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TORGリプレイ

『Pandora』

 

第一幕

 
シーン1 Compte sur toi

 
GM:前回、神崎さんとマルセルは、100人の魂を、フランス、ゴッドネットの地獄から救い出しました。最初のシーンは、そのエンディングの続きで、2人が旅立つところ。早速ですが神崎さん。〈瞑想〉で、判定をお願いします。

神崎:〈瞑想〉はですね、11が基本値です。(コロコロ)やべぇ、1だ。

GM:ポシビリティやカードを使って振り足すことはできます。

神崎:“ヒーロー”を使っておきましょう。なるべくだったらカード回したいんで。(コロコロ)13。足して14ですね。

マルセル:ダイスの合計値が出ました。ボーナス表を見よう。

神崎:+1で、12ですが、ちょっと低いので、“アクション”カードを使って、+3をつけます。12+3で、〈瞑想〉15。

GM:素晴らしいです。カードの使い方も、バッチリですね。

勇人:因みに、先に使った“ヒーロー”カードは、ダイスを振り足すカード。後から使った“アクション”カードは、最終的な達成値が上がるカード。ダイス目はいじらないので、そこは注意です。

GM:マルセルも傍にいるので、振り足しカードがあれば、交換してもいいですし、“援助”も使えます。

マルセル:今回はいいです。

GM:そうすると、あなたは思いました。チップの中に収めて持っている、100人の魂。彼らの肉体は、きっとどこかに保管されている、と。脳裏によぎったイメージは、ガラス張りの、カタコンベ。

マキシム:カタコンベ。

勇人:地下墓所ですね。

神崎:では言いましょう。「マルセル。魂は手に入った。だが、肉体もどこかにあるはずだ。あくまでも、霊感的なものだし、お前がこれを信じるかどうかは解らないが、恐らく地下のカタコンベ。死者と同じような形で、フランスのどこかに、埋葬されているんじゃないか。しかも、生きているのと死んでいるのと、狭間の状態で・・・」

マルセル:そこまで聞いたところで、一度、大きくため息をついて、「それで、お前はどうしたいんだ?」

神崎:「無関係と言えば無関係だが、俺たちはストームナイトだ。俺は、魂を救ったのだったら、同時に肉体も救うべきだと思うし、それをやらない理由はない。お前はどうだ?」

マルセル:「俺は、どちらでもよいと思っている。神は、我々の行いをただ見て、それに、答えを返すだろう。それが正しいのか間違っているのか、全てを決めるのは、神だ。だが、俺個人としては、お前が望む通りに生きた結果、どうなるかを見たい。俺は、決して、英雄にはなれないし、ストームナイトというものも、本質的には信じていない」

勇人:うーむ。

マルセル:「だが、介添人にならば、なれるかもしれんと思っている。俺はお前と共に行こう。お前が選んだ道の隣に、俺はいる」

神崎:「なら、マルセル。俺は、救いたい。だから手を貸せ」

マルセル:「解った。神の名の下に」とだけ言って、サイバー教会のものではない、本来のキリスト教の十字架に、くちづけをします。

マキシム:かっこいいー。

神崎:「やれやれ。お前は素直じゃないな」って苦笑して、「じゃあ、行こう」踵を返しましょうか。

GM:や、カッコいいオープニングを演じてくださってありがとうございます。場面が変わって、2人は、新東京国際空港、いわゆる成田空港で、飛行機の出発を待っています。待ちながら、テレビをぼーっと見たり、コーヒーをカウンターで飲んだりしていると、テレビから聞こえてくるのがですね。
 

 生命科学研究所(*6)の宝条ナオミ主任研究員らが作製した画期的なクローン幹細胞をめぐる問題で、論文が公表されて以降、数名いる論文の共著者は、宝条主任研究員以外、クローン幹細胞を作製する再現実験に成功していないことがわかりました。
 
 科研によると、今年1月に米国科学誌CELLに論文が掲載された後、宝条主任研究員と、宝条主任研究員の所属するグループの研究員が、細胞を作製しました。あらゆる細胞に変化する多能性を示す遺伝子が働いていることを確認した、としています。
 
 科研は本日午後、論文の問題点に関する調査委員会の中間報告を東京都内で公表し、細胞の再現性についても説明を行うことにしています。

 
マルセル:多分、空港のニュースだから、字幕もあって、読めたとします。

神崎:「随分、技術が進歩してるみたいだな。因みに、どうなんだ? 神の行いとして、クローンというやつは」興味本位で訊きますよ。

マルセル:「神崎。世界で最初に行われたクローニングが何だか、知っているか?」

神崎:「いや。ラットの実験か? アルジャーノンっていう」

マルセル:「人が神を生み出したことだ」

マキシム:おおー、かっこいいな。

GM:と話していると、帽子とサングラスを着けて、ブランド物のショルダーバッグを携えて、カートを引いた女性が、つかつかと歩いてきて、あなた方のそばに座り、売店で買ったと思しき缶ビールを開けて、おもむろにあおる。

マキシム:何だこいつ?

マルセル:第一印象は、「ああ、何かあったんだな」(*7)。

GM:口元を見ると、さっきテレビで流れてた、宝条ナオミさん、に似ている気がした。映像では、したたかな笑みを浮かべて、なんとか細胞はありまーす! みたいな顔をしてたんですけど。

勇人:あります! 涙目。

GM:いや、逆です。むしろ、勝ち誇っている、という印象を受けた。

勇人:あります! ドヤッ!(笑)

マルセル:神崎の方に、とりあえず目配せする。

神崎:えー、どうしようかな、って顔をするよ。

マルセル:割とこの2人、地味に空気が読める人なので。そういうタイプの女性に、積極的に声を掛けると、ろくなことにならない。

神崎:あのね、男と女、どっち助ける? って言われたら。

GM:ガルガルやろうといいおんな(*8)、どっちを助ける? って言われたら。

マルセル:きくまでもなかろうよ! って答えるんだけど、明らかに、酒飲んで、変装してますっていう女性に、わざわざ声を掛ける?

勇人:それも、ニッポンから出ようとしてるんですよね。これが新宿の街中だったら、一杯いきますか? って言ってもいいけど(笑)。

GM:なるほどなるほど。では、彼女があなた方の視線に気付いてこっちを見た、ぐらいでシーンを切ります。カードを1枚まで捨てて、4枚にしていただいていいです。

神崎:お! 来ました、“仇敵”。

勇人:来たよ。

マキシム:ええーっ! やべぇ、魔剣が。

神崎:あれだよね。「マルセル、行こうか」って言ったら、カッ。「あっ、鍔鳴りした」(笑)

 
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