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TORGリプレイ

『Open Mind』

第一幕

 
シーン3 Knight at the Museum

 
GM:ここで皆さんに質問があります。お客様の中で、〈ヒエログリフ〉技能をお持ちの方はいらっしゃいますでしょうか?(笑)

イリス:ないわな。

宗元:あるわけがない!

GM:TORGのルールには、言語の技能は2つしかありません。〈語学〉と、〈ヒエログリフ〉です。

宗元:何てこった。

GM:ヒエログリフは、読むために特別な技能が必要なんです。

イリス:残念、【ゲイン・ランゲージ】に線引いてある。

GM:ああー、【ゲイン・ランゲージ】の魔法を取ってたかもしれないのか! 惜しかった。

ジョシュア:〈語学〉は持ってるんだけど。〈ヒエログリフ〉は無理だな、専門外。

GM:〈語学〉持ってるんだったら、おまけで判定してください。

ジョシュア:あざーす。“ひらめき”使います。(コロコロ)ダメだ!

宗元:ある意味、空気を読んだ。

ジョシュア:技能基本値が13になって、13マイナス8、やっぱり読めなかったことにしよう。「・・・読めんな」

裕人:「うわー。ぐっちゃぐっちゃしてるー」

GM:そうすると、カトリーナが、おもむろにロゼッタ・ストーンに触ります。そして、「栄えるのはラーの魂」と、つぶやきます。〈手掛かり分析〉を振ってください。

宗元:(コロコロ)1振った。うん、解るわけがない!

イリス:(コロコロ)ちんぷんかんぷんです。

ジョシュア:自分は5ですね。

裕人:《知覚》は10。(コロコロ)20。

GM:振り足し不可。現在萎縮です。

裕人:ショボーン。+7で、17って言ってます。

GM:これは、特定の王の名前を示す、キャッチフレーズなんじゃないかな、という気がします。

裕人:皆さんに言いますよ。「そんな感じのことじゃないかなー」

宗元:「全く解らへんかったわ!」

GM/カトリーナ:「虚心の槌。それは、王の御代の永く続くを信じたる者の証なり」

裕人:あ、なんかもう解んないから、メモするのやめよう(笑)。

GM:虚心の槌、ですが、巨神ではなくて、空虚の虚に、心。英語で言うと、Hummer of Open Mind。

宗元:あ、そっちね。

GM:「人は、ただ無心に、王国の繁栄と存続を願って、これを振るったようです。これを得んとし・・・」ロゼッタ・ストーンに触れている手を、少し、動かしたところで、彼女は、すっと表情を失って、口を閉ざします。

イリス:駆け寄る。「大丈夫?」

GM/カトリーナ:「はい。この続きは、文字が薄れてしまって読めません」

裕人:ふーん。・・・本当かなぁ。

GM:〈手掛かり分析〉。

宗元:(コロコロ)あ、20。

GM:技能がなければ振り足しできないので、+7です。

宗元:《知覚》ですよね。15です。

イリス:自分も15。

GM:多分、言いたくないことがあって、嘘をついたな、と思いました。

宗元:そこはこう言おう。二重の意味で。「まぁ、いっぱい読んだやろうしな。疲れたんやったら、無理せん方がええ」って頭を。

裕人:なでなで。

GM:彼女は深々とお辞儀をします。「皆さんのおかげで、目的地の手掛かりを得ることができました。本当にありがとうございます」

イリス:「目的地? 行くの? エジプトに」

GM/カトリーナ:「はい。それが私の運命だからです」

宗元:「運命、のぅ」

GM/カトリーナ:「もうすぐ、雨季が始まります。ナイル川が氾濫すると、王の遺跡への入り口が土砂で埋もれてしまいます。そうすれば、虚心の槌を手に入れることが叶わなくなります。私にはそれが視えるんです」

裕人:「じゃあ、急がなきゃね」

ジョシュア:「具体的なポイントはどこだ?」要は、エジプトのどの辺りか。

GM/カトリーナ:「王の遺跡ですので、恐らく、ナイルの沿岸のどこかだろうとは思うのですが」

ジョシュア:「随分大雑把だな」

GM/カトリーナ:「王の名の手掛かりが得られれば、あるいは」

ジョシュア:「栄えるのはラーの魂、か」

GM:「直接、お顔を合わせるのは初めての皆さんに、このようなことを申し上げるのはどうかと思うのですけども」と言って、ちょっと口ごもった後に、「皆さんと出会えるのをずっと待っていました。私と一緒に、エジプトに向かっていただけませんか?」

裕人:「え? 行く気満々だったけど」

イリス:うん! って感じで頷く。

宗元:「ここまで来ちまったら、エジプトも九州も変わらへんやろ(笑)。飛行機乗るだけやし」

ジョシュア:「任務だからな。気にするな」

GM/カトリーナ:「ありがとうございます。皆さんにでしたら、安心して、後のことを任せられます」

裕人:おや?

