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TORGリプレイ

『Be Alive』

第二幕

 
シーン6 Pour oil on troubled waters

 
強力:口を開きます。「ディアン。お前は、筋の通った男なんだろうな。だからお前は、騎士という、誰かに仕える、立派な立場にあるんだろう。ああ、皮肉で言ってるんじゃあない。これは俺の本心だ」

ディアン:・・・・・。

強力:「思ったことを言うぞ。あやめは、お前より弱い。確か妹さん(*19)だったか、俺と角力を取った、あの子のことと、生き残ることで、精一杯だ。俺や、お前が、想像するよりも、あの嬢ちゃんの手は、短い。恐らくあの嬢ちゃんも、この森にいる人間たちが、死んでしまうような事態は、避けたいと思っているだろう。もしその気持ちが全くないのであれば、もっと違ったことをやっていただろうし、その前に俺がぶん殴ってる」

GM:うん。

強力:「あやめは今できることを精一杯やろうとして、結果、こうなっている。いいか。ディアン、お前の言う悪は、滅びることはない。お天道様が照らしている限り、影が消えないのと一緒だ。勿論、許しちゃいけない奴もいると思うぜ。少なくとも、船を作った連中、リアリティ爆弾を作った連中に関しては、きっちりお灸を据えてやる必要があるだろうな」

ディアン:・・・・・。

強力:「さっきも言ったが、俺は、悪は弱さから生まれると思っている。強くなるとな、ちょっとずつ、許せる量が増えるんだよ。ちょっとずつな。俺は、自分で言うのも何だが強い。単純に、素手で殴り合ったらお前を殴り殺せる。でも、そんな俺でも、許せないことはある」

ディアン:・・・・・。

強力:「お前が自分の正義を貫きたいと思うんだったら、強くなることだ。強くなって、許す範囲を増やすことだ。受ける範囲を増やすことだ。解るか、俺の言ってることが」

ディアン:「ストロング」

強力:「何だ」

ディアン:「オレは、ただ、目の前にいる、オレの手の届く、全ての人を、守りたいだけだ」

強力:にこにこしながら話を聞いてますよ。まるで弟弟子を見るかのように(笑)。

GM:おおー、いいっすねー。

強力:隙あらば、角力用語を差し込んでいくよ、俺は。「すぐに答えが出るような話じゃない。今、この瞬間だけは、無理にでも、許せるように、自分を作れ。結果は後からついてくる」

ディアン:「わかった。オレは、少し無理をする。あやめが、あやめの手を汚さないで済むように、オレは全力を尽くす」

強力:「それでいいんじゃねぇか。行くぞ」と言って、天幕へ戻ってきます。

GM:了解。あやめさんの態度は、全く変わってないですよ。

強力:「マンジマル。裕人」

裕人:「ん?」

マンジマル:「何だ」

強力:「船は残すぞ。ただ、全く無傷というわけにもいかんだろう。少なくとも、(あやめを見て)あんたぐらいしかまともにできないくらいの修理は、必要となる。それは見込んでおけ。必要経費だ」

GM/あやめ:「ええ、構いません」

強力:「俺らは、これから、あの船が、爆弾を落とさないように、何とかする」

GM/あやめ:「ひとつ確認させてください。私個人としては、劣勢を覆すために、敢えてリアリティ爆弾を落とさせたい、ぐらいに思っているのですが、そのプラン自体を破棄しろということですか? それとも、後ほど自分たちで、回収してから再利用するのは構わないのですか?」

強力:「最終的に、今のこの状況が解決できれば、後のことはあんたの仕事だ」

GM/あやめ:「解りました」

強力:「これは確認だが、自分の立てた策に、私情が多分に入っていることは、認識できているか?」

GM/あやめ:「そうですね。それに関しては、隠すつもりも、隠せているとも思いません」

強力:「・・・失礼した。あんたは、皮肉抜きで、立派な軍師だ」

GM/あやめ:「ありがとうございます。では、私は皆さんの勝率、いや、我々の勝率を上げるために、プランの修正をするのみです」

強力:「よし、話は終わった。行くぞ」

ディアン:若干、プレイヤーが混乱してます。爆弾を使うことに賛成の方、挙手してください。

GM:はーい。

ディアン:反対の方、挙手してください。

マンジマル:反対。

裕人:はーい。

強力:はい。

ディアン:全員反対。

GM:じゃあしょうがないですね。

強力:爆弾が落ちてもナイル化するだけで、何の影響もないよ! ってGMに言い切られたら、そうなんかー! と言って俺、ぱたんって倒れるけど。

ディアン:偉業を起こすのが絶対条件です。偉業を起こせれば、爆弾が落ちても、被害はないと言い切れるんです。だからオレは、先行したい、と言いました。

GM:変身してしまっている人たちは、リアリティが変わると、死んじゃうことが多いです。その人たちがいる状態で、リアリティ爆弾が落とされちゃうとまずい、だから避難させなきゃいけない、っていう話があったんですね。一方、偉業を起こすことによって、偉業を見たり聞いたりした人に、ポシビリティが充填されるんです。希望を取り戻すから。その後だったら、爆弾が落ちて、もっかい変身することになっても大丈夫じゃないの、っていう話です。

裕人:へー。

GM:そういう意味では、爆弾を落とすかどうかは、多分に、心情的問題になるんじゃないかな、と思います。

ディアン:オレは、あやめに、先に人々を避難させるか、偉業を起こすための作戦を一緒に考えてくれ、と言ったつもりでした。でもあやめはそれを無視して爆弾を使おうとしているように感じたので、ここまで強硬に反対してます。

GM:ああ、なるほどね。ごめんなさい。そこはマスターが受け取れていませんでした。

 
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