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TORGリプレイ

『星辰の王』

 

第一幕

 
シーン1 Agent of Fate(その2)
 

GM:朝、探偵事務所の鍵を開けて、ちょっと経った頃。コーヒーでも淹れて、今日の仕事を始めようとした時に、バン! とドアが開いて、「あの・・・レックス・マクマスターさんはいますか?」と、17・8歳くらいの女の子が。

海優:「レックスはんは今、仕事で出ていまんねん。代わりにフレデリカはんちう姐さんがここを仕切ってるんやけど・・・まだ来てへんのや」

GM/少女:「あの・・・依頼があるんですけど」
 

海優と同年代に見える少女は、神妙な面持ちで続ける。「父が行方不明なんです」
 

海優:「ほう。で、父親っちゅーのは?」一通り、どういう人なのかを訊きます。

GM/少女:「数学魔法研究者です。24時間連絡がないので、心配になって・・・」

フレディ:NO! 数学魔法!(*4

海優:「それは、身元が狙われるとか、そーいう心当たりがあるんか?」

GM/少女:「最近、仕事上何か難しい問題を抱えているようではありました」

海優:「仕事上の問題。ライバルに足引っ張られるとか、そーいうことか?」

GM/少女:「細かいことは判りません。父は仕事の話はあまり家に持ち込まないタイプなので、詳しく訊いたことはないんです」

海優:「あ! そやそや。名前訊くの忘れとったな」

GM:名前は、ニーナさん。ニーナ・アシュトン。お父さんの名前は、トマス・アシュトン。

フレディ:そろそろ登場するかな。ガランガランって音がして、エロい衣装を着て、長いキセルにタバコをくわえた女がふらっとやって来る。

GM:ニーナははっとして、あからさまにレックス・マクマスターじゃないのに気落ちしながら、そっちを見る。

海優:「あ、おはよー、姐さん。依頼人やでー」

フレディ:「レックスは留守だよ」

GM/ニーナ:「えーと・・・この事務所は営業されてるんですよね?」

フレディ:「ああ、してるけど」

GM/ニーナ:「では、依頼を請けていただけますか?」

フレディ:ではニーナを、じろじろ見て、「少年。コーヒー。4人分」

球太郎:「おいおいおい、俺も客だぞ?」って言いながらですね、カチャカチャッとコーヒーを淹れて、「どうぞ、お嬢ちゃん。(フレディに)えーと・・・」

フレディ:「所長って呼びな」

球太郎:「所長? でも、ここの所長の名前は、レックス何とかって聞いたぞ?」

フレディ:「ああ、今、留守だ。アタシが代行してるよ」

球太郎:「なるほど。所長代行さんか」

フレディ:「坊やの依頼はまた後だ。で、お嬢ちゃん」

海優:聞いた話の内容を、ざっと話して、メモ見せて。「というワケで、この嬢ちゃんの親父はん、数学魔法使いの、トマス・アシュトンはんが、行方不明なんやと」

フレディ:「ふむ。ニーナと言ったっけ。あんたの父さんは、勤め先ってのはあるのかい?」

GM/ニーナ:「はい。数学魔法研究所。カイロ大学の数学科の研究室です」

フレディ:ちゃんとした研究機関なんだ。

GM:因みに今、数学魔法がちょっと流行ってるんで、大学のひとつの棟を、その研究所で独占しています。敷地内にあるけれども、半独立機関です。

フレディ:「ま、いいだろう。ともかく、現状がどんなものであれ、あんたの父さんを捜すのにはやぶさかではない」

海優:「出すモン出してくれればな♪」

フレディ:「で、報酬なんだが、これは、あんたよりは、あんたの父さんを見つけて話す方がよさそうだね」

GM/ニーナ:「相場については勉強してきましたので、ほぼ相場通り払えると思います」

フレディ:「いい子だね。オッケー。依頼を請けるよ。ただし、荒事になる場合、地味に終わる場合、地味には終わるが、あんたにとっては悲劇になる場合、色々ある。それを捜すのが探偵の仕事だ。少なくとも、全部話していいんだね?」

GM/ニーナ:「構いません。私が知っているのは、父が最近、仕事で塞ぎ込んでいることと、ここ半年ぐらい前から、どうも色々悩みを抱えているらしいことだけです。逆に私が、父の書斎に近づいたりしないようにと、何度か厳命をされています」

海優:「その書斎っちゅーのは、大学ん中にあるんか?」

GM/ニーナ:「いえ、私の家です。研究所の場所は判りますけど、中に入ったことは殆どありません」

フレディ:「了解したよ。で、嬢ちゃんの連絡先は?」

GM/ニーナ:「家にいます。父は丁度24時間前、昨日の朝、家を出て、研究室に行ったことは確かなんですけど、夕方、帰ってくる時間に帰ってこなくて、連絡が取れなくなりました」

海優:「じゃあ、拉致られたんかな」

フレディ:「さあね」

バトラー:そろそろ登場していいか?

GM:えーと、知り合いですよね?

海優:坊ちゃんの居場所を捜してるって言うてたっけ。

バトラー:そうです。中間報告を聞きにこよう。途中で、新聞と、それから花を一輪買って、ドアをガチャッと。

海優:「あ、いらっしゃーい」

バトラー:「・・・誰だお前!」(笑)がーっと部屋を見渡して、「マクマスターめ、随分幅広い」

ソニック:幅が広いのはあんたじゃないか、って気がするんだけど(笑)。

バトラー:今どっかから電波が聞こえたよ。

ソニック:いかん! その場にいないけど、すごくツッコミたい!

