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TORGリプレイ

『天より来りしもの』

 

第二幕

 
シーン4 Who's That Girl?

 
ユウイチが水陸艇でレシフェ北東軍の基地へ戻ったのは、リリアンを除く3人が、
爆発前後の地図を突き合わせて、少女と出会った場所の特定を試みている最中だった。
 

GM:〈手掛かり分析〉してください。

マキシム:(コロコロ)あっ、振り足し。〈手掛かり分析〉20。

GM:20なら判ります。地図上に、教会系の、マザーテレサ慈善養護院というのが見つかります。そこは丁度、アーたんが隠れていた、地下収納庫のあった辺りです。

マキシム:行ってみようぜ。やっぱこの、子どもの身内を探してやらないと、とは思うんだ。

ディ:マキシミリアン、それは、酷だと思う。多分、生きていない。本当は連れて行きたくない。可哀想だから。

マギー:でも、連れてかないと納得もしないだろうな、ってのがプレイヤー発言。そして、アイルの人たちは、基本的に、どんな時でも真実を伝える! って言うぞ。

ディ:そうかな? いたずらに傷つける必要はないと思うんだけど。ただ、現場へ行くことには、オレも賛成。理由は、もう奴らがいないかどうかを確かめたいから。

GM:では、あなた方はもう一度爆心地の方へ戻るわけですね。ちゃんと車も貸してくれますよ。

マギー:あ、行く前に、兵士でも誰でもいいんだが、片っ端からひっ捕まえて、「何日か前、空に流れ星をいっぱい見た日はないか?」って訊きます。一応、ナイル人は、宇宙があることを知っていて、宇宙から隕石が来るっていうのも判るので。

GM:「流れ星なんぞ、毎日、数千も地球に落ちてくるが?」

マギー:「だがな。その中には、悪い者もいるかもしれないぞ?」

ディ:すごくナイルらしいー!(笑)

リリアン:言われた方は多分、こう(眉間を押さえる)。

ユウイチ:とりあえず、大小に関わらず、地上まで達した流星がないかどうかだけ、調べといてもらえばいいんじゃない?

マギー:そうだね。

GM:はい、オッケーです。帰ってくるまでに、全部調べといてくれます。というわけで、リリアンが言ってたことも含めて、情報を先に渡しちゃいます。まず、上昇した、樹の種みたいなもの。あれは、そのまんま、大気圏を通り抜けて、外宇宙に行っちゃった(*18)。

ユウイチ:え?

リリアン:衛星軌道には?

GM:乗ってないそうです。コースとしては、あの樹を重力カタパルトにして、大気圏に突入したらしいです。

ユウイチ:なるほどねー。

GM:あと、地球に到達した流星があるかどうかに関しては、ここ1週間の間に、らしいものが1件あったけれども、地上に到達する大きさではない、と言われます。

リリアン:それはいつどこで、どの角度で入ってきたの?

GM:資料を出してくれますけど、それ見て、〈手掛かり分析〉してください。

リリアン:はい。(コロコロ)ポシ使うしかないな。(コロコロ)〈手掛かり分析〉25。

GM:落ちてきたのは、さっき言ってた、一抱えくらいある種、それと同じくらいの大きさで、あの大気圏突入角度だと、ほぼ間違いなく、燃え尽きるだろうというのが判ります。本来ならば、地上に到達しているわけがないです。

リリアン:本来ならば到達しているわけがないんだけど、もし、そのまま突っ込んできたとしたら、どこに落ちる筈だった?

