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TORGリプレイ

『闇からの招待』

 

第一幕


シーン3 きみだけが知っている(承前)
 

GM:では、バーバラ。

バーバラ:エイダに電話して、「グレンが消えた後の、部屋を見たいから、同行して」と頼んでから、警察へ行って、「グレンの失踪について、調査してるんですけど、調書を見せてくれませんか?」

GM:「関係者以外には見せられません」当然ですね。

バーバラ:エイダの名前を出して、「一応、婚約者から依頼されてるんだけど」

GM/受付:「えー、でしたら婚約者ご本人に、お訊きください」

バーバラ:「じゃあ、あなた方が持っている情報に関しては、エイダも知っているのね?」

GM/受付:「それは勿論です。エイダさんの情報を元に、失踪届けを受理させていただきました」

バーバラ:「因みに、そちら(警察)では、失踪当時の、部屋とかを調べていますか?」

GM/受付:「あなたねぇ・・・自分の意志でいなくなった、大人の行動に、我々は関知しません」

バーバラ:オッケー。何も問題ありません。

GM:因みに、この街の警察では、はっきり言って、失踪扱い、要するに、誘拐事件としては考えてませんので、捜査しているわけではありません。基本的に、失踪届けというのは、行方不明者が見つかった時の身元確認のために取る。

バーバラ:了解しました。あとはエイダを伴って、グレンの部屋に行きます。エイダは合鍵を持ってる?

GM:持ってますよ、当然。

バーバラ:よかったよかった。なかったらどうしようかと思った。

ディアン: 自分が合鍵を出して、それで開いたら、結構気まずいからね。

バーバラ:何? 鍵取り替えてないの? みたいな。

GM:では、ドアを開けるとですね、エイダが 「ありがとう。貴女だけよ。私の話を本気で聞いてくれるのは」

バーバラ:「知らない相手じゃあるまいし」と言って、 フラレ女2人(暫定)で、中に入る。というわけで、部屋の中を捜索します。

GM:えーと、何を見ます? 何を捜したい?

バーバラ:エイダに確認取りながら、「グレンの家に本来ない物」、或いは、例えば血痕のような、「通常あり得ない物」がないかどうか捜します。

GM:はいどうぞ。〈発見〉ロールしてください。

バーバラ:(コロコロ)達成値15です。

GM:15あれば判りますね。天井にですね、直径1cmぐらいの穴が、8つほど開いてる。

バーバラ:(爆笑)

ディアン: 判りやすすぎて泣けてくる。

バーバラ:8本足かー。穴が開いているだけで、粘液とか、付着してませんよね?

GM:え、ついてますよ。

バーバラ:じゃあ、写真撮って、穴んトコを一部、 カリカリと削って、タッパーか何かに入れて持って帰ります。

GM:次、ディアンはどうする?

ディアン: ビラにあった住所を、訪ねてみます。

GM:はいはい。家に行っても誰もいません。

ジョルト:まだビラを配ってるんじゃない?

ディアン: そ、そうか。

GM:昨日ジョルトがビラを受け取ったところに行くと、50代くらいの男女が、「どうかお願いします」「もし、少しでも情報があれば、連絡をください」と言って、一生懸命ビラを配ってます。9割ぐらいは、ちらっと見るだけで投げ捨てられたりとか、ポケットに入れて持って帰られるとか、そういうパターンです。

ディアン: 「あ、あの・・・オレは、この話を、昨日仲間から聞いて、いなくなった時の様子を、詳しく教えてほしいと、思って来た」

GM:では、2人はですね、「初めてまともに、私達の話を聞いてくれる人が来た」と言って、泣いて喜びます。

ディアン: 「いや、そんな、泣く必要は・・・泣かないで」と一生懸命なだめます。

GM:2人は、いなくなった経緯をゆっくりと話し出します。ノエルさんは、就職活動中です。何とか学校は卒業しました。しかし、ポシビリティ戦争で、不況のど真ん中です。年配のお父さんお母さんも、いつ仕事が首になるかわかりません。何とか就職先を見つけなければいけません。

バーバラ:「金輪産業(*3)はいいよね。安定してるし」(笑)ベルギーって、リアリティ・ストームの関係で、地下火災が起きて、国土の半分が荒廃してるっていう設定があるんですよ。

アンドレ:ほぅー。

GM:ということで、必死になってやってても、仕事は見つかりません。 たまには気分転換でもしようということで、親子3人で食事に出掛けました。店が通りの向こう側にあるので、ビルとビルの間を近道していたら、いきなり地面が陥没して、ノエルがその中に飲み込まれたそうです。

ディアン: ・・・・・。

GM:そういえばこの下には地下道があった筈、と思って、慌てて地下に降りたけど、何もない。元のところに戻ってきたら、陥没したのが嘘のように、全く何の変化もなかった。

ディアン: 今、その道に行ってみても、何もない?

GM:今から行くんですか? それは別シーンになります。

ディアン: なら、後で行くつもりで、とりあえずは話を全部聞きます。

GM:すぐ警察に駆け込んだが、「は? どうやったら、そんなことができるんですか!」と。調書は書いたものの、「もしかして、就職のことで、娘さんを責めたんじゃありませんか? そのせいで、娘さんは嫌になって家出したんじゃないですか?」 「いくら不況で就職活動が難航しているからといって・・・」と、逆に変な方向で責められたそうです。

ディアン: 「そんなことは、あなたたちは、していない」

GM:「娘が無理な就職をしなくたって、私たちは食べていけます! 多少の蓄えもありますから!」と言って、さめざめと泣きます。

ディアン: 「大丈夫。ノエルは、きっと、戻ってくる」

GM:「ありがとうございます!」「ずっとこうやってビラを配っていても、誰も相手にしてくれないんです!」ビラを見ると、ちゃんとその経緯も書いてるんですけど、あまりにも特殊なので、普通の人間はついてこれませんね。

ディアン: 「オレは、海を渡った、アイルから来た。アイルの、魔法であれば、今聞いたようなことが、起こせるかもしれない。オレは、あなたたちの言うことを、信じる。オレの、出来る限りの力で、ノエルを捜すことを、約束する」

GM:「「ありがとうございます!」」と言って、手を押し頂いて、その場で、2人とも泣き崩れてしまいます。

ディアン: だから泣かないで!

GM:だって、信じてくれたのは、あなたが初めてだし。というより、普通の人間は、こんな異常な状況では、頭がスパークして、使い物にならなくなっちゃう。ついてこれないのが当たり前です。

ディアン: ファンタジー世界の住人ですから。オレは(笑)。
 

―――必死の表情でビラを配る年配の夫婦。
 デビーとスージー(50代) 行方不明者:娘のノエル(22)
 歩いていると、道路が突然陥没し、娘が飲み込まれた。すぐにその下にある地下道へ入ってみたが、陥没した様子はなく、崩落もしていなかった。警察へ行ったが、就職のことで悩んで気晴らしに旅行にでも出掛けたのではと言われた。


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