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TORGリプレイ

『トライアングラー』

 

第三幕

 
シーン3 Liar & Liar

 
 ユウイチの説明が終わると、ストームナイトは一様に黙り込む。

 少し離れたところで、その様子を静かに見つめるシャロン。
 無意識のうちに、彼女は胸の十字架をきつく握りしめていた。
 

ディアン:「ユウイチ。ジェシカとマキシミリアンは、出て行く時に、何か言っていたか?」

ユウイチ:「『こっちは任せろ』と言っていた。マキシムもジェシカも、自分たちで決着をつけると言っていた」

ディアン:「決着・・・?」

ユウイチ:「おれはよく知らんけれども、『アークという奴との、決着をつけに行く』と言ったんだ。だから、任せろと言った以上、おれは任せるべきだと思う」

GM:一応繰り返しますけど、ジェシカは、「誰かに頼らずに、私がやらなければいけないことだと思います」と言っていました。

ユウイチ:うん。「どういう意味だか、おれは知らんがな」と付け加えとく。

ディアン:・・・・・。

セバス:ぐずぐずしている時間はないぞ。こうなった以上、マキシム君には、頑張って迎撃してもらうとして。

シオン:我々は、アンデッドの発生を防ぐ方法を考えるべきだな。

ユウイチ:魔法は、発動したら、打ち消すことはできないんですよね。必ずもう、自動的に進んじゃうの? それとも、唱えた奴を倒せば止まるの?

GM:えーと、現状、成立はしてしまっているので、それ自体を止めることはできませんが、アイルの魔法って、結構触媒みたいのを使ったりするんですよ。で、効果が大掛かりだから、少なくとも何らかの仕掛け、仕込みがあるはずだ、っていうのは、想像はつきます。

シオン:はいはいはい。魔法陣なり、触媒なりね。

ユウイチ:ってことは、術の中心もしくは触媒をぶち壊せば、発動した部分は無理だとしても、それ以上のことは起きない、と考えていい?

ディアン:無限に湧き出るのは防げるってことか。

GM:はい。大量に発生しそう、ってことが判った時点で、先手が打てます。逆に言うと、あなた達しか知らないので、今、動けるのはあなた達だけです。

ユウイチ:「触媒が何か」と、「どこにあるか」を、見つければいいんだね。

GM:その辺りは、魔法系の技能を持ってる人に判定してもらえれば。〈オカルト〉とか、〈推理〉とか。“警戒”カードでもいい。

セバス:あるよー、“警戒”カード。

GM:素晴らしい。ではセバスの警戒心、というか、やはり霊的なひらめきか何かで、この近くに、大きな霊的なスポットがあるという推測がつき、地図を広げるなり話を聞くなりして調べると、セント・ミシャン教会ってところに、何百年もの歴史を持つ墓があって、多数の遺骸が保存されている、と。

セバス:いやーん。

シオン:アンデッドを喚ばうんだったら最適だな。

GM:因みにその教会は、孤児院から1kmも離れてないですね。向こうが走ってきたら、すぐ来られる距離。

セバス:間違いなく、そこだな。よし、行くぞ。

ユウイチ:その前に、ダブリンの街のどこでしたっけ? 防御が利いてるのは。

ディアン:中央の、トリニティ・カレッジ。

GM:が、最後の守りですね。

ユウイチ:だったら、“知人”カードで、誰か適当な人間に、子どもたちを連れて行ってもらうようにすれば。

GM:移動できますね。もし避難誘導をさせるつもりだったら、“知人”を1枚切ってもらえれば充分です。

セバス:エマニエル坊っちゃんがいればなー。でも俺“知人”カード持ってないんだよなー。

シオン:私、坊っちゃんの顔知ってるけど。坊っちゃんと飲んだこともあるよ(*18)?

セバス:あっ、そうだっけ!