ジョシュア:・・・ひょっとすると、無駄遣いしそうだな。

宗元:「ああ、嬢ちゃん。先に言っとくけどな、さっき、運命や言うてたけど、運命のために死ぬのは人生やないで

GM/カトリーナ:!!

ジョシュア:「時と場合によるな。未来を繋ぐために死ぬのは致し方ない」

宗元:「そうかもしれんな。ただまぁ、これはヤクザの言うことやから、鵜呑みにしない方がいいかもしれんが、人はな、自分より大切なもののために死ぬんや。毛が抜けるほど考えて、それが運命やっちゅーんならしゃあないかもしれんが、そう思わへんのやったら、もっと別のことを考えた方がえぇな。ワシはもう、自分より大切なもの、なくなってしまったからのぅ」

GM:すみません、要らんツッコミしていいですか。宗元さんってスキンヘッド?

宗元:いや全然。

GM:毛が抜けるほど、って言ったから。

ジョシュア:つまりはそういうことです(笑)。

宗元:まぁ、ストレスのせいで。ダチはもういないからな。

GM/カトリーナ:「では、あなたがストームナイトとなったのは、その、ご友人のためですか」

宗元:あれ? ワシ、ダチのこと言ったっけ? まぁえぇわ。「ストームナイトは関係あらへん。ワシのダチを、あないなことにしよった奴を、許せん思ったからや。そいつらをぶっ倒すことが、今のワシの心の一番望んでいることやからや。ワシの、一番したいことやからや!」

GM:繋いできますねー。あなたは? という顔でジョシュアを見る。

ジョシュア:「ストームナイトになった理由か。それが解ったら苦労しないな。多分、女王陛下への忠誠心があったから、リアリティ・ストームに巻き込まれても変わらずにいられたのだろう」

裕人:かっこいいー!

ジョシュア:他のストームナイトの方々と比べると、悩みは少ないかもしれない。世界法則も世界法則なんで、全く迷いがないんです。全部、明日に繋ぐ能力だから。

GM/カトリーナ:「国家があなたを支えて、強くしてくれているのですね」

ジョシュア:「かもしれん。いずれにせよ、この世界を平和にするためだったら、いくらでも努力しよう」

GM/カトリーナ:「どうか、お力をお貸しください」

ジョシュア:では、彼女が目が見えないってことを解ってるにもかかわらず、頷きます。声に出さないで。

イリス:私はギュッとこう、カトリーナさんの手を握りまして、「あのね。私は、両親の情報をもらえるなら、って最初は思ってた。でもね、魔法を教えてくれた、お師匠様が、ストームナイトは、運命を壊す者だって言ってた。だから、きっと良くない運命を見ちゃったとしても、それは壊せるよ」

GM:彼女は、何か、言ってはいけない言葉を、一生懸命押し留めているようです。まだ第一幕なんで、ここでは内緒ね(笑)。そして、裕人を見ます。

裕人:別に自分は、ストームナイトになりたくてなったわけじゃないけど、それはそれで楽しもう、って精神なので、ここは突き放すだろうな。「キミに言うことじゃないよ。関係ないし」って、ヘラッと、口元だけ見せて。

イリス:カッコいい。

裕人:日、落ちてきましたか、日、落ちてきましたか(笑)。

GM:もうそろそろかな。「失礼しました。人の心に土足で踏み込むような真似は、してはいけませんね」

裕人:「そういうこと♪」と、茶化します。

GM/カトリーナ:「航空機の手配は、ニコライが済ませてくれているはずです。パイロットの準備ができれば、すぐにでも出発できるのですが・・・」

ジョシュア:「なら、出発しようか」

GM/カトリーナ:「はい?」

ジョシュア:「操縦なら俺ができる(*7)」

宗元:技能、持ってたもんね。

裕人:じゃあ、さっさと行きましょう!

GM:ということで、空飛んでる間にきっと夜になるよ。

裕人:やったー!

GM:第一幕はここで終了です。皆さんにポシビリティを1点ずつ差し上げます。“個人的利害”のサイドストーリーが出ているイリスは2点です。
 

 
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