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TORG往復書簡リプレイ

『MOMO Can Survive』

第四幕

 
シーン1

 
GM/マーベリック:「おひとりですか。他の2名は、どうしました?」
 

 ファーザー・マーベリックは、狼の姿となったヴォルフ(ラン航海士)に気付いていない。
 球太郎はそれを察し、ヴォルフへ目配せで伝える。
 気配を消して隠れ、機を見て動いてほしい、と。
 

球太郎:問いには直接答えず、人差し指をビシッと突き付けます。「ファーザー・マーベリック! フィラデルフィアへの物質運搬任務を隠れ蓑にレジスタンス村を襲撃するお前の企みは、全て露見した!」
 

 相手がナイルのヴィランなら、俺にはこれ以上ないお手本がある。
 正義のロケットレンジャー、ソニックさんのように、
 真っ直ぐに悪を糾弾する宣言を、高らかに呼ばわれ!
*20
 

GM:ここがナイルであれば、ファーザーは「バレちゃあ仕方がない」と居直って語り始めるところですが、船のリアリティはコアアースなので、まずはしらを切ります。

GM/マーベリック:「おや、そのような企みがあったのですか。穏やかではありませんね」

球太郎:「こいつ(ガン! とジープの後部座席ドアを蹴りつけて)が洗いざらい教えてくれたから、しらを切っても無駄だ」

GM/マーベリック:「そこにいるのはジョゼフ。彼は何故、縛られているのでしょうか?」

球太郎:「見て分かるだろう。レジスタンス村は無事で、作戦は失敗ってことだ。お前のことも全部吐いたぜ」

GM/ジゼル:「・・・・・」

球太郎:息を吸って、再びソニックさんの姿を思い起こし、決然と言い放ちます。「抵抗は無駄だ! 船長を解放しろ!」

GM/マーベリック:「船長? 何のことです?」

球太郎:「隠すならば探すまで。今から船内中を捜索させてもらう。監禁が白日の元に晒されれば、もはや言い逃れできねーだろ。邪魔をするなら、押し通る!」と、ここで戦闘開始かと思われますが、いかがでしょうか。

GM:すぐ戦闘にはなりません。因みに、監禁場所はどこだと推理してますか?

球太郎:難しいなあー! プレイヤーは、灯台もと暗しで船長部屋が怪しいと睨んでますが、球太郎の立場でロールプレイするならば、まずは医務室に飛び込みます。「ほんじゃ、邪魔するぜ」

GM:医務室はハズレです。人体改造に使いそうな作りのベッドがあっただけです。

球太郎:人体改造に使いそうなベッドって、ピンポイントですね! しかも具体的に思い浮かぶ自分がイヤだ(笑)。

GM:そうそう、硬いベッドの四隅に手枷付き(笑)。

球太郎:「チッ、趣味の悪いベッドだ」と呟いて医務室を離れ、船長室へ。隠し扉などがないかと念入りに探します。

GM:船長室にも、めぼしいものはありません。モモが教えてくれた通り、メアリィの帽子が落ちているだけです。ところで、ジゼルには、猿ぐつわ噛ませてますか? それとも自由に話せる状態ですか?

球太郎:猿ぐつわを噛ませています! バッグから出したスポーツタオルで口元をぐるぐるしてるだけなので心許ないですが。

GM:ジゼルがモゴモゴと声を出して、ジゼル自身を指差しています。何か言いたいことがあるようです。

球太郎:では、猿ぐつわを外して、「何だ。どうした」これで何か不利益なことを叫ばれても、仕方なしと覚悟しての判断です。

GM/ジゼル:「そろそろ、気は済んだかしら? アタシ、知ってるわよ。船長の監禁場所」

球太郎:「へぇ、感心な心掛けだな。ほんじゃ、教えてもらおうか」
 

 罠満載の招待状。そう直感し、招待を受けます。
 危険には飛び込む。海優さんのように。
 罠なら叩き壊す。兄貴ならそうする。

 

GM:ジゼルはファーザーと目を合わせ、ニヤリと笑みを浮かべて言います。

GM/ジゼル:「開かずの間。ポスターの貼ってある、あの倉庫よ」

球太郎:「そうか。ご丁寧にどうも! ほんじゃ、お邪魔するぜ」あくまで横柄な態度を貫き、モモを連れてそこへ向かいます。

GM:船内を探索した際の、(E)。ネタバレしますと、ドアに貼られた海軍勧誘ポスターこそが、コアアースのリアリティを作り出す、護符だったのです。

球太郎:そうだったんですね! ほんと、色んなものが、リアリティを象徴する、力あるアイテムになりうるんですねー(感心)。

GM:甲板から階下に降りようとするあなたの背に、ジゼルが言葉を投げかけます。敢えて多くの船員が集まっている中で。

GM/ジゼル:「だって坊や。教えてくれたのは、アンタじゃない! 戻りの車の中で、愉しげに話してくれたわよねー。新入り船員の、乗っ取り計画とやらを、さ!」

モモ:「えっ?」

球太郎:「ちっ、そー来たか」はあっとため息をつき、衆人環視の中で、負けじと叫び返します。「ああ、確かに愉快なドライブのBGMは乗っ取り計画とやらの話だったな!」
 

 「だが、ひとつ訂正だ。新入りじゃなく、古参の船員、だな」
 ファーザーをじろりと睨み付けて、
 「この、船長代理っつらした船医が、何のために、どうやって入り込んだか!
  そもそもどんな奴なのか! 楽しく話してくれたのは、おめーだろ、ジゼル!」

