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TORGリプレイ

『トライアングラー』

 

第一幕

 
シーン3 それぞれの思い

 
GM:「では、あなたのご用事が終わりましたら、一緒に戦っていただければと思います」と言って、アーディネイ女王は会見の場を出て行きます。

セバス:「女王陛下。もし、お時間があるようでしたら、この状況について、ご説明させていただきます」

シオン:説明って、あることないこと吹き込むんじゃないの?

セバス:何を言ってる。ヴィクトリアの執事ですよ? ゴシップ大好きに決まってるじゃないッスか!(笑)

シオン:絶対、すっごい遠回しに、色々想像させるような言い方するよね。

ディアン:オレ、何も隠してることなんてないよ。

ユウイチ:訊かれないから言ってないだけだもんね。

セバス:じゃあ、ゴシップで。

GM:ゴシップ技能なんてあったっけ。

セバス:いやいや、何言ってるんですか。〈知識(家宰)〉という、伝統的技能がありますよ。「実は・・・」

GM:そうすると、アイルの人たちは、基本的に一途な純愛以外認めないので、アーディネイ女王も、「そういう人がいるなら、いると言ってくれればいいのに」みたいな。

シオン:いきなり嫁候補連れてきといて、何言ってるんだ!(笑)

ユウイチ:よかれと思ってやったんでしょう。ちょっと勇み足でしたがね。

GM/アーディネイ:「私は、ひとりでも多くの人に幸せになってほしい、と思っています。でもそれが裏目に出たのだとしたら、ディアンには申し訳ないことをしてしまいました」

セバス:「いいえ。多分、あれの説明不足だと、思われます(笑)。女王陛下もお忙しい身でございましょうから」

GM/アーディネイ:「すみませんが、若い人たちのことを、よろしくお願いしますね」

セバス:「任されましょう」

GM:やっぱ、ポジショニングとしては、そうなっちゃいますよねー。

セバス:だってさー、ジェシカとのこと、初めから知ってるしさー。もう一方は知らんけどさー。何その水臭さ!

GM:お爺ちゃんとしては、ジェシカと絶対うまくいくよなー、と思ってたし。

セバス:そうそう。そしたら、世話焼きじじいとしては、やるしかないですよねー。

GM:完全に、こちらはゴシップで振ってるけど、女王陛下は善良な人なので、真面目な相談だと思って受け取ってて、文化的なギャップがここで発生してるわけなんですけど、そこはお互い・・・。

セバス:気付かない!

ユウイチ:うわー、歯車、見事にハマってる(笑)。

GM:ということで、中座したシオン。

シオン:え? 中座したものの、その辺をうろうろしてるよ(笑)。

セバス:じゃあ俺、外に出て行くよ。

シオン:とりあえずセバスをつかまえて、「どうよ?!」

セバス:「落ちつけ、テンプルナイト」

シオン:「ディの性格を考えたら、あそこで拒否するわけがないだろう!」

セバス:「まあ待ちたまえ。ここは、わしが順を追って説明しよう! わしが最初に見たのは・・・」

GM:以下、この辺参照。

セバス:かくかくしかじか、「なんて話があったりしたので、うまくいくと思っていたのだが・・・」

GM:さっきのマキシムのすさまじいキラーパスによって、事態は急展開を迎えました(笑)。

シオン:私はキラーパスの前に、出て行ってしまったので、それを聞いて固まる。

セバス:「うむ。あの男、意外とやるなぁ」

シオン:「は? いや待て、それはどういうことだ?! まずいだろう、それは!!」

セバス:「それについては、わしも何も知らぬ。聞いていないからのう。というわけでだな、2人でその女に会いに行こうと思ったらしい。どうだ、この面白い状況?」(笑)

GM:あれ? 何だかんだ言って本音が。

シオン:ペロッて出たよ、今!

