たらなかったけど。

ユウイチ:対空火器?! は? 鉄の弾が飛んでくるんだね?

GM:はい、明らかに鉄の弾です。そしてその弾道を見て、〈手掛かり分析〉を振ってください。

ユウイチ:この場合、〈知識(機械工学)〉じゃ駄目かな。

GM:いいですよ。

マキシム:(コロコロ)達成値12。

ユウイチ:(コロコロ)14。

GM:地球の物じゃないです。

マキシム:地球の物じゃないって、何だそりゃ。

GM:コアアースではない、さらに進んだ技術が使われていると思われます。レールガンってヤツです。

ユウイチ:レールガンかよ! 当たったら、痛いよな。

GM:とってもね。

ユウイチ:ホントに、とってもシャレにならないわ。

マキシム:サイバー教皇領?

ユウイチ:そこら辺の嫌ーな武器が入っているようだ。プロフェッサー、プロフェッサー(*10)! 来てほしいよー!

GM:さらに、〈手掛かり分析〉。

マキシム:(コロコロ)駄目だ、全然判んねぇと思う。−5だから、6。

ユウイチ:(コロコロ)達成値12。

GM:ではユウイチ、あなたはすごく嫌な予感がしました。もしかして、ニッポンが、あの馬鹿のところに、兵器を売り込んだんじゃないかっていう。

ユウイチ:ニッポンテックかよ!

マキシム:はぁー?! よくやるよ!

ユウイチ:昔のおれの母国がまた、ろくでもないことをやっちゃったようだ。はぁ(溜息)。

GM:ということで、頑張って避けてねー。

ユウイチ:さて、こうなったらあんまり長期戦はできないな。素直に城に向かって突撃します。

GM:了解です。ここでシーンを切りますね。
 

 
〜Another Side〜
 

 バンバラ城内、反乱軍総司令部。

 魔剣に選ばれた新たなリーダーの噂を聞きつけ、半人たちが続々と集結していた。ハーピー、サテュロス、ケンタウロス、ミノタウロス。
 「このしと(人)は、わしら半人のために、戦ってくれるんだ!」
 「わしらのことも、しと(人)として見てもらえるように、女王さんへ話してくれるって言ってるよ。人間なのに、なんていいしと(人)なんだろう!」
 玉座に腰を下ろすディアン・オブローは、遠くを見るような瞳で、半人たちを眺めていた。
 

 「北の海で拾った武器だ。誰もいない船に積んであったんだから、使っても誰にも文句は言われん。アーディネイの手下はきっとまた来るぞ。その時に、これを役立てるといい」
 口髭を携えた、がっしりとした体型の男が、据付式の機関銃を指し示した。ディアンは無言で頷き、瞬く間に対空装備の導入が決定した。機関銃の側面には、Kのエンブレムが輝いていた。
 

 血のように赤い夕日を浴びながら、ディアンは魔剣を抜き放つ。黒く光る刃に自らの顔を映し・・・その顔が驚愕に歪む。途端、脳裏に響く声。

『ほう、己を取り戻したか。どうやら我は、汝を見くびっておったようだ』
「オレは、マキシミリアンに、剣を・・・」
『嘘は言っておらぬぞ。汝は我を抜き、汝らと戦う術を得た。我には解る。汝は、力の限り戦いたいのであろう?』
「違う・・・オレはっ!」
『戦うがいい。戦って戦って戦って、己の前に立ち塞がる者がいなくなるまで、我を振るう手を止めることなかれ。さすれば我は、汝に勝利を約束し続けよう』
「オレの剣は、愛する者を、守るために、ある・・・んだっ!」
『なるほど。しかし汝は既に、多くの半人どもの生命を背負って立っておる。最早逃げることはできぬ!』
「! そう、だ。オレが退いたら、半人たちは、どうなる?」

 バルコニーから、中庭で戦の準備をする半人たちの姿が見える。
「オレは、戦う。半人たちを、守る、ために」
 ソウ、モハヤ逃ゲルコトハデキヌ。
 魔剣の嘲笑が、ディアンを取り巻き幾重にもこだまする。
 

 
NEXT → かくして、闘いの火蓋が切って落とされた……
 


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