フレディ:「あんたが、レックスに依頼をした、バトラーさんかい?」

バトラー:「ああ、そうだが。・・・いや、本題の前に、花をどうぞ」

フレディ:「おや。これはどうも。気が利くね」

球太郎:じゃあ、フレディ所長に言われる前にですね、「まったく、俺は客やっちゅーねん!」って言いながら、コーヒーをもう1杯淹れにいきます。

バトラー:「なかなか良く出来た使用人じゃないか」

球太郎:慣れない英語で、「あいむ・のっと・あ・さーばんと!」

フレディ:「(球太郎へ)こちらの御仁には、紅茶を。砂糖はブロックで1個。(向き直り)で、海優。誰だ、あの少年?」

海優:「・・・なぁ姐さん。今まで誰だか知らないで、顎で使っとったワケか?」

フレディ:「問題あるか?」

海優:「依頼人やで、一応」

バトラー:「おっと、お客さんがいたのだな」と、ニーナに気付いて、「では少し私は席を外しておこう」と言って、立ち上がります。

フレディ:「そうだな。奥に控えの間があるから、そこで待っててくれ」と言って、席を外してもらっている間に、ニーナの依頼を成立させましょう。恐らく、父親の研究室とか、書斎を見に行くと思うので、了解を取っておきます。あとは、大学の方の、父親の研究室の仕事仲間が判っていれば、その名前と顔と人相などを教えてもらいます。

GM/ニーナ:「それは、家に帰って、名簿を見てみないと、何とも言えないです。人相の方は、ちょっと判りません」

海優:「せやったら、ウチ、ちょっと行ってこようか」

フレディ:「そうだね。家まで送ってやってくれ」プレイヤーのぶっちゃけで言うと、ニーナがひとりで帰ったところを、さらわれる、というのが一番怖いので、誰か一緒に行ってほしい。

海優:いざとなったらマキシムとソニックに乱入してもらえばええし。ほな、行ってきまーす。

球太郎:じゃあこっちは控え室で、ボールみたいで親しみの持てるおじさまに、「どうぞ。紅茶です」

バトラー:「・・・ぬるい!」球太のお茶がまずいんで、〈家宰〉(*5)振って淹れ直します(笑)。

海優:きっと沸騰してないお湯で淹れたんやな。

バトラー:(コロコロ)15。+2。“ひらめき”使うぞ。達成値20。

球太郎:「(一口飲んで)お! すごいッスね、おじさん!」

バトラー:「紳士はこれぐらいできなければ駄目だ、若者よ」

球太郎:「俺にもコツを教えてください」

バトラー:「図体がでかいだけで威張るんじゃない!(笑)お前は縦かもしれんが、私は横だ!」とか言いながら。

フレディ:そうするとね、ガチャッとドア開けて、「とりあえず、あの嬢ちゃんには帰ってもらったから、話をしようか、2人とも」

バトラー:「なんだ、せっかくお茶を淹れたのに。君が飲むかね」

フレディ:じゃあもらって、「へぇー。サディより美味いや。こいつはすげぇ」

バトラー:「君にお茶の味が判るなんて意外だよ」

フレディ:「生まれはブリテンでね」

バトラー:「で、今の娘は?」

フレディ:「人探しさ」と言って、「何かあったら、あんたにも手伝ってもらうかもしれないよ」

バトラー:「私はレックスに、ただで仕事を頼んでいるからね。何かできることがあるんだったら、手伝おう。まあ、大船に乗った気でいろ」

フレディ:「ああ、頼むよ。どうやら、荒事あり、かもしれないからね」

球太郎:「荒事? 荒事って・・・」

フレディ:「さて、少年。話を聞こうか」

球太郎:「あっ、俺は・・・」と言って、ボールを取り出して、「俺、こう見えても野球選手でしてね」

フレディ:「クリケットか?(球太郎が硬直するのを見て)ああ、違うか」

ソニック:野球って英国では、マイナースポーツ?(笑)

球太郎:「俺は、ニッポンから来た、野球選手なんですが、エージェントとか書いてあったから、代理人契約してもらえないかな、と思ったんです」

フレディ:ニッポンから来た。よく判らないスポーツプレイヤー。エージェントを探している。「丁度いい。身体は頑丈そうだな」

球太郎:「お、おう、体力だけは自信ありまっせ!」

フレディ:「仕事がないのは辛かろう。住むところと、飯ぐらいは保証してやるよ。よし、採用。あの部屋を使っていいぞ」

球太郎:「えーと、いや、あのですね・・・」

バトラー:「労働者よ、安心するがよい。ここで働けば、パンとビールぐらいは保証されるだろう。なあマドモワゼル」

フレディ:「ああ、そうだね」

球太郎:「いやいやいや、労働者じゃなくて、どこかのチームと、契約をしたいんです」

フレディ:「解った解った。いずれ紹介してやるから、ここで下積みをしろ。まずは実績からだ」

球太郎:「な、なるほどー、そういうもんか。よし、解った! ここで華々しい活躍を上げれば、俺は、プレイヤーとして紹介してもらえるということだな! 力仕事なら得意だ。何でも言ってくれ!」

海優:騙されとるー。姐さんすげーなー。

 
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