TORGとは?

―初めての方のためのガイド

Last Updated:2008.09.20

 

 TORG(トーグ)とは、一体どういうゲームなのか。ここでは、プレイレポートを読む上で知っておいていただきたい事柄を説明します。


ゲームの背景 〜君には戦う理由がある〜

 TORGの舞台は地球──但し、私たちの知っている地球と同じではありません。異なる物理法則・価値観([リアリティ])を携え、異なる惑星([コズム])より突如として現れた侵略者たちによって、未来が絶たれようとしている地球なのです。
 

 侵略してきたコズムの数は全部で6つ。各々に[ハイロード]と呼ばれる支配者がいます。 6人のハイロードは、地球の内に秘められた可能性の力[ポシビリティ・エネルギー]が、他の世界と比べて桁違いに豊かであることを知って、それを略奪するため一時的に同盟を結び、地球へ一斉攻撃を仕掛けたのでした。彼らは、ポシビリティを搾取するために、意志を持つ祭器[ダークネスデバイス]の導きに従い、地球の各地を[スティリー]という名の杭で囲って領土([レルム])としました。

 ……究極の存在、[TORG]になることを目指して!
 

 TORGとは、伝説に謳われる神にも等しい存在のことです。世界そのものと一体であり、老いることも死ぬこともない……。そしてTORGとなるためには膨大なエネルギーが必要である……。そう、ハイロードたちが地球を食い物にしようとするのは、そのエネルギーを得るためなのです。価値観は違えど、野望の行き着く先は皆同じ、TORGだというわけです。
 

 激しい嵐の後、地球の状況は一変しました。各地に築かれたレルム内部では、侵略者たちが持ち込んだリアリティに、地球の常識が押し潰されてしまったのです。例えばイギリスから北欧にかけて広がったアイルというファンタジーレルムでは、剣と魔法と騎士道の世界が復活しました。その反面、近代兵器はガラクタ同然となりました。
 

 しかし、その嵐がもたらしたものは、もう一つあったのです。
 

 アイデンティティや生命の危機に瀕し、ぎりぎりの局面で、自らの内なるポシビリティ・エネルギーをコントロールして不可能を可能にする術を会得した者がいました。彼ら [ポシビリティ能力者] の中に、地球を滅亡の危機から救うため、絶大な力を持つハイロードと闘うことを決意し、行動を起こす者が現れました。
 

 そんなレジスタンスたちのことを、人々は尊敬の念を込めてこう呼びます。

嵐の騎士、「ストームナイト」と……。

 
 プレイヤーが演じるのは、地球の存亡を賭けてハイロードと闘う、そんなストームナイトです。彼らは地球に残された最後の希望。もし彼らが敗北すれば……この地球は死の星となってしまうでしょう。

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システムの特徴 〜君こそヒーローだ!〜

 ストームナイトとは、いわばハイロードの侵略に立ち向かう正義のヒーローです。数の上では圧倒的に不利であるにも関わらず、自らの可能性(ポシビリティ)を信じて戦いを挑むわけです。
 彼らのヒーロー性を表現するために、TORGのゲームシステムには、ポシビリティと、ドラマデッキという、2つのギミックが用いられています。
 

 ポシビリティは、他のゲームでヒーローポイントとか、CPと呼ばれるものに相当します。作ったばかりのキャラクターは、10点のポシビリティを持っています。これを使うと──

†ダイスを振り足すことができます。
TORGの行為判定は以下の手順で行います。
「20面体ダイスを一つ振る。10か20が出たなら振り足しできる」(但し、技能がなければ20では振り足せない)→「キャラクターシートの一番下にあるボーナス表を見て、出た目の欄にあるボーナスを技能基本値に加えて技能達成値を求める」
その際、ポシビリティを1点使うと、あたかも10や20が出た時のようにダイスを振り足せます。しかも、振り足しのダイスは、どんなに出目が低くても10と看做されるのです!

†ダメージを打ち消せます。
敵の攻撃などで今まさに被ろうとしているダメージの内、一定量を受けなかったことにできます。

†敵のポシビリティを相殺できます。
敵がポシビリティを使って振り足そうとした時、こちらもポシビリティを1点消費すれば、振り足しを阻止することができます。

†[リアリティ・バブル]を張れます。
ポシビリティ能力者は、リアリティ・バブルという名のバリアーを張ることで、何処にいても自分の周囲に出身世界のリアリティを作り出せます。単一のリアリティしか許容されない、[純正エリア]と呼ばれる地域でも、バブルさえ張れば、リアリティに反した行動が取れます(例:リビングランド=原始の世界でもコアアースのライフルを撃てる)。

 
 ドラマデッキというのは、早い話カードのことです。プレイヤーは各シーン毎に4枚のカードを受け取り、行動を補助することができます。カードには能力値を一時的に上げる(例えば“アドレナリン”は肉体的能力を高めます)、他人の達成値にプラスする(その名もズバリ“援助”)など、様々な効果が書かれています。カードは望む時いつでも手元から出して使うことができますが、「ラウンド進行」と呼ばれる時間の区切られたシーン(その最たる例が、戦闘シーンです)は例外です。ラウンド進行中は、手元からいったん「場札」にしないとそのカードを使うことができないのです! 場に出せるのは各ラウンド1枚だけなので、どのカードが後々重要になってくるかを先読みする必要があります。

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勝利の方程式 〜決め手は見せ場とチームワーク〜

 さて、数の上で圧倒的に不利な側が勝利を掴むためには、それなりの戦略が必要となってきます。私は、自分がプレイヤーの時もGMの時も、「見せ場」と「チームワーク」の2つを大事にしています。
 

 まず、「見せ場」の方から説明します。TORGは価値観の異なるキャラクターが一緒に冒険するシチュエーションを楽しむシステムなので、出身世界によってキャラクターが会得している技能は相当異なります。その結果、ストーリー中にキャラクターが自然と活躍の場を譲り合うようになります。何故なら、技能の有無が、行為判定に於いて振り足しのできる確率に直結するからです。前に書きました通り、ダイスの目が10か20なら振り足すことができるのですが、技能を持っていなければ20での振り足しはできません。そして多くの場合、全員がそこそこの成功を収めるよりも、たった一人でも大成功した方が良い成果を得られます。
 

 とは言っても、ひとりで10や20を出し続けて判定に成功できるケースは稀です。そこで「チームワーク」が大事になってきます。各人がばらばらにカードやポシビリティを使って判定成功を目指すのではなく、その場で使えそうなカードを能力の高い人に集め、全員で映画のようにドラマチックな成功を作り出すのです(TORGには、相応しいロールプレイがあればプレイヤー同士でのカードの交換を認めるルールがちゃんとあります)。敵と戦う時も、半端なダメージでは無効にされてしまう(ボスクラスの敵はほぼ100%ポシビリティ能力者です)ため、ポシビリティでも消しきれないほどの大ダメージを与えて一撃で決める! というのが鉄則です。
 

 因みに、キャラクターは一幕に一度だけ、強引に「見せ場」を作り出せたりします。その名も[見せ場宣言]と申しまして、ラウンド進行中この宣言をすると、手札の中から一気に何枚でも場札にできるのです。その上で使えるカードを仲間から譲ってもらえば、格好良く決められること間違いなし……!? その後が大変ですけどね。

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 最後までお付き合いいただきありがとうございます! もしTORGに興味を持っていただけたなら、プレイレポート&リプレイもお読みいただければ幸いです。
 

 それでは、
 May the power of Possibilities bless you!
 皆さんに可能性の御加護がありますように。


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