TORGリプレイ

『逃げてきた黒天使』

 

第二幕:天使の瞳、其は何を映す

 
シーン7 Long Kiss Good-bye(承前)
 

鷺沢は戻って来たマキシムを黙って迎え入れる。
お茶を淹れてきてリビングに落ち着くまでの間、
終始彼女は無言であった。
 

マキシム:じゃあ、話し掛けます。「今回の件、犯人はお前じゃないのか?」

マッコイ:・・・ちょっと待った。

エリオット:豪速球だ!

シュア:ま、いいや。投げた球は戻らないよねー(笑)。

GM/鷺沢:「(苦笑しながら)そう訊かれて素直に、はいそうですと言う人間がいると思います? 私がもし犯人だとして、貴方の推理は?」

マキシム:「そりゃあ、鴨下って奴を犯人に仕立て上げて、情報を盗むという筋書きじゃないのか?」

GM/鷺沢:「・・・・・」

マキシム:「まぁいいさ。どちらにしても、俺は今回、お前を手伝うつもりだ。詳しい仕事の話をしよう」

GM/鷺沢:「貴方の請けている仕事って、産業スパイを捜して、突き出すことよね」

マキシム:「ああ。けど、お前を突き出すようなことはしないさ」

GM/鷺沢:「どうして?」

マキシム:・・・困ったな。

シュア:もし迷ってるんだったら、「俺としてはこう思うんだけど、どう?」って相談してくれれば、僕たちは答えられるので。

エリオット:彼女を手伝うってことは、マキシミリアンさんは、産業スパイを成功させたいんですか? それだと僕らの依頼は失敗なんですが。

マキシム:いや、手伝う振りをして足を引っ張って、最終的にこの仕事から手を引かせたい。

シュア:それでいいと思います。僕たちに彼女が犯人だと判れば、僕たちで邪魔することもできるし。ただ、もしそういう風に行動するんであれば、まず彼女を騙すことになって、次に一度引き受けた仕事を放棄することになって、二重に約束を破ることになるんですね。なので、〈名誉〉のレベルが下がることまで覚悟しておいてください。

セバス:後はこっちでやるから。あなたはロマンスを貫きなさい。

マキシム:じゃ、直球で行きます。「それは・・・お前のことが好きだからだ」

GM/鷺沢:「ありがと。私も好きよ。でもね、もう殆ど仕上げの段階まで来ているの。明日私はここを出て行くわ。貴方が私に追いつけるかどうか、勝負しない?」
 

再び、かつて恋人同士だった2人の視線がぶつかり合う。
しばしの沈黙の後、マキシムが口を開く。
 

マキシム:「もし俺が、お前の仕事を止めることができたなら、俺と一緒に来てくれ」

GM/鷺沢:「!」

マキシム:「それとも、自信がないのか?」笑ってみせます。

エリオット:おっ。

シュア:初めてこちらから揺さぶりが(笑)。

GM/鷺沢:「貴方にそんな風に言われるなんて思わなかった。いいわ。その賭け、乗りましょう」

マキシム:「俺は絶対、お前を止めてみせる。それじゃあ、また明日」と言って、部屋を・・・。
 

「・・・克己(かつみ)!」
気がつくとマキシムは、背後から鷺沢に抱きつかれていた。
 

一同:あーっ!

セバス:何となくそう来るだろうとは思った。つーか、どっちかって言うと、押し倒せ(笑)。

GM:それすると、良い子のリプレイじゃなくなっちゃうから。

マキシム:じゃあ、こちらも抱きしめ返して、キスします!

エリオット:ちゅーしたー! チュー!

シュア:小学生だ、それじゃ!

GM:あれですね、ド○クエの、♪ちゃーらーらーらーらっちゃっちゃー。「おはようございます」

エリオット:「ゆうべはおたのしみでしたね」(笑)

シュア:それもどーなのよ? 絶対言うと思った!

シオン:カメラがこう、だんだん遠景になって、マンションの明かりが消えるぐらいにしとこうよ!(笑)

セバス:ここでこう、無理矢理離してさっと帰るのもカッコ良かった。どっちかと言うとそっちの方が名誉の騎士っぽかった。

マキシム:そんなー!(笑)
 

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「・・・さよなら・・・」
 


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