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TORGリプレイ

『天より来りしもの』

 

第四幕

 
シーン1 Second Impact

 
GM:第四幕を始めます。メキシコシティの空港に着くと、さっき言ったライアン先生が、噴霧器付のコンテナを準備してくれています。ただし、材料の関係で、2回しか使用できません。何せ、あちこちの工場にある物を集めて無理矢理作ってきたんで。

ディ:さすが天才科学者。

マギー:そして、すごいギズモだと感心。

GM:その上で、皆さん、どうします?

ユウイチ:とりあえず、電磁波でマザー種を引っ張り出すしかないよね。

マキシム:ラジオ鳴らしまくるか。

ユウイチ:スピーカーでな。

リリアン:間違えて、オバマさんの就任演説を流すとか(笑)。YES, WE CAN!

ディ:でも、本質的には近いと思う。オレたちが今からやろうとしていることを伝えて、もしも失敗した時のことを、ちゃんと託しておく必要がある。偉業が出せれば偉業を広めたいし。

ユウイチ:というか、多分、次はないだろう。失敗すれば終わりだ。

ディ:・・・・・。

リリアン:ほらほら艦長。おやくそくの、アレ(演説)、やらなきゃ。

ユウイチ:いや、艦長は自分でしょ。やんなさい、リリアン探偵?

GM:ちょっと待って。皆さん、〈発見〉ロールしてもらえますか。

リリアン:(コロコロ)〈発見〉ロールは、16。

GM:大慌てで降り立ったメキシコシティの空港なんですが、平常通り運航してます。

リリアン:誰も、焦ってる様子は、ない。

GM:あちこちに置いてある新聞に、『謎の怪物、メキシコ軍の奮戦により撃退!』とかいう見出しも踊ってるわけですよ。

マキシム:なるほど。撃退されたと思ってんのか。

ユウイチ:少なくとも、レシフェの町みたいな、大きい停電は起こってないってことだね。ということは、電磁波を発しながら、飛んでくしかないね。来た方角に向かって。

GM:あのー、すいません、ひとつ言い忘れました。あなた方はマチュピチュに着いて、そこで話を聞いて、また戻ってきてるんで、翌日になっています。

リリアン:ふむ。

GM:そのまま迎撃に向かう、でホントにいいのね? 何か忘れてるような気がするんだけど。

マキシム:そうだ、アニタのお父さん。

ユウイチ:ああー。

リリアン:一緒に連れてきてる。でも、探すのは後回し。

マギー:彼女のおやじさんは、地下坑道の整備員でしたよね?

リリアン:だからって、地下坑道の数が、どれだけあると思ってるの。それを全部調べる、ってこと?

GM:ちゃんと彼女は、自分自身で手掛かり持ってますよ。

マキシム:あの、黒オパールのペンダントか。

ユウイチ:うーん、実は電磁波か何かを発してるんだろうと思うんだけど、おれの中で、そこまでの関係性に気づいてないからなー。

GM:調べるなら、〈知識(宝石)〉か、〈科学(鉱物)〉です。

マギー:技能がない場合は?

GM:専門家に頼むのが一番手っ取り早いでしょう。ここは大都市なんで、専門家はいっぱいいますよ。

マギー:プレイヤー知識でいけば、オパールって、電磁波に対して、ちょっと変わった特性を示すんですよ。その性質を利用して、工業用に使われてたりするので。

マキシム:確かに、一番初めの戦闘で、この子が狙われてたっけな。

ユウイチ:とりあえず、その宝石が何なのかを、まず調べてみようよ。

GM:では、あなた方は宝石商のところに行きます。アニタのペンダントを調べた上で、宝石商はこう言います。「この石は、黒オパールに非常によく似ていますが、全く違うものです」そして、非常に珍しい石なので、日本円にして1億円ぐらいで買い取りますよ、と。

ユウイチ:「それは、どういう特性があるものなんですか?」

GM:「敢えて言うならば、微弱な電磁波を発している、非常に珍しい石です」因みに、ちょっと〈発見〉で注意してもらえると、面白いことに気づきますが、どうしますか?

ユウイチ:〈発見〉するよ? 技能持ってるもん。(コロコロ)20!

ディ:おおー!

