Eternal Smile > Pandora's Box
 

 
TORG往復書簡リプレイ

『Pandora's Box』

第一幕

 
シーン2

 
GM:約3時間の旅の末、タクシーはランス市内に入りました。道には路面電車(トラム)が走っています。ナオミはなおも続けます。

ナオミ:「実験結果が再現できないなんて、それは世界が悪いのよ。フランスはニッポンよりも技術が進んでると聞いたわ。フランスなら再現できるはず。だから私はここに来たの」

GM:あなたはミラーと運転手の方に注意を払うと宣言してくれていたので、運転手がタクシーをジャックイン(思考制御)で操縦し、同時に携帯電話で通話していることに気づきます。

球太郎:む? 運ちゃんの通話の内容を聞き取り、不穏当な内容なら彼女を抱えてハリウッドばりにドアを蹴破って脱出します! ああ、こんな時“アイデア”カードがあれば、一発で怪しいか判るのになあ!

GM:“ロマンス”発動中なので気づいていいです。あなたは、ナオミがサイバー教会に騙されているという確信を持ちました。そして、運転手が「サイバー教会へ自分たちのことを通報している」気がしました。

球太郎:“ロマンス”発動感謝です! 亡きフレディ姐さんの魅力が叩き込まれてるおかげで、年上好きなのかもしれません(笑)。勿論、苦ーい失恋も大好物です! 余談ですが、球太郎からの呼称は「ナオミさん」で。さらりと下の名前呼びですが。

GM:ひとつ質問です。あなたは、ナオミに自分がストームナイトだと名乗りますか?

球太郎:ストームナイトと名乗るのは、戦闘など目の前で力を初めて振るったタイミングで、と考えてます。「ナオミさん、それってもしかして・・・」『騙されてるんじゃ?』と口にしようとしたところで、運転手の動きに気づき会話が止まる、という描写を希望です。

GM:了解です。ドアを蹴破って飛び降りるなら、運転手の怒号が響きます。「おいっ! 金はどうした!」

球太郎:(ちっ、迂闊だった! ニッポンのリアリティ丸出しでウロチョロしてたら、そりゃ通報されるわな)迷わずドアを蹴破ります。そして、ナオミさんの手を引いて走りながら、野球ボールに多めの札をはっつけて、肩越しにタクシーに投げ入れます。
 

 無賃乗車を回避し、路面電車の合間をぬって走りに走る。
 タクシーから充分に距離を取り、球太郎とナオミが一息ついたその場所は、
 ノートルダム大聖堂にほど近いロワイヤル広場、ルイ15世の像の横だった。
 

GM:至るところに、公衆端末が設置されています。街頭モニターにはサイバー教皇ジャン・マルロー1世の演説の様子が映り、異端者を見つけたら通報してくださいとアナウンスが流れています。

球太郎:もう大丈夫だろう、と一息ついた時に、繋いだ手に気づき、真っ赤になって「すっ、すんませんっ!」と慌てて手を離します。「け、けど、しばらくは、俺から離れないでください。サイバー教会に入ってねえってだけで、異端者とか言って通報されるみてーだし・・・危険っすから」

ナオミ:「異端者とか危険だとか、それ、どういうこと?」

球太郎:ポシビリティ戦争のそもそもから説明しようとするが、拙速にすぎてうまく伝えられません。「あの、ですね。そもそも、フランスのなんとかアカデミーってのに、ニッポンの科学者が推薦されること自体おかしいんっすよ! だって、フランスはサイバー教皇領ってのに占領されてて、ニッポン人は勿論、他の国の人は排斥されてるし、見つかったらどんな目に遭うかわからないっす!」この辺、認識が誤ってたらご指摘をお願いしたいです。訂正しますので。

GM:幾分誇張した表現かもしれませんが、大体合ってます。通報された理由は、ナオミがクローン技術について話していたからです。罪深き肉体をサイバーウェアへ置き換えましょう、というのが、サイバー教会の教義です。クローン技術は、彼らにとって異端の技です。

ナオミ:「そんなことより、私の荷物! 研究成果が入ってるのよ!」

球太郎:「えっ? ナオミさん、荷物持ってきてなかったんすか!?」

ナオミ:「後ろのトランクに積んであるのに、どうやって持って降りられたって言うの! まったくもう!」

球太郎:己の軽率を恥じ、がっくり肩を落とします。この世の終わりみたいな表情で、「すんません、大事な研究成果を・・・。ほんっと、すんません・・・」幸い、運転者証を見て、タクシー会社と連絡先は覚えたので、最悪、通報の危険を冒しても荷物を取り戻すつもりです。

GM:後で思い出しますが、芹奈さんはあなたに偽造身分証明書を渡しています。タクシー会社に連絡する時、役に立つでしょう。荷物を早めに取り戻すことは、とても重要です。ナオミの研究成果は、「敵に渡したらまずいもの」なのです。

球太郎:偽造身分証はありがたいですね♪ でもまずは、これからどうするか決めないと。ナオミさんの目的地まで護衛すべきか。騙されてるのは明白なのに、のこのこ行っていいのか。

GM:(にやにや)

球太郎:大体、危険な任務中の自分が連れ歩く方が危険なのではないか。安全なところに連れていくべきではないか。しかしそもそも安全なところなんてあるのか? と、しばし途方にくれます。その間も、周囲を警戒しときます!

GM:お、鋭い。あなたは、モニターのひとつから、何者かが〈顕現〉(*2)しつつあることに気づきます。

球太郎:「どういうことって・・・つまり、こういうことっす! 逃げますよ!」またナオミさんの手を引いて走ります。増援が来て囲まれた、など、逃げられなかった場合は、背後に回られないよう壁を背にして、ナオミさんをかばうように立ちます。

GM:では、ノートルダム大聖堂の壁伝いに逃げて、教会警察に回り込まれて包囲されたことにしましょう。そして、背に翼持つ、メカニカルな外見の天使が、あなたの前に進み出ます。
 

「ナオミさん、俺から離れないで。・・・守りますから」
 

球太郎:天使を睨み付け、スポーツバッグからバットをすらりと取りだし、バッティングフォームをとり、リアリティ・バブルを張ります。肉体からそれまで見られなかった気迫がみなぎり、目には、一昔前の野球漫画的な炎が灯ります。ここでナオミさんが「あなた一体・・・何者なの!?」という風に訊いてくれたら、ベストです!

GM:了解です。戦闘態勢に入ったあなたを見て、「貴方、いったい・・・」

球太郎:決然と名乗りを上げます。「俺は野原球太郎・・・ストームナイトだ!!」

 
NEXT → 初回の攻防。死球をものともせず、球太郎はバットを振り抜く……
 


PREVIOUS

back to Replay Library

back to Eternal Smile


"Eternal Smile" Since 2002.02.02
Copyright (C) 2002-2020 Charmy. All Rights Reserved.

E-mail:charmy_s@mac.com