Eternal Smile > Pandora 『Pandora』 第一幕 勇人:具体的に言うと、金の力を使いました。 マキシム:俺は感心してる。「うん、嵐王寺はすごいな」 マルセル:皆さん、何か合流イメージあります? 勇人:そんなに考えてないです。マスターのネタ振りに、合わせようって思ってた。 マルセル:じゃあ、せっかくフランスなんで、フランス映画っぽい、フレーバーを残したい。ランス駅のホームの、誰もいない待合室。すごいディストピアっぽい、NO SMOKING(Ne fumez pas)とか、教えに逆らう者は以下略、みたいな文字が書かれたポスターが壁一面にばーっと。 勇人:いいですねー。不正ジャックインに地獄の裁きを、みたいな(笑)。 GM:遠くから、放送が流れているのが聞こえます。『サイバーウェアは、我らの主の顕現であります。主はサイバーウェアを、地上における主の僕、サイバー教皇ジャン・マルロー一世にお与えになりました。それは、我らの意志を強くし、反キリストに立ち向かう力を与えんがため。サイバーウェアを受け入れることは、主を身の内に受け入れることです』 マキシム:ふーん。 GM:『人はみな、サイバー教皇の教えに従わねばなりません。さもなければ、異端の道に足を踏み入れてしまうことになります』 マルセル:「戯言だな」 神崎:「元々教会にいたお前からすると、どうなんだ、あれは?」 マルセル:首を横に振って、「神のデッドコピーにすぎない」 GM:『異端や教会警察に対する不敬の疑いがある人間がいるならば、通報してください』 マキシム:やばい、やばい!(笑)あんま喋らせない方がいいんじゃないか? GM:『自ら出向いてでも、ネットや電話を通じてでも構いません。ゴッドネットはいつも開かれており、あなたの通報を待っています』 マキシム:うわ、怖ぇー。 勇人:それを聞きながら、僕は、マキシムさんを案内する形で、ソースブックの記述をちょっと読ませてもらいます。「この辺りは、元々フランス最大の工業地域でした。ジャガイモですとか、シャンパンの生産から成り立っていて、シャンパンの製造所や、工場や炭坑、運河みたいな景観が特徴だったんですが・・・見れば判る通り。教皇領が来て以来、元々あった失業問題はさらに深刻になり、生産は滞りました」 神崎:へぇー。 勇人:「暴動の発生は日常茶飯事。この地域出身のサイバーパンクたちは、フランスの中で最も暴力的だそうです」 GM:はい、ストップストップ。勇人はそう思っていたのですが、街の中を見ると、そんな感じ、しませんよ。 マキシム:あ、そうなんだ。 勇人:「ここランスには、教会警察の大隊が滞在し、法と秩序の維持に当たっているようです。それが効果を示しているのでしょうね」 マルセル:まだ調べに入っていないから、そういう解釈をするよね。 勇人:「あとは、噂によれば、パリがレジスタンスの最大拠点となっているのですが、敢えてそこに、難民を押し付けることによって、兵糧攻めにしている可能性が非常に高い。ま、何にしても、きな臭い話です」 マルセル:そんな2人の前方、待合室に、人影が2つ。 勇人:「おや。あの2人ですかね」 神崎:俺は刀を小脇に持って、話してますよ。「さてと、次はどうやって潜入するかだな」 GM:『のう、神崎の』 神崎:ん? GM:妖刀があなたに、呼び掛けてきます。『気づいておらぬのか?』 神崎:「・・・いや。気配は感じるが」 GM/妖刀:『うむ。もうじき戦が始まる。儂(わし)のような、主持つ刃が集いて、天下無双の強者を決する、戦がな』 勇人:きたー! 妖刀大戦キター! GM/妖刀:『儂には見えるのだ。初陣の相手は、血に飢えた狼。いや、若しくは既に、儂らの前に現れようとしているのかもしれぬ』 神崎:「なるほど、飢えた狼か」 勇人:どうします? 見たところ、只者ではない気配を漂わせていますけど。 マキシム:うーん。ただ俺は何もまだ、感づいてないからな。 勇人:では普通に声を掛けてみましょう。「よろしいですか?」 神崎:「ニッポン人だな」 勇人:ぺこって頭を下げて、「神崎龍信殿に、マルセル・バルボー殿でよろしいですか?」 マルセル:えーと、懐に手を入れた(笑)。 GM:そりゃ、マルセルはね、いつでも狙われてるからね。 神崎:「まあまあまあ」って言った後、「ストームナイトか?」ってまず訊きます。 勇人:頷いて、「ストームナイト、嵐王寺勇人と申します。こちらは、マキシミリアン殿」 マルセル:芹奈、マキシミリアンの名前、出しましたっけ? バルボーの前で。 GM:いや、名前は出してないと思います。戦士の妻よ、としか言ってない。 マルセル:なるほど。では、マキシミリアンといえば、さすがに彼ですら聞いたことのあるストームナイトなので、懐から手は離した。 勇人:こういう時、マキシムさんは便利だなぁ。履歴書要らずだなぁ(笑)。 