マギー:冴えてるなー。

ユウイチ:(コロコロ)33。+10だから、〈発見〉25と言ってみますが。

GM:店頭で同じものを売ってますね。100億円ぐらいで。

リリアン:ボッタじゃねーか!(笑)

マキシム:っていうか、デンジハを出すってことが、戦いにどう使えるか。

ディ:レギュオンを、おびき寄せることができるとか。

ユウイチ:この店から持ってくとなると、泥棒しかないけどね。それに、ペンダントはその子のものだから、最悪でも、お父さんを捕まえて、お父さんの許可をもらわないと。

GM:宝石商は、気づかれちゃったんで嫌そうな顔をしながら、教えてくれますよ。売った人間は、非常に貧乏そうだった。だが盗難品ではなかったし、珍しい石なので、高額で購入した、と。因みに、泊まってるホテルは、場末の三流から、超一流ホテル最上階のスイートルームに移ったそうです。

ユウイチ:行ってみよう。もしかするともしかするかもしれない。

マギー:うん。

GM:では、ホテルに着いて、こういう人物が泊まってるかと訊きますと、「だったら早く回収してくださいよ」

ユウイチ:「え? なんで?」

GM:「部屋に行ったら判ります」

ユウイチ:はい。上がります。

GM:最上階に着きますとですね、酔っ払いがひとり、高ーい酒をラッパ飲みしながら、管巻いてます。

ユウイチ:えーと、アニタ、連れてきてるよね?

マギー:勿論。

GM/アニタ:「たーたん!」

ユウイチ:(リリアンに)どうしましょうね、この場合。親代理。

GM/アニタ父:「お、おおー、遂にアルコールが脳に回った。娘の幻が見える。そうさ、俺は娘を見殺しにした愚か者の父親だ! アルコールで死んじまえばいいんだ!」

リリアン:じゃあ、酒瓶をひょいと取り上げて、ぱかーんと頭を一発ひっぱたいて。

ディ:瓶で?

リリアン:勿論(笑)。で、「あんたの娘さんは、ここにいるんでなくって?」と〈威圧〉。(コロコロ)えーとね、17。

GM:では彼は、威圧されながら言います。「嘘だ。アルコールのせいに違いない。俺の娘は、あそこで死んじまったんだ!」

マギー:じゃあ、じろっと見て、たったったった。むんずと掴んで、風呂ん中に行って、「ふざけるのもいい加減にしろ!」顔だけ浸けて、ざばーんと上げます。

GM/アニタ:「たーたん、たーたん、たーたん、たーたん!」

ディ:「アニタは、ずっとお前に会いたがっていた」

GM:「本当に、俺の娘なのか?」ぎゅっと抱きしめて、「いちゃい(痛い)、いちゃい!」とか言ってますよ。

ユウイチ:じゃあ、酔いが醒めたところで確認するけど、「この子が着けている宝石ってのは、どこで手に入れた?」

GM/アニタ父:「5日ほど前、地下坑道の定期点検をしている最中に、坑道の一部が崩れていて、そこにあった岩に、食い込んでいるのを、いくつか持ってきた。後でもう一度行ったら、化け物に見つかった。怪しい覆面の人物(*23)に助けられて、何とか無事だったんだが」

ユウイチ:とりあえず、その宝石を譲ってくれと言ってみようか。

GM:アニタは父さんと会えただけで充分なんで、譲ってくれますよ。

ユウイチ:はい、じゃあいただいておきましょう。

GM:そうするうちにですね、皆さん、〈リアリティ〉チェックをしてください。

マギー:(コロコロ)こういう時に限って、20とか振り足し出るのやめてほしいな、あたし。

リリアン:きっと、強烈な個性を保ってるんですよ。

GM:達成値10以上あればいいです。リアリティが変わっていきます。今からここは、スタースフィア/コアアース混合エリアになります。

ユウイチ:ああ、間に合わなかった。

GM:と同時に、轟音と共にビルが破壊されていきます。

ディ:!!

マキシム:来やがったか。

ユウイチ:宝石商へ行って、残り4つかっぱらってくる?

リリアン:あら、それは私がしようと思ってたんだけど。さっさとエンジンかけてなさい。

ユウイチ:はーい。じゃあおれは離陸の準備。

GM:アニタちゃんとお父さんはどうします?

リリアン:歩いて逃げてもらうしかないでしょ。

ユウイチ:ここはこれから本当の戦場になるし。それに一番死亡率高いの、おれだもん。飛行機で一緒ってわけにもいかない。

GM:お父さんは、アニタちゃんを抱っこして、お礼を言います。「おかげで娘と会うことができました。私にとって、最も尊い宝はこの子です!」

ユウイチ:「死ぬなよ」とだけ言っておきましょう。

GM:アニタちゃんは、「にーた(マキシム)、ばいばーい! ねーた(マギー)、ばいばーい! にーたんのような、ねーたんのような、にーた」(笑)

マキシム:判ってた!

GM:錆だらけのボロボロのトンカチを、あなたに渡しながら、「はい! わるいの、てーん、てん!」

リリアン:「よーし。わかったわかった!」って言って、ちょっと頭をぐりぐり、いつもより強いよー(笑)。

GM/アニタ:「わるいの、てーん、てんする! ばいばーい!」

ディ:2人を見送ってから、崩れたビルのある方へ向かいます。

GM:そうすると、前にあなた方が見たような巨木が、そそり立っているのが判ります。

 
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