GM:大体、レシフェ郊外、50kmぐらい。

リリアン:うん、まあ、ものの見事にねぇ。

GM:ただし、そういうものが落ちた、という情報は軍にも民間天文台にも入ってきてません。もし隕石ハンターが見つけていたら、もう1週間も経ってるんで、ネット上なり何なりで、話題になってる筈だけども、そんなこともない。途中で燃え尽きたとしか考えられません。常識的には。

リリアン:常識的には、ね。そんなもの、非常識に考えるに決まってるじゃないか、リリアンは!(笑)

GM:はい。では町に戻った4名。あなた方は、地図と首っ引きで、アーたんと会った場所に着きました。その辺にあった、例の死骸は、いつの間にか片づけられてなくなってます。

ユウイチ:持って帰ったね。

マキシム:とりあえず、付近に、例のシャコみたいな奴らが残ってないか、ってことと・・・。

マギー:あとは、もう少し、この子に関する情報が欲しいから、身元を示すものがないかなーと思って、地下室を調べてみる。

GM:その前に皆さん、アーたんに、話を聞いてみてください。〈語学〉判定どうぞ(笑)。

マギー:そんなもの持ってない!

GM:そりゃあ、だって、幼児の言葉を理解するには、〈語学〉が必要でしょう!

ディ:ポシ使って振り足します。(コロコロ)+4なので、〈語学〉14です。

ユウイチ:「お前さん、どうよ」ってことで、“ひらめき”を渡そう。

GM:合計17ね。17だったら判りますよ。アーたんは、お兄ちゃんお姉ちゃんたちと、かくれんぼをしてた。でですね、絶対に見つからない場所、そう、地下の、食料貯蔵庫に隠れることにした。別のお兄ちゃんにそーっと扉を開けてもらって、中に隠れてた。いつまで経っても誰も来ないので、眠っちゃった、というパターンです。

ユウイチ:ありがちですねー。

GM:というわけで、ここ、食料庫なんで、書類関係は一切置いてありません。上の建物は、綺麗さっぱりなくなっています。もう一度〈発見〉ロールをしてください。

ユウイチ:(コロコロ)20、振り足し。

マキシム:あ、もう任せよう。

ユウイチ:(コロコロ)35。〈発見〉25。ヘタな探偵より強いぞー。

GM:おおー。そうすると、瓦礫の隅っこの方に、泥とか粉塵とかに包まれて、書類ロッカーみたいのがちらっと見えます。

ユウイチ:お!

GM:側面に、マザーテレサ慈善養護院っていう、備品ステッカーが貼ってある。ボロボロでひしゃげてて、おまけに焼け焦げてます。どんだけ爆発がすごかったかがよく判る。

リリアン:よく残ったな。

ユウイチ:「マキシム、ディアン、ちょっと来てー。掘り返すからー」

GM:掘り返してみると、平行四辺形に歪んでる。鍵は掛かってません。でも開きません。

ユウイチ:力任せ、力任せ。

マキシム:〈重量挙げ〉だね。(コロコロ)20!

リリアン:今、さらっと恐ろしい目が出た。

マキシム:〈重量挙げ〉25で。

GM:ぶっ! じゃあ、無理矢理こじ開けると、書類が積まれているんですけど、爆発に遭った時に、中に炎が入ったらしくて、焼けたり破れたり焦げたりしていて、読むのは非常に困難です。なおかつ、その中から必要な情報を得なければいけません。というわけで、〈手掛かり分析〉タイム。

ユウイチ:(コロコロ)10が出たよ。(コロコロ)20が出たよ! 30。

GM:技能なしなら、止まり。

ユウイチ:ポシビリティ使おう。(コロコロ)16、46。+13で《知覚》11だから、24ですかね。

GM:そんだけあれば充分です。アーたん。ホントの名前は、アニタちゃん。母親は既に亡くなってて、父親と2人暮らし。金銭的な都合、出稼ぎか何かで、お父さんはメキシコシティに行くことになり、しばらく預けることになった、と書かれています。爆発の5日前に預けて、5日後に帰ってくる予定。

ユウイチ:お父さんの職業は? なんて、載ってないよね。

GM:職業? 載ってるよ。レシフェの地下坑道の整備員。

マギー:・・・ええーっ?!