マキシム:「よろしく頼む」 勇人:「芹奈さんに、お2人の助力を頼まれたというか、ミッションを成功させるために、メモリを持って参りました」 マルセル:よーし、エンジンふかしていくぞー。旦那だってことを認識していないので、芹奈っていう名前を聞いた瞬間に、彼の、厳しかった目元がふっ、と優しくなる。 GM:ぎゃー!(笑) マキシム:あ、そうなんだ。 勇人:僕は、ああ、やっと警戒を解いてくれたか、と思う。 神崎:口調がちょっと改まって、「芹奈さんから? どういうことなんですか?」 勇人:「お2人が探している肉体、この場合だとハード、ということになるんでしょうか。それと、ソフトであるところの魂をくっつける、仲立ちをするプログラムを、持ってきました」 マルセル:「キーか?」 勇人:「はい。その辺りは、芹奈さんから、プレゼンをいただきまして」 マルセル:「そうか・・・。迂闊だった。キーのことが完全に抜けていた」 神崎:「そこに関しては、俺もどうにもならないからな。感謝するよ。俺たちのミッションを、解りやすく言うと、教会の中に入って、恐らくカタコンベの中にある、肉体を回収し、そしてそこに魂を戻し、彼らをカタコンベから脱出させること」 勇人:・・・・。 GM:(笑)だんだん顔が、厳しくなってきた。 勇人:まぁ、知ってたけど! 神崎:「嵐王寺勇人といえば、嵐王寺コンツェルンの人間だと思うが、どこまでできる?」 勇人:「ミッションを果たすために、できる限りのことをしましょう。何とか、方法は構築します」 神崎:「よろしく頼む」って言って、嵐王寺に握手を求めましょう。 GM:さて、神崎さん。あなたは、マキシムを認識しました。 神崎:でも彼が、芹奈さんの旦那だって認識はないんだよね? GM:ないです。ただし、こいつ、只者ではないな、という印象を持ちます。 神崎:「ところで、マキシミリアンと名乗られていましたが、俺の知っているストームナイトの・・・?」 勇人:「多分それで合っていると思いますよ。マキシミリアン殿は、高名なストームナイトですからね。かの、アイルのハイロード、アンガー・ユーソリオン卿とも、斬り結んだことがある(*14)お方です」 マルセル:さらっと言うけど、とんでもない話だからね。 神崎:そうするとですね、一拍置いたあと、「無礼を承知なんですが、あなたさえ良ければ、立合いを望みたいのですが」と言って、腰の刀に手を掛けますよ。 マキシム:おおっ?! マルセル:一度、大きくため息。 GM/妖刀:『そうだ。神崎の。儂を使え。そして、きゃつが果たして狼かどうか、確かめてみよ』 マキシム:「おう、お前、話が解るな!」 GM:早っ!(一同爆笑) 勇人:だと思った。間に入っていって、「まあまあまあ。お気持ちは解りますが」 GM:えっ、ちょっと待って。シナリオに書いてあるチュートリアル戦闘なんですが。 勇人:この2人でやるの? GM:うん! 1ラウンド。やってみたいでしょ? 神崎:おおー! 面白いな。 マルセル:ではこう言いましょう。「現在ランス駅のセキュリティは手薄だ。多少揉め事があったにしても、後には引かぬだろう。2つ約束をしろ。1つ。お前たち自身以外は壊すな。2つ。後に残る怪我はするな。それだけだ」 神崎:「マルセル。1つ目は守る。2つ目は解らないなー」(笑) 勇人:あれ? おかしなこと言い出した、この人。何、マジになってるのかな? マキシム:「マルセルとやら。俺も、手加減という言葉を知らないんでな」(一同爆笑) 勇人:今、手加減って言葉、使ったよね? 知ってるよね? マルセル:嵐王寺に向けて、「ランオウジ。何かあれば、後始末は頼む。俺も手伝うよ」 勇人:「解りました。脱出経路だけは確保しておきます」とりあえず僕は、2人の顔を見て、やるんですね? やるんですね? あー、お金にもならないのに(笑)。むしろこれをただでやるのは、僕としてはすごい、機会損失だと思うんですけど。 GM:この人は、金を取って見世物にしたいと思ってるからね。 神崎:全くそれを気にせずに、「ところで、マキシミリアン殿。得物は、何を?」と言って、「俺はこの妖刀を」 勇人:本気じゃねぇか(笑)。手合わせなんだから、抜かなくていいじゃん! 神崎:いや! だって、バーバリアンだからマキシミリアン卿とは言わないんだけどさ、高名たるマキシミリアン殿と、手合わせを願えるのだとしたら、下手に手を抜くのは、無粋なんで。 勇人:それは確かにそうですね。で、どっちも本気を出すってことになると、あー!(ため息) GM:大丈夫。1ラウンドで止めますので。 勇人:「ではマルセル卿。ジャッジをお願いしたい。僕は武道というか、荒事に関しては嗜みがございませんので」 マルセル:「武道? 違うな。この2人のやりとりは、ただのコミュニケーションだ。この、ユーロ硬貨が落ちたら始めろ」って言って、ぴん!
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