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TORGリプレイ

『Pandora』

 

第一幕

 
シーン3 Accalmie Soudaine

 
GM:勇人は、フランスまで、どんな交通手段を考えてますか?

勇人:可能なら、パリのレジスタンスにまず連絡を取る。取れたら彼らに手引きしてもらって入る。無理だったら、リアリティ・ストームのタイミングを見て、チャーター機で突っ込む。

GM:解りました。では、神崎さんとマルセルのシーンに移ります。飛行機を降り、ブリュッセル空港から、ランスは、まっすぐ南かな。車で3時間ぐらい。鉄道でも乗り継げば行けるようです。

マルセル:教皇領近くに降り立って、教皇領突入から開始、ってことですね。

神崎:(地図を見て)あっ、ベルギーはサイバー教皇領の外か。

勇人:因みに、サイバー教皇領は、入るのがすげぇ難しいレルムなので・・・。

GM:はい。〈リアリティ〉で判定してもらいます。

勇人:国境には、ダメージ基本値20とかの、アホみたいな嵐が吹き荒れていて、ベルギーの辺りは、地下炭鉱に火が点いてて、地獄絵図みたいになってます。

マルセル:リアリティ・ストームを眺めて、一言、「骨だな」

神崎:「まあ、何とかなるさ」

GM:ところで、100人の魂が入ったチップは、どうします?

マルセル:神崎に持たせます。

神崎:多分狙われるのはマルセルだから、俺が持ってて、必要になったら、マルセルに渡す。

GM:なるほど。

マルセル:「ここから先は、俺が先行した方がいい」

神崎:「そうだな」

GM:えー、そんなあなた方の目の前を、身体に不釣り合いに大きなスーツケースを引っ張って、タクシー乗り場に向かおうとしている宝条ナオミさんが。

マルセル:また、目で「神崎」って言う(笑)。

GM:彼女はあなた方が見ているのに気づいて、「あっ。ねえ、そこの人。フランスのどこに用事?」日本語で話し掛けてきます。

神崎:じゃあ、日本語で返しますよ。「あなたも観光ですか?」

GM/ナオミ:「えっ、まあ、そうね。もし当てのない旅だったら、私のシュバリエ(騎士)にでもならない?」

神崎:「残念ながら、こちらも用がありまして。私と彼は、これからランスに向かう予定です」

GM/ナオミ:「えっ、ランス? 偶然ね、私もランスに行くのよ。一緒にどう? 相乗りすれば、タクシー代、安く済むでしょ」

マルセル:・・・警戒アンテナが一段落上がりました。フランス語で、『俺たちに、ベアトリーチェは不要だ』

GM:ベアトリーチェというのは。

マルセル:ダンテの神曲で、地獄巡りの連れ合いになった女性です(笑)。

マキシム:キザだなー。

神崎:軽く苦笑しながら、「ちょっと変わり者でね。ただ、状況は知ってると思うが、あそこはサイバー教皇領だ。観光だったら、やめといた方がいい」

GM:「観光なんかじゃないわ。れっきとした用事で来たのよ」彼女についての知識を持ってるかどうか、〈手掛かり分析〉。もしくは〈説得〉でも可です。

マルセル:持ってないので《知覚》。(コロコロ)6。すごい、キョトン顔です。

神崎:ストームナイトって感じでもないんだよね。でもストームナイトかどうかなんて、ぱっと見は判んないのか。自分で言わない限りは。

マルセル:まあね。トカゲ頭で、スーツ着た男(*12)が歩いてたら、おっと?! って気持ちになるけど。じゃあ、マルセルは神崎に対して一言、『構うな』

神崎:彼が使ってる、訛りのあるフランス語で言います。『彼女がストームナイトでも何でもないんだとしたら、リアリティ・ストームを越えられないはずだ。ここで別れた方がいいだろう。もし、お前が言う、神の思し召しというのがあるなら、恐らくランスで再会するはずだ』

マルセル:『だろうな』

神崎:「というわけだ。申し訳ないな、マドモワゼル。残念ながら、男の2人旅で、なおかつ、こいつはあまり女性が得意じゃない」

マルセル:因みに、バルボーのビジュアルですけど、前は束ねてまとめていた髪を、オールバックにして、一層無骨になってます。金髪で、肩まで髪が伸びて、あごに無精髭が生えてる状態。

GM:ライオンみたいになってんなー(笑)。

神崎:「こいつは牧師じゃない。神父なんだ」

GM:つまらなそうな顔をして、「ああ、そう。じゃあね(*13)」

神崎:彼女がタクシーに乗ったのを見て、「さて、彼女とは別の方法で行こう。ストームを越えるのに、俺は策があるんだ」(“アイデア”カードを出す)

GM:“アイデア”ですか。では、リアリティ・ストームの止むタイミングを待って、安全にランスに着けることにします。あと、2人も追いついていいです。

勇人:わーい。よかったー。

神崎:ランスで追いつく方がいいかなと思います。

マルセル:じゃあ、軽くセリフを。「ほう。神崎、お前の策とは?」

神崎:「リアリティ・ストームに関してなんだが、向こうさんも、こちら(コアアース)側に、使者なり間者を送る際に、一時的に、ネットで言うところの、セキュリティホールを作るはずなんだ」

マルセル:確かにね。当然向こうだって、出る用事はあるわな。そこを突くって話か。「なるほど。サムライをやらせておくには惜しいな」

神崎:苦笑しながら、「俺だっていつも刀振ってるわけじゃないよ。それに、タクシーで乗りつければ約3時間だが、鉄道ならもう少し早い。奴らがスパイをこちらに送り込むのは、大体深夜の12時ぐらいだって目測がついている。その時間帯に電車に乗ろう。そうすれば、リアリティ・ストームが止んでいる間に、中に入ることができる」

マルセル:「承知した」神崎の手筈に従って、移動しましょう。

神崎:「ただ、俺ができるのはここまでだぞ」

マルセル:「充分だ」とだけ言って、ニヤリと笑います。

 
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