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TORGリプレイ

『トライアングラー』

 

第一幕

 
シーン2 優しいおせっかい(承前)

 
アーディネイは、世界政府での議決事項をストームナイトに伝える。

ジェシカ自身の責任は、報告を聞くと、そんなに大きいものではない。
要するに、世界政府に宣戦布告した(*8)のは彼女の本意ではなく、
他者の介入と、ダークネスデバイスの邪悪な力によって、
そういった状況に追いやられてしまったのだから、情状酌量の余地がある。
そして、2つの事件(*9)のどちらにおいても、彼女は解決のために非常に協力的であり、
彼女の力なくして、地球は救われなかったであろう。
これらを勘案すると、信用のできる者が身元引受人となって、
きちんと監督責任を負えるのであれば、彼女を釈放してもよいのではないだろうか。
 

GM:という話になりまして。ほら、アーディネイ女王も、闇の力に飲み込まれて、悪いことをしてた時期があったので、公人としても私人としても、他人事ではないわけですよ。「私は今、再び女王の座に就いて、やり直そうとして頑張っています。同じように、やり直そうとしている人がいるのなら、助けてあげたいと思います」というのが、私人としての彼女の気持ちです。

シオン:アーディネイはシンパシーを感じちゃってるわけね。

GM:ただ、身元引受人になってあげたくても、立場上動けないし、かと言って、騎士団の者につけるというのも、それはそれで軍事色が強まるので、あまり望ましいことではないし。

シオン:公人としては動けませんよ、という話なのね。

GM:はい。「ですから、私人として信用できる人間となると」と言って、「ディアン。あなたにお願いできないでしょうか」

セバス:旗が立った、旗が立った!(笑)

GM:周りの人たちは、ここで〈手掛かり分析〉とかがあれば。

ユウイチ:その場にいませーん。

セバス:はっはっは。得意分野でーす。(コロコロ)13。低かった。

GM:11を超えれば成功です。では、確かに話の筋は通ってるけど、トントン拍子というか、都合がよすぎない? ってちょっと思った。

セバス:ふーん。

シオン:何、要するに、ディに後見人になれ、って言ってんの?

マキシム:そういうことだよね。

ディアン:「オレは、ジェシカのことを、信じている。でも、誰かが、一緒にいないと、ジェシカを信じてもらえないのなら、ジェシカがよければ、オレは、構わない。それに、オレは、ジェシカが、国や社会や戦いに、振り回されるのは、もう見たくない」

GM:・・・・・。アーディネイ女王は、ニッコリと笑って、「ありがとうございます。では、よろしくお願いしますね」と言って、パチンと指を鳴らすと。

ディアン:うわーっ!(笑)

GM:壁だと思ってたところに、ふっと扉が現れて。

シオン:(芝居がかった言い方で)ペラ・アーディネイのー!

ユウイチ:イリュージョンショー!

GM:ではなく、空間リンク的な魔法で繋いで。

シオン:陛下、それはどうよ?

GM:いや、ほら、ビックリする顔とか、見たかったし(笑)。

セバス:じゃあ、素直に感心して拍手しとこうか。「おおー!」

GM:ということで、扉が開くとですね、話を聞いていたであろう、ジェシカが入ってきます。おとなしいながらも、芯の強さを秘めた目をしている、まだ、美しさよりも可愛らしさが勝る感じですか。金髪も伸びて、頬をちょっと赤らめつつ。

ユウイチ:まあ、そうなるよな。

ディアン:「ジェシカ・・・」

GM:おずおずと、「あの、えっと・・・本当に、いいんですか?」と、小っちゃい声で。

ユウイチ:それはどう聞いてもプロポーズにしか聞こえないんですが。

GM:いや、そんなことはありませんよ?

セバス:「女王陛下」一歩前に出て。

GM:「何でしょう?」鈴の鳴るような声で。

セバス:「ここはもう、準備を始めてもよろしいのではないでしょうか」

GM/アーディネイ:「いえいえ、やはりそれはお互い、色々知ってからでも遅くはないでしょう」

シオン:えー? 何、そういう方向に行っちゃうのー?

