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TORGリプレイ

『Be Alive』

第一幕

 
シーン6 Wild Force

 
 潰走するエディーノスに追い討ちを掛けるかのように、
 雄々しい戦乙女に率いられた集団が現れる。
 一際大きな恐竜の背に乗った少女は、フロクトの枝でできた槍を掲げて勝ち鬨を上げる。
「われわれは勝ったぞ。ストームナイト族の勝利だ!」
 

マンジマル:族か!

GM:特攻服に身を包んでいて、愛羅武勇とか、仏恥義理(ぶっちぎり)とかの文字が書いてある(笑)。呆気にとられている皆さんに、「わたしは、ミサキ族のユキという!」

裕人:ユキさん。

GM:元、ニッポンテックの財閥の娘さんだったんですけど、色々あって(*11)、原始人をやっています。

強力:今日は、だいぶ振れ幅が激しいTORGだな。とりあえず、状況を整理するために、声を掛けよう。「強力だ。角力取りをやっている」列車の上を見て、「お前は?」

裕人:「えっ? 俺?」

強力:「フラッシュを焚いているのが目に入った。さすがに解るさ」

裕人:「ああ、俺は、相島裕人っていうんだけど」

GM:見ると、不可思議な気を漂わせています。

ディアン:「ユウト、か」

裕人:うっ、なんか、テレビの人に見つめられて、すごいけど、怖ぇー!

ディアン:怖いかな? オレ。

裕人:偉人たちに会うと、やっぱり、気後れするっていうか。

強力:一般人メンタルがね。

GM:「おまえもストームナイト族か!」何でこんな言い方するかっていうと、彼女の社会レベルでは、村っていう概念すら無理なんです。

裕人:そうですね、確かそうでしたね。

GM:だから、ストームナイトっていう集団=「族」っていう理解をしてるのね。それはすぐ察しがつきます。あ、この人モノホンの原始人だ、って。

裕人:「ストームナイト族ね。まあ、そんなところ」

GM/ユキ:「ならいいやつだ!」

裕人:「あ、ありがとう」

GM/ユキ:「なまえはなんていうんだ?」

ディアン:今聞いたよ?(笑)

マンジマル:大事なことだから2回聞いた。

GM/ユキ:「ユウトか。わかった。ユウト、おぼえた!」

ディアン:ユウトの方に馬で寄って行って、「降りられるか?」

裕人:「うん。降りられる」って言って、そのままスタッと。

ディアン:飛び降りちゃったの?

裕人:うん。飛び降りた。

強力:列車から飛び降りられるのは、一般人ではない。

ディアン:という認識をするよね。

裕人:「あ、俺、パルクールやってたから」

強力:説明しよう! パルクールとは、フランスを発祥とした、エクストリームスポーツの一種である。身体を使って、困難な地形を飛んだり跳ねたりする・・・。

ディアン:あっ、映像見たことある! あれかー。

強力:電源ありの、アサシンクリードというゲームで、主人公が壁を走ったりとか、高いところから飛び降りたりする、身体の使い方に特化した、現代版の忍術の基本。

ディアン:「パルクール、か」

裕人:「うん。パルクール」

GM:そうすると、ユキはマンジマルの方をちらっと見て。

マンジマル:その瞬間にはもういなくて、裕人の後ろにすっ、と。

裕人:じゃあ、後ろを向いた瞬間、「う、うわあああ!」

マンジマル:「拙者はマンジマル。忍者をやっておる」

強力:片眉を上げて、「へぇー・・・」

GM:見たところ、強力が知る忍者とは全く違う気を漂わせています。

強力:まず、忍者は技名を叫ばないですよね(笑)。

GM:今から私は分身しますよ、って言ってから分身したからね(笑)。

強力:「で、そこのキラキラした奴は?」

ディアン:「ストームナイト、ディアン・オブロー。エディーノスを止めるために、ここへ来た」

強力:「俺は、この辺に、出稽古に行けと、親方から言われて来た」

ディアン:「デゲイコ・・・オヤカタ・・・」

強力:さらっと、「修行だ」

マンジマル:まじまじと見て、「おお、スモウレスラーか」

強力:「違う。角力取りだ」

一同:おおー。

GM:マンジマルはすぐ解りますよ。あれは、本物の気を使える、角力取りだ。尋常な腕前ではない。

強力:こちらの娘にも訊こう。

GM/ユキ:「ん! なんだ!」

強力:若干、気圧されながらも、「お前か、俺を呼んだのは」

GM/ユキ:「・・・そうだ!」

強力:「今、話を合わせたか? そんなことはないか?」

GM/ユキ:「あわせる、ってなんだ?」(笑)

マンジマル:天然だ!