シオン:「嘘ぉ! 坊っちゃん負けた?」の時にいたから(笑)。

GM:坊っちゃん呼ぶと、多分ものすごい勢いで守ってくれますよ。

セバス:そしたら、俺のいないトコで呼んで(笑)。爺さま、また狂乱し始めるので。

シオン:じゃあマスター、“知人”を使います。坊っちゃんには、トリニティ・カレッジの守りを任せよう。

ユウイチ:あと、おれの方の“知人”で、メタルヒーロー(*19)を呼んで、孤児院のみんなを、トリニティ・カレッジまで移動させる間、護衛してもらいます。「大神くーん、ちょっと来てくれる?」

GM:えーと、その人は何か乗り物に乗ってたりします?

ユウイチ:バイクですね。

GM:では、バイクがザザザッとやって来てですね。

マキシム:早っ!(笑)

ユウイチ:「大神ぃー!」

GM:「ほら、預かり物だ」“個人的利害”のサイドストーリーもあるので、ギリギリのタイミングで、部品が届きました。

ユウイチ:「ああー、これで動く動く。多分、もう2回ぐらい飛べる。すまないが、子どもたちの方の護衛を頼む」

GM:ぴっと親指を立てて、「任せてくれたまえ!」

シオン:さわやか青年だ。

GM:では、シャロンと孤児院のみんなは、あなた達より先に出発します。

ディアン:これで、安心して、戦える。

GM:あ、ちょっと待って。

ディアン:?

GM:ここで重要なのは、ヒロイン2人が、それぞれディアンに対して、「あなたは別のところに行って頑張って」って言ったことです。

シオン:私のことはいいから、って言ったんだよね。

GM:はい。そして、この後2人ともピンチになります。つまり、どちらかを選んでください

ディアン:!!

GM:位置的には、偶然ですけれども、トライアングルを描く感じになると思います。

シオン:教会と、トリニティ・カレッジと、マキシミリアンのところと。

GM:だから、どちらかのヒロインを、救いに行く、でもいいし、アンデッドを倒しに教会へ行って、街のみんなを助ける、でもいい。あと、ディアン。〈名誉〉で判定してください。

セバス:まさか、ペンドラゴンみたいに、感情ロール(*20)とかやらせるワケじゃないよね?(笑)

GM:やらせませんよ! ペンドラゴンはいいゲームですけどね!

ディアン:(コロコロ)23です。

GM:ヒロインは2人とも嘘をついて出て行きました。2人とも、「あなたが来なくても私は大丈夫」って言ったけど、2人ともあなたに来てほしいんです。

シオン:乙女心だねー。

GM:あと、ジェシカは、弱いように見えて強い人で、シャロンは、強いように見えて弱い人です。

ディアン:・・・・・。(悩んでいる)

ユウイチ:もしくは、“キャンペーン”カードを使って、決定を延ばすという手もあるよ。

GM:はい。逃げ道という言い方は失礼かもしれないけど、もしも、すごく迷う、もうちょっと考えたい、って思うんであれば、それは別に構いません。

ディアン:・・・・・。(まだ悩んでいる)

シオン:これで会うのが最後になるキャラクターって、アークだけなんだよね。

GM:そうですね。アークだけは、ホントにこの三角関係から、外に出ちゃってるんですよ。で、例えば、皆が何とかしてやろう、って思ったら、四角関係になるかもしれないけど、今のところ、彼は、流れ星のように消え去っていく運命です。

シオン:アークを後押しするんだったら、方法はいくらでも。

マキシム:うん。俺、面白いと思う。

GM:因みにオープニングシーンは、実はその示唆だったりします。空に大三角形があり、流星はそこを横切って消えるのみだけれども、ただ、その流星に誰かが願いを掛けたなら、っていうイメージシーンです。

マキシム:(ディアンを見て)シャロン方向ですかね。

ディアン:やめろお前!(笑)余計な茶々を入れるな!

GM:いや、ここで強く、「いや、イオナズンだ!(*21)」と言うのも(笑)。

マキシム:フローラには幼馴染みいるじゃん。ビアンカ取らないのかよ?

GM:いや、逆方向もアリで、例えばアークが新しい恋を見つけて、シャロンとくっつくっていう・・・(爆笑)。

マキシム:ええーっ?!

シオン:何だその、少女マンガの最終回みたいなの!(笑)

GM:要するに、プレイヤーが望むなら、そういうウルトラCもアリだ、よ?

ディアン:・・・・・。解りました。選びます。

 
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