Eternal Smile > MOMO Can Survive 『MOMO Can Survive』第四幕
GM:パチ、パチ、パチ。ゆっくりとした拍手が響きます。 GM/マーベリック:「ハハハハハ! いや、見事な演説でしたよ」 GM:ファーザーは、何の躊躇いもなく銃を構え、ジゼルのこめかみを撃ち抜きます。 球太郎:「なっ!?」 GM/ジゼル:「そ、そんな。ファー、ザー・・・」 GM/マーベリック:「極秘任務だったはずでしょう。あなたはスペシャルズの恥さらしです」 GM:そして小声で続けます。“警戒”カードの効果で、あなたにはバッチリ聞こえました。 GM/マーベリック:「せっかく私が与えてやった力を、簡単に失う。そんなあなたに、最早利用価値はありません」 球太郎:きたないさすが悪役きたない!「バカヤロウがっ!」ファーザーに殴りかかります。 GM:ファーザーは銃を取り落とします。彼が舌打ちすると、一瞬、目が怪しく光った気がして、船員数名が、ファーザーを庇うように無表情で前に立ちます。 球太郎:「恥さらしは、秘密が保てないザルな作戦を立てたお前だっ!」 GM/マーベリック:「ほう?」 球太郎:「ジゼルや他の改造人間を道具だと思ってるなら、それでもいいさ。そんなのは悪党にはありふれた考え方で、実際腐るほど見てきた」 モモ:「・・・・・」 球太郎:「野球でも道具を言い訳にする奴は三流以下だ。ましてや、チェスで駒が悪いなんて言う奴はいねえよな! 利用価値がねえだと? ふざけんな! ジゼルは一生懸命ついてきただけだろうが! あいつが道具なら、尚更、価値がないのは使う方のお前だ!」 GM/マーベリック:「ふん・・・」 球太郎:勿論、言質を取って周りに訴えることも忘れません。「そして、語るに落ちたとはこのことだ! 本人の口から極秘任務ってセリフが出たな。みんな聞いただろう! 奴は自ら、この航海を不当に利用してたことを証明した!」 GM:(ざわ・・・ざわ・・・)
GM/マーベリック:「いかにも。我々スペシャルズが、この輸送船の船員となったのは、合衆国大統領の特殊任務を果たすため。我々はうまくやりましたから、充分にあの小娘の信頼を勝ち取ることができました。馬鹿な娘です。いずれ『事故死』することになるとも知らずに」(喉の奥でクックッと嗤う) 球太郎:「やっぱり、そうやって完全に乗っ取るハラだったんだな。偽りでも重ねた信頼がありゃ、船長代理を名乗ることは簡単だ」ファーザーのことを話す時の、船長の笑顔が浮かび、怒りが燃え上がります。 GM/マーベリック:「しかし、計算が狂いました。まさかあなたが、『それ』を連れてくるとは」 球太郎:「それたぁ何だ、それたぁ!」噛みつきます。そして、モモを見て、車でのやりとりを思い起こし、ひとつ、頷きます。一緒に聞こう、と。 モモ:「・・・はい」 球太郎:「お前のこと、お父様、って呼んでたぜ。だが、それ以外の記憶がない。俺は、モモ、って呼んでるが・・・あんた、父親なんだろ。名前を呼んでやれよ」まずはこの投げ掛けで、様子見です。 GM/マーベリック:「モモ、ですか。ハハハハハ! これは滑稽だ!」 球太郎:(しょうがねえだろ、ドラム缶にMOMOって書いてあったんだから) GM/マーベリック:「私が『それ』の父親? まあ、機能を与えた、という意味では、確かに父親ですかね」 球太郎:予想できる反応ではあるので、反論はしませんが、モモを気遣うように肩に手を置きます。 GM:「では、そろそろ、返してもらうとしますか。・・・お預けしていた『メモリ』を」 モモ:「!」 GM/マーベリック:「『それ』は、私が開発した、スパイ用記憶装置『Prototype:MEMORY』です」 球太郎:「・・・なん・・・だと・・・!?」 なるほど、MOMOではなくMEMOだったのですね! GM/マーベリック:「ああ、無から人間を創り出すのは、さすがの私でも無理です。生物を掛け合わせる改造実験なら、得意なのですがね。ですから、『それ』の素体は、ごく平凡な人間。記憶容量を最大化するために、不要な記憶は、脳から消去しました」 球太郎:「くっ・・・何て卑劣な奴・・・!」 GM:補足しますと、モモとファーザーに、血縁関係はありません。無作為に攫ってきたお嬢様に、記憶を消す処置をした(*22)ようです。 球太郎:今の補足の内容を、ここで教えていただければ、球太郎もモモの出自を完全に理解できます。 GM:了解です。ファーザーのセリフを追加します。 GM/マーベリック:「せっかくですから、『それ』に訊いてみてはいかがですか? 誘拐される前は、どこに住んでいたか。本当の名前は何か」 モモ:「!!」
球太郎:「・・・な・・・そん、な・・・!」 "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |