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TORGリプレイ

『トライアングラー』

 

第二幕

 
シーン4 What She Said

 
 居間にいたユウイチは飛行機の整備と番をするために、
 シオンは儀式を執り行うために、それぞれ出て行く。
 セバスとマキシムが、明日に備えて休もうかと話しているところへ、ディアンが戻ってくる。
 

ディアン:「あ・・・ユウイチと、シオンは?」

セバス:「飛行機の番をしているか、祈りに行ったか、ではないかのう」みたいな話をして、「ところでお前さんよ。さっきは、どうだったんだ? 3人でいたんだよ、な?」(笑)

シオン:直接的に!

ディアン:「そうだ。ジェシカが、子どもを寝かせるのを、手伝ってくれた」

セバス:「ほう、そうかそうか。ジェシカ殿は、さすがに気が利くのう」

ディアン:ちょっと顔が曇って、「シャロンには、これから、ユーソリオンとの戦いになるだろう、と話した」

セバス:俺これ以上、ツッコむのはやだなー、と思ってマキシムの方を見ながら(笑)。

シオン:目配せしてるー!

GM:マキシム君にパス渡して、大丈夫かな?

マキシム:またやっちゃうよ? いや、でもどうしよう。ストレート過ぎるのもどうかな。

ユウイチ:何を今更(笑)。

GM:そこは別に、真っ向、剛速球でいいんじゃないッスかね。

マキシム:うーん、困った。「シャロンとは、久しぶりに喋って、どうだったんだ?」

ディアン:「変わって、いなかった」

セバス:あー、こいつの中の記憶って、どんななんだろう(笑)。

ディアン:「辛い思いは、しているかもしれないけれど、笑顔で、子どもたちに、辛い顔を、見せない。オレも、シャロンのようになりたい」

セバス:「ほう」
 

 3人の間に、奇妙な沈黙が流れる。
 

マキシム:俺は俺でやっぱりさ、訊きづらいよ。一応相棒だからさ。

セバス:えー、バーバリアンなのに何遠慮してんの? おかしくない?

マキシム:バーバリアンでも判るじゃん、この関係!(笑)「お前は、2人のことどう思ってるんだよ?」って言いたいけど。

GM:喉まで出かかってるらしい。

セバス:しょうがないのうー。「そういえば、お主、出発前に、ジェシカ殿を守ると誓っていたよな?」

ディアン:「そうだ」

セバス:「で、先ほどシャロン殿には、シャロン殿を守る、と言ったのか?」

ディアン:ちょっと、何で知ってるの?(笑)

GM:って話をしたんじゃないの? と、カマを掛けた。

シオン:カマ掛けたら、ただ単に直球ストライクだった。

ディアン:頷いて、「もしかしたら、ここは戦場になるかもしれない。オレはそうはさせたくないけれど」

セバス:「それは我々も同じだがな。やはり、そういう話をしたのか。で、シャロン殿は何か言ったか?」

ディアン:「『オレは、オレの家族を守る』と伝えたら、シャロンは、笑って、『言うようになったな』と」

一同:・・・・・。

セバス:「『家族』、と言ったのか?」(笑)

GM:ああー、いいツッコミだ。そこ大事、そこ大事。

ディアン:「そうだ。オレはここで、家族のようにして、シャロンと育ったから」

セバス:「まあ、確かにな」

GM:そういうこと訊いてるんじゃないんだけどなー。

シオン:ディ、うまく避けたな!

セバス:こいつ、こういうキャラだから、どうにもならないよなー。

マキシム:のらりくらりとかわしちゃう。

ディアン:だって、嘘はついてない。

シオン:嘘ついてないし、正直だからいいんです。

ユウイチ:答えが、我々の予想と違うものになってるだけだから。

セバス:「孤児院の、子どもたちをはじめ、皆が家族だと言うなら、確かにその通りだな。・・・ではジェシカ殿は、お主にとっては、どういう位置づけなのだ?」

ユウイチ:シュートを投げたぞ、シュートを。

ディアン:「ジェシカ、か?」

セバス:「うむ。そうだ」

ディアン:「・・・・・」言われてすごく、考えています。

セバス:「なに、それだったら、一晩寝て考えろ」

ディアン:「ジェシカは、仲間だ」

一同:・・・・・。

ユウイチ:バントで返されてしまった。

GM:このコースは、無理だ。攻めるパターンを変えよう、みたいな。

セバス:「まあ、お主も疲れているだろうから、早く寝るがよいぞ」で、最後にこう、「マキシム、もうちょっとちゃんと言わんか!」みたいな視線を投げとく(笑)。

マキシム:俺だって気を遣うよ。付き合い長いんだから。

GM:ということで、その夜は更けていくわけですけれども、ひとつ、イベントを起こさせていただきます。
 

 闇に閉ざされたダブリンの街に、
 まるでパルプコミックに出てくるような、怪しい飛行物体が迫る。
 それが沿岸部へ差し掛かった瞬間――空中で爆発が起きる。

「う、うわ、ケルビム、何をするアル! 洗脳装置が完璧じゃないアルか?!」
 総督ウー・ハンの悲鳴を背に、ひとりの騎士が音も無く円盤から飛び降りる。

 彼が傍らに視線を移すと、飛び降りざまに一刀を決められていたワイバーンの首が、
 地響きを立てて落下する。
 さらに追い打ちをかけるがごとく、彼はワイバーンへ攻撃を加えていき、
 やがてその血飛沫が、ひとつの単語を形作る。

『マキシミリアン』

「わかる・・・今ならば。
 導け、俺の剣よ。奴との決着の場に。それをしなければ、俺は死ぬことはできない!」

 そう言うと、ケルビムと呼ばれていた男は、「グリフィスの家」の方角へ、まっすぐ歩き出す。

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