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第一幕

 
シーン４　He is Strong

 
ＧＭ：強力関、お待たせしました。奥義の試練を受けていただこうと思います。

強力：はい。僕はただ、淡々とサイコロを振ろうと思う。

ＧＭ：〈武道〉のルールでは、「この奥義を覚えるためにはこの試練を受けてください、判定に使う能力値はこれで、いくつ以上出してください」っていうのが決まっています。旋空投という投げ技を覚えるために、水桶を担いで急坂を登り、掌底、張り手を覚えるために、板割りをし、百烈張り手のために、兎を追い、１００匹の兎を捕まえたりする。

強力：急に可愛いムーブになったね。

ＧＭ：自己修練、師匠がいなくても、鉄砲とかして、〈武道〉レベルを上げることができる奥義も覚え、そして、残り２つ。真の試練がやってきます。

ディアン：確かひとつは・・・。

ＧＭ：まず、雷神拳という、２ラウンドの間、２回攻撃ができる奥義なんですけど、あなたが指定された場所に行くと、一面の鳩がギッ！　ってあなたを見ます（笑）。『鳩追い。兎追いの試練と似ているが、獲物となるのは鳩である』。《敏捷度》で１２以上を出してください。

強力：ごめんなさい。面白い！（笑）リアクションがぱっと思いつかない程度には面白い。

ＧＭ：でしょ？

強力：（コロコロ）ダブル。（コロコロ）２９なんで、《敏捷度》２０。

ＧＭ：成功です。あなたのお好きな演出で構いません。

強力：じゃあ、着流しも脱いでない状態で、無造作に、ぶん！　右手の先が、一瞬消えたかと思うと、右手に、鳩が、ここに１匹、ここに１匹、ここに１匹、ここに１匹、がすっ！

ディアン：指の間に挟んで、４羽捕まえた。

ＧＭ：一瞬気絶した鳩が、力を弱めると、カッ！　と目を覚まして。

強力：それでまた、ふっ、って飛ぶわけですよ。

ＧＭ：そうすると、あなたの師である親方が現れて、「最後の試練だ」

強力：親方がね。

ＧＭ：「最後の奥義は、本当に危険なものだ」説明を読むね。『龍破虚空掌。敵の身体の中に直接「気」を叩き込む、非常に強力かつ危険な奥義である。このため、敵の素肌に直接触れなければならない』

ディアン：なんて角力向きなんだ！

ＧＭ：急所攻撃（敵が裸ならば通常攻撃でよい）（＊８）で、命中判定するのね。成功すると、相手が死ぬ（笑）。

強力：お、おう。

ＧＭ：成功度１５の結果。つまり、一撃で４レベル負傷ＫＯ１５、一撃死。ポシビリティ能力者でも、３レベル負傷ＫＯ５。ポシで消さないと致命傷。しかもバックファイアが来るので、自分にもダメージが入る。「本当に必要な時、お前の角力が必要な時に使え。相手の生命を容易く奪える奥義だ」

強力：「で？　じじい、何すりゃいいんだ？」

ＧＭ：「ふん。お前らしいな。そのぐらいの覚悟はもう出来ている、ってか」と言って、ニヤリと笑って。

強力：多分、これもロクデモナイ演出になるぞ。

ＧＭ：熱々に煮えたぎって、超おいしそうなちゃんこを大量に、「食え」

一同：（爆笑）

強力：あの・・・、厳かなＢＧＭをいっぺん止めます。

ＧＭ：え？　俺間違った？　って顔をするよ。親方が。

強力：「じじい。何だこれは？」

ＧＭ：「ちゃんこ。美味いぞ？」

強力：判定は？

ＧＭ：説明を読むね。『克死行。致死量ぎりぎりの毒物を摂取しなければならない。生き残ることがこの試練の意義である。この試練に二度目の挑戦はない』。そりゃそうだろうよ！（笑）

マンジマル：毒入りのちゃんこ。

ＧＭ：『失敗した場合、二度と皆伝の奥義を得ることはできない。《耐久力》で難易度１３である。この試練は例外で、サイコロの振り足しにポシビリティを２点以上使うことができる』。失敗すると死ぬからな！（笑）

強力：「そういう修行なら、そう言え。いきなりちゃんこ出されても困る」

ＧＭ：「ちゃんこを出されれば、食え。お前は角力取りだろう」

強力：「ああ、食うよ。しかも残さず食ってやるよ」

裕人：おおー。

ＧＭ：「食ってもらおうじゃねぇか」

強力：では判定。《耐久力》は１１です。（コロコロ）６。ん？　これ死ぬな（笑）。

ＧＭ：口に入れただけで、舌がピリッてきた。脂汗が流れた。

強力：ポシ使う。（コロコロ）１０、振り足し。（コロコロ）１７で、３３なんで、達成値２１。

ＧＭ：おおー。

強力：最後まで飲み切って、鍋をがつん、と置いて、「文句はねぇな？」

ＧＭ：「ああ。お前は、自分の命をギリギリまで晒した。これで、死というものをちゃんと解ったろう。角力ってのはな、簡単に人を殺せるんだ」

ディアン：親方、それ、角力じゃなくて、毒で殺そうとしてるんじゃ（笑）。

強力：「一通り済んだな。じゃあ、俺は寝る」と言って、ぐーすか寝ますよ。

ＧＭ：「寝る前に、夢枕で聞いとけ。出稽古が決まったぞ」

強力：「場所は？」

ＧＭ：「アメリカ興行だ。デケェ土俵でお前の角力を試してこい」

強力：こう返しますよ。「また退屈な相手なんじゃないだろうな、じじい？」

ＧＭ：「そうだな、退屈はしねぇと思うぜ。ちゃんとまわし締めて、当たってこい」

強力：「あいよ」

ＧＭ：・・・そしてあなたは目を覚ますと、恐竜と仕切りを取っていた（笑）。

強力：飛躍しすぎじゃね？　もうワンクッション入れよう。

ＧＭ：いや、要らないかなと思って。

強力：無事、奥義を全て覚えた状態で、アメリカに向かうのでした、ぐらいの感じで。

ＧＭ：解りました。ニッポン角界的には、休場ってことにして、体良くあいつを追い出しちゃえ、みたいな話になってますけど、まぁ、知ったこっちゃないです。というわけで、全員の導入が終了です。この後は合流になります。

 
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