 

球太郎:ここで、“モノローグ”を発動します!

GM:“モノローグ”か、巧いなー。では、全員があなたの話に聞き入ります。

球太郎:「こいつらは、スペシャルズって輩だそーだ。大統領の肝いりでこの船の船員になったらしい。ここまでは知ってるやつもいるかもしんねーが、ここからがいけねぇ」

GM/マーベリック:「・・・・・(眉を上げる)」

球太郎:「こいつらは、船員としての表の顔の裏に任務を隠してやがった! それは・・・レジスタンス村の襲撃だ! 船長がドボンしたって与太話は、任務の隠れ蓑にするための偽装だ。捜索を装って本命の襲撃任務を達成、気絶させ隠匿した船長引っ張り出して、船長を救助した、めでたしめでたし、さあ出航、って筋書きだあな」

GM:ジゼルが動揺を見せます。「アタシここまで言ってない。何でこんなにアタシたちの作戦に詳しいんだ(*21)」

球太郎:「ところがどっこい、こいつらが合衆国に潜り込んで愉快なスペシャルちゃんになったのは最近の話だ。その正体は、ナイルで悪さして、ナイルヒーローたちに追っ払われた悪のチンピラ組織。(ジゼルを指差して)こいつみてーな改造人間をわんさか作って悪事三昧、まさにアメコミも顔負けの奴らよ!」

GM/ジゼル:「ちっ・・・」

球太郎:因みに、ジゼルは、球太郎がアレと一緒にいることが意趣返し、と教えてくれましたが、二人が出会った経緯自体は知らない、と解釈していいんでしょうか。キメラの基地にモモがいたことを知らなかったのか、あるいは、キメラと戦ったと聞いて、そうだったのね、と思ったか。

GM:ジゼルは、あの基地にモモが残されていたことを知っていました。ファーザーと一緒に、一足先にトンズラこいてた、と解釈するのが自然でしょうか。
 

 となると、オープニングのあの基地の主はキメラではなくファーザー。
 単なる戦闘基地ではなく、改造人間の供給基地だったのかもしれないですね。
 デスホーク率いる沢山のヒーローの中で球太郎がそんな重要任務を任されたのは、
 まさにそこから脱走した経験のあるヴォルフとパーティーを組んでいたことが大きいのかも。
 えー、脱線しましたが(笑)。

 

球太郎:「なあ、お前ら。この船に乗った目的を思い出せよ。フィラデルフィアで助けを待ってる人たちに、希望を運ぶためだろう。このままじゃ、同じ助けを待ってる人たちが襲われるっつう、全く逆のことに、手を貸しちまうことになるんだぞ? しかも、大事な航海の裏でこそこそとそれをやる、そんな汚ねぇチンピラどもに、この大事な船をいいようにされて、お前ら本当にそれでいいのか?」

GM:(ざわ・・・ざわ・・・)

球太郎:「と、まあ、長々語ったところで、証拠だなんだとあいつらゴネるだろうが、ここは法廷(コート)じゃねえから論戦するつもりはねえ。信じる奴はついて来い。信じない奴は、かかってこい! 俺の名は・・・」
 

 ここで、ディ様の姿を、心の中で、自分に重ねます。
 宣言します。彼のように。
「ストームナイト・野原球太郎! 例えお前ら全員束になってかかってきたって、
 俺はこの船の船長と、本当の航海を取り戻す!」

 

球太郎:ところで、“ヒーロー”は〈説得〉に使えましたっけ? 達成値が出そうなら、〈説得〉で偉業を成したくなってきたんですが。

GM:勿論可です!

球太郎:ただ、できればその判定を後に回したいと思っています。船員たちを盛り上げて偉業達成、船は希望を取り戻す! という展開にしたいのですが、流れ的に、モモについてのファーザーとの対話にスポットが当たりそうな感があります。

GM:ふむふむ。

球太郎:そこで、対話の後、ファーザーがどう出るにしろ、船員に希望を与える、だめ押しの一言に、“ヒーロー”と“偉業”をつぎ込む流れを希望します。

GM:わかりました。先にファーザーの反応をお伝えしますね。

 
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