GM:アーディネイ女王は、私は別に、後見人の後見人であって、決定力はないけど、決定したことに対しては、どんな形であろうと祝福する準備がありますよ、と。

セバス:で、さっさと段取りをしちゃいましょうよ、っていうのが俺だから。

シオン:それは承服しかねるなー。じゃあ、シオンは、初め話を聞いてた時には1本ぐらいだった眉間のしわが、3本ぐらいになって、飲んでた紅茶を置いて、「陛下、あまりディの善良さを利用しないでいただきたいのだが」

GM/アーディネイ:「やはり、気が急きましたかね?」

セバス:「これは出すぎたことを」(笑)

ユウイチ:ま、本人の希望もありますしね。

セバス:でもさ、EDENの時に、いい感じになってたから、あとは伝えるだけだろ? って話。

GM:そうそう。だからセッティングしたのであって。

シオン:セッティングして、ディが「いいえ」って言うわけねーだろ!(笑)と、内心思いながら、眉間のしわをさらに2本追加して、「失礼する!」とか言って出て行っちゃう。

GM:ああー、司祭様がー。司祭様が祝福してくれない。

シオン:だって、どう見たって政略結婚みたいなモンだろ!

GM:違うよー。そこまでは考えてないよー。完全に、女王陛下はただの天然。

マキシム:へえー。天然なんだ。俺、はめてんのかと思った。俺はもう、ディアンに言う。「お前、どういうつもりだよ?」

GM:そうだねー。シオンがこっちにツッコんだら、あなたはディにツッコむよね。

マキシム:ホントだよ。慌てるよ。オレいいよ、みたいな顔しやがって。「ディアン、お前、故郷にシャロンって奴がいるんじゃないのかよ?

一同:!!

ディアン:ちょっと待て、お前!

GM:来たーっ! キラーパスが来たーっ!(笑)

シオン:ストレート真っ向ど真ん中!(笑)

マキシム:だって、俺のキャラクターはディアンの過去を知ってるから。

GM:別にあなたがお口にチャックしてました、名誉に賭けて言ってません、って言い張るんであれば、知らないことにするけど。

ディアン:いや、知ってていいです。「・・・シャロン?」

セバス:お爺様としては、固まるよね。「な、ななな、何と不埒な!」(笑)

ユウイチ:じゃあ、窓の外で、「あー、すごいことになってんなー。爺さん、ドロドロだよ、ドロドロ」

GM/ドワーフ:「ドロドロかい。わしらドワーフには、人間の機微はイマイチ解らんなー。やっぱり、かみさんはこう、でっぷり、がっちりしてる人が一番じゃねー」「そうじゃねー」

シオン:若いのうー(笑)。

GM/ドワーフ:「わしも若ぇ頃はなー」「ユウイチさんはどうなんだい? ほら、港に女がいるとかいう話じゃねーの?」

ユウイチ:「昔はな!」(笑)

GM:もう、完っ全に他人事です。

ディアン:「シャロンは・・・オレの故郷の、オレの、家族だ」

GM:ああー、ディがそれをちゃんと発言するんだったら、ジェシカは、「ご家族がいらっしゃるんですか?」

ディアン:「家族のように、一緒に育った、女性が、いる」

GM:家族のように育った女性。えっ? と思いながらも、「へえー、そんな方がいるなら、会ってみたいですね!」

ディアン:「シャロンは、オレの故郷、ダブリンにいる。ダブリンに、バイキングたちが迫っていると、女王陛下は言った。だからオレは、今すぐダブリンに向かう。ジェシカも、オレと一緒に、来てくれるか?」

GM:うなずいて、「はい」と。それだけ言って、静かに微笑みます。

ユウイチ:いい子だね。

GM:「お邪魔にならないようにしますので、よろしくお願いします」と、ジェシカは皆さんに頭を下げます。「シオンさんが出て行かれてしまいましたけど、何か私は悪いことをしたんでしょうか?」(笑)

ユウイチ:じゃあ、そんな中に入っていきましょう。「すみません女王陛下。わたくしの飛行機の、精密機器が壊れてしまいまして、このままだと動かなくなってしまいます。アイルランドの工場だったら、確か部品があったと思いますので、修理に出すため、おいとまさせていただきたいんですが、よろしいですかね?」

GM:「はい。それは構わないのですが」と言って、事情を改めて説明して、「というわけで、皆さんを運んでいただけませんか?」あ、なるほど、“個人的利害”ですね。では“個人的利害”が発動したので、そして、“ロマンス”が1枚発動したので、2人は、この幕の終わりから1ポシビリティ多くもらえます。

ユウイチ:この時を待っていたぜ! そのためにわざわざ飛行機で無茶をしました。

GM:ありがとうございます。素晴らしい。

 
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