ディアン:「ユキは、ここに、ストロングやマンジマルがいることを、知っていたのか?」

GM/ユキ:「強いやつをよんだ! きた!」

裕人:か、可愛い。

マンジマル:出前か。

GM/ユキ:「たのむ! ストームナイト族のなかまたち! 大きな戦いがせまっている!」

マンジマル:「ほう」

GM:誰かに言われたことを思い出す感じで、「せかいのめいうんがかかっている!」(棒読み)「ん、そうだな! むずかしい話はあやめにたのもう!」

強力:「あやめ?」

マンジマル:「あやめとは何だ?」

GM:「わたしの家族だ!」にぱっ! って笑います。

裕人:か、可愛い。

GM/ユキ:「きてくれ! おれいもしたい。ごちそうする!」

裕人:「ごちそう? う、うーん」(苦笑い)

GM/ユキ:「ちょうど、たべものが狩れた! 早くたべないとわるくなる!」

マンジマル:狩った、と言ったな。

GM:具体的には恐竜のことなんだけどね(笑)。

強力:「少し待ってろ。着るものを取ってくる」と言って、着流しと、草履と、番傘を持って。

裕人ディアン:かっこいいー!

GM:いいなー。いいなー。死せるものだけどいいなー。それはかっこいいなー。

強力:黒の番傘に、赤で、「力」って書いてある。

ディアン:強力の「力」ですね。

GM:ユキは、みんなを見て、「おおー、みんな、きれいだ! すごい、すごい、すごい!」彼女はケタ・カルズの信徒なので、生きてることは全部素晴らしいと思っていて、とにかく目新しいものはみんな、目をキラキラさせて見ているので。

ディアン:「ユウト。後ろに乗れ」

裕人:じゃあ、普通に、後ろに乗ります。

ディアン:「馬は、初めてか?」

裕人:「いや、何回か乗ってる感じ」

ディアン:「そうか。掴まって」と言って、ユウトに触らせて・・・。

裕人:触りません。「あ、そういうのは苦手なんッスよ」

GM:〈意志力〉。

裕人:くそっ!(笑)

GM:察しがいいのはさすがと思ったけど。

強力:※ヴァンパイアです。

裕人:だって、乗らなきゃいけなかったような気がするんだもん!(コロコロ)1っ?!

ディアン:うわーっ!

GM:この場合の1って何だろう。リンクは切れない。今のは衝動をこらえるためだから、“やり直し”カードがあればやり直せます。

裕人:“やり直し”します!(コロコロ)5。ポシビリティを使います。

GM:どうぞ。今、一瞬ね、うわー、綺麗な人だー。綺麗な人だー。うわー。ってなった。

裕人:美味しそう・・・(笑)。(コロコロ)4。低いなー。

GM:ポシビリティを使った場合には、出目10扱いです。15ですね。

裕人:+2、13です。

ディアン:“援助”。オレは完全にユウトの保護者モードにスイッチが入ってるので、「どうした?」と、心底気遣う声で、我に返らせようとする。

GM:これでセーフ。声掛けられなかったらヤバかった。

裕人:「あ! はい。え、いやー、な、なんでもない、ですよ?」

ディアン:「夜風に吹かれて、身体が冷えたか?」

裕人:「そ、そんな感じ」

GM:ただ、一瞬背後から、ゾワッと嫌な気配がしたのは確かです。

ディアン:きっと、オレたちを、闇の者が見張っているに違いない。

GM:いいですね、いい勘違いをしましたね。

裕人:見られないように、冷や汗を拭いて、「じゃ、行こっか」

GM:ではここで、第一幕終了になります。ポシビリティを1点ずつ差し上げます。

 
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