セバス:うん、ううん(咳払い)。「いやー、昔ガイアにいた頃を思い出すのうー」

シオン:「我々の友人の重大な決定事項だぞ?」

セバス:「だからここは、高貴なる身分の者の義務(ノブレス・オブリージュ)として」

シオン:「我々で見届ける義務があるということだな!(笑)なるほどセバス、お前の言いたいことはよく解った!」

セバス:「うん、うん、さすが騎士殿だ!」

GM:すげー。この人たち、ポジション正反対に近いのに。

ユウイチ:また歯車が合ってる。

GM:見てる方向は全然違うのに、「我々がしっかりしなければいけない!」がっちり握手、みたいな。

セバス:「では行くぞ! 忙しくなりそうだ」

シオン:「よし、解った!」

GM:いいですねー。ぐるんぐるん、車輪回してますねー。で、完全にのほほーんとしてらっしゃるユウイチさん。

ユウイチ:とりあえずおれは、マキシムに、「この状況って、どうよ?」って訊いてみようか。

GM:あーなるほど。マキシムは既婚者として、ないしは長年の相棒として、思うところもあるでしょうからね。

マキシム:「難しいんだよな。あいつの気持ち、どうすんだろうな」

ユウイチ:「うーん、とりあえず、傍観するしかないんじゃないか? 普通に考えて」

GM:なんて話をしていると、おっさんから、「ユウイチさーん、ここ、どうするね?」と呼ばれて。

ユウイチ:「はーい」

GM:残されたマキシムのところに、かなり傷が多い、マッチョな感じのドワーフの爺さんがやって来ます。見たことあるような、ないような・・・。

ディアン:あっ!

GM:って思ってると、「おー、久しぶりじゃのう!」って、腰をばんばんばんと叩かれるんですけど、「判らんか? ほら、お前さんに剣を渡した」

マキシム:「ああ! あの時(*10)の爺さんか!」

GM/ドワーフ:「元気そうで何よりじゃ」

マキシム:「おう。あの時はホントに世話になったな」

GM:「いやいや、こっちこそ。お前さんのことは、子子孫孫、語り継ぐからな!」ドワーフだから、すーげぇ広まるぞー。

セバス:しかも寿命が長ぇー(笑)。

GM/ドワーフ:「どれ、剣、見してみい。ぐちゃぐちゃ話聞くより、その方が早い」

マキシム:「おう。・・・見てくれ、この斬神刀。あれから随分使ったわ」

GM:では、すーげぇでっかい、鉄塊のような剣を、どすんと、金床の上に置くと、「おー、これはすごい。ちょっとやそっとの、闇の者を斬っただけでは、こうはならんな。100、いや、もっと!」とか言いながら、「これを見れば判るぞ。お前さんが、どんだけのことをやってきたか」

マキシム:そうか。

GM:「戦士なんて、ぐしゃぐしゃ語るモンじゃねえ! 剣見りゃ判るんだ! よし、わしがちょっと気合いを入れてやろう」と言って、火の精霊とかがやって来て、カンコンカンコン始めながら、しばらくすると、「不思議なモンが見えるのう。長年、鍛冶なんかをやっていると、色々見えてくるものでな」と、玉の汗をかきながら、「ほれ、見てみろ。刀身のこの辺に、くすみがある。近いうちに、雌雄を決する相手が現れるじゃろう」

マキシム:・・・・・。

GM:「ここで久々に会ったのも、何かの導き、というか、剣が呼んだのかもしれんな。剣の方も、お前さんが全力で振るえるだけの刀身にしてほしいと、望んだのかもしれん。わしは別に魔法を使えるわけではないが、それでもやはり、持ち主の魂は、武器に宿るものじゃ。いい使い手に持ってもらえて、本当に鍛冶屋冥利に尽きるわい」カンカンカンカン叩きながら、「ほれ、持っていけ。これで負けるようならお前が悪い!」(笑)

ユウイチ:うわ。

シオン:微妙に責任転嫁。

GM/ドワーフ:「わしはできることをやった。本当に強い武具を、本当に強い者に届けるまでが、わしの仕事じゃ。これを生かすも殺すも、お前さん次第。お前さんの魂であれば、これで多くの者を救い、斬るべきもの、邪悪なる者を斬ってくれると、わしは信じておるぞ!」

マキシム:「まあ、死なないように、行ってくるよ。また次、打ち直してくれや」

GM/ドワーフ:「ああ。次は本当にボロボロになったら持ってこい。いつでも命を吹き込んでやる。お前が死んだら、わしは鍛冶屋を辞めるからな」

ディアン:おおーっ!

GM:では、あなたが剣を受け取ると、きらっと光った中に、一瞬、黒い影が見えたような気がしました。
 

再び、ナイル帝国。

「くっくっく。ジャンヤの計画は、なかなか悪くなかったアル」
出撃準備を整えつつ、ウー・ハンはひとりつぶやく。
「これならストーマー共をぎゃふんと言わせられる筈アル。
 何と言っても、ワタシには、この、秘密兵器もあるしな!」

ウー・ハンが振り返ると、暗闇にひとりの男の姿が浮かび上がる。
竜を模した兜を目深にかぶり、表情を伺い知ることはできない。
漆黒の鎧には、天使や炎をかたどった意匠が刻まれている。

「行くアルよ、ケルビム!」

竜の兜の男は、ウー・ハンの呼び掛けに深くうなずくと、マントを翻して歩き出す。
「雌雄ヲ、決スルタメニ!」

 
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