ユウイチ:えーと、イヤな予感がむちゃくちゃしてきたぞ。

ディ:ただ、この書類によると、彼は、難を逃れて、今メキシコにいる。5日後には帰ってきて、アニタと会える。

ユウイチ:プレイヤー的に言って、イヤな予感がするっていう意味は、もうひとつ、ヘタすっと次辺り・・・。

GM:そんな風に話をしていると、人の近づいてくる気配がします。「爆発を生き残ったストームナイトというのは、あなた達か?」

ユウイチ:「ん? まあ、そうですが。あんたは誰だ?」

GM:「私は、ある御方からの使者だ」

ユウイチ:ある御方?

マギー:「そうか判ったぞ! 黒影だな!」間違えている(笑)。

GM:黒影とか言われて、は? っていう顔をして、「直接会ってもらえば判る。私について来てくれないか。そうすれば、今回の事件について、真の詳しい情報を得られる筈だ」

ユウイチ:「場所は?」

GM:「マチュピチュ」

ユウイチ:マチュピチュ、というと?

リリアン:ペルーの高山都市です。世界遺産ですね。

ユウイチ:そこは、世界的にはどこのレルム? コアアース?

GM:ううん。スタースフィアという、別のレルムになってます。

一同:!!

GM:「不安に思うのは当然だ。しかし、非常に特殊な事情により、詳しいことを話すわけにはいかない。どこで誰の目が光っているか、わからないのだ」と言って、ちらっとあなた方の後ろを見ると、さっと隠れる奴がいるわけですね。

ユウイチ:「ああ、そうですね」

ディ:えっ、誰かに追われてるの?

ユウイチ:何となく、だけどね。多分軍の連中が後つけてると思う。

マギー:「つけられているのか。ならば、つけられるままにしておくがよかろう! そうすれば奴らも、イヤと言うほど、疑った自分を恥じる筈さ!」

一同:おおーっ!(拍手)

マギー:その方が、プレイヤー的にも、軍の奴らをギャフンと言わせることができるし、マギー的にも非常に満足だ。

リリアン:マギー的にも(笑)。

ユウイチ:となると、どうしたもんだろうねえ。情報が完全に足らない以上、行った方がいいとおれは思うけども、もうひとり、ここにいない、リリアンの意見も聞いとかんとな。電話してみるか。

ディ:あ、待って。彼に言いたいことがある。「ならば、お前の名を訊きたい」

GM:「私はただの使者だ。もし不安であれば、私を連れていけ。私の言葉が嘘だったなら、私を殺そうと何をしようと、あなた方の自由にしてもらって構わない」

ディ:「命を取っても、意味がない。オレはただ、お前の言っていることが、嘘ではないと、約束してほしい。それだけだ」

GM:「では、私の信じる神だけでなく、あなたの信じる神に賭けて誓おう」

マギー:ほほうー。

マキシム:言うねぇ。

ユウイチ:そこまで言うか。それならば信じるしかないわな。どうすっかな。ヘタに戻るよりは、リリアンにおれの水陸艇と情報を持ってきてもらうのがいいかな。〈航空機操縦〉できるもんね。

リリアン:知ってたのか。

GM:持ってくるのは簡単ですよ。軍からすれば、あなた方を泳がせた方が、よっぽどオイシいから。

リリアン:しょうがないなー。

マキシム:「・・・行こうぜ。その、真の情報が判る場所、ってヤツへ」

一同:(頷く)

GM:では、マチュピチュへ行くことに決まったところで、この幕は終わります。皆さんに3ポシビリティずつ差し上げましょう。“疑惑”が発動してる人と、“自己犠牲”を出してる人、それぞれ、もう1ポシビリティずつ。

リリアン:“疑惑”、発動してたんだ。

GM:勿論。あいつから目を離すな、とか色々言われてたじゃないですか。

リリアン:それぐらいで済んでたのか。俺、てっきり、引き裂かれて戦うと思って、期待してた(笑)。

 
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