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第二幕

 
シーン６

 
マルセル：「神の救護院に駐在の教会警察は２０名程度。加えて、病院騎士（ホスピタラー）と呼ばれるエリートが数名。しかし、その全てが正門の制圧に回るとは限らない」

ＧＭ：基本的には野原の作戦案に賛成だが、と前置きし、マルセルは懸念材料をあなたに伝えます。

マルセル：「ジャックインを開始したら、俺は全くの無防備状態になる。この作戦を取る場合、野原、お前に俺の身を守ってもらうことになる。俺はお前の頑強さも、精神の強さも充分理解している。それでもなお、お前ひとりに背負わせるのは心苦しい」

球太郎：これ、先生もデレてくれてるよーに見えますが気のせいでつかっ！？　こりゃもう、やる気マックスですよ！「先生！　俺だって前衛系のストームナイトっすよ！　特殊技能担当を体張って守るって、トーゼンじゃないすかっ！」

ＧＭ：デレたというよりは、球太郎の若さ、魂の眩しさに触れて、「こいつの物語を見届けたい」と思ったのだと解釈しています。

球太郎：男ツンデレ道としては、厳しい→認めた、イコール、ツン→デレと広すぎる解釈をしておりますので（笑）。「俺じゃあ頼りないかなとも思うけど・・・先生はそう思ってないってわかったら、パワー沸いてきたっす！　先生には指一本触れさせませんぜ！」

マルセル：「では、お前の言葉に甘えさせてもらう。俺にも、個人的に’その場所’を訪れたい理由がある。覚悟はいいな、野原」

球太郎：力強く頷き、目に炎が灯ります！

ナオミ：「ねえ野原くん。神の救護院に押し入るのって、傍から見れば、テロリストの襲撃とあまり変わらないわよね。大義名分は立つの？　きちんと根回ししておかないと、サイバー教会に、良いように利用されて終わりじゃない？」

球太郎：「勿論すよ！　このメモリで目覚めさせる１００人は教会に不当に捕らわれてるんすから。大義名分は、ありまぁす！」例の会見の「ありまぁす！」を口真似して、少しおどけて緊張をほぐそうとします。

ＧＭ：（笑）

球太郎：「そもそも、前回先生たちが助け出した魂の肉体を奪還するミッションなんです。前回の経緯を表明すれば、テロリストなんて思われないんじゃないすか？」

ナオミ：「ならいいんだけど」

球太郎：「そういえば、前回のビズでも教会のネットにカチコミかけたんですよね。そん時は、何か根回しとかしたんすか？」

マルセル：「俺たちは、ある女の手引きでゴッドネットに入り、地獄の蓋を開けて、１００人の魂を連れ出した。その際、教会からたっぷり追われたが、すぐニッポンへ向かったため、後の経緯はわからない。大方、この地方には悪名が轟いているのだろう」

ディアン：「悪名・・・」
 

　ディアンの声が抗議の色を帯びる。
　善いことを為したのに、正当な評価を得られないばかりか、
　サイバー教会に悪用されているかもしれないという現実に、ナオミも表情を険しくする。
 

マルセル：「では、野原にレジスタンスを鼓舞する演説を頼むのはどうだ」

球太郎：「えっ！　俺！？　俺でいいんすか？　やります！　口は上手くないけど、やる気だけは伝えてみるっす！」

ＧＭ：マルセルはどことなく愉しそうな表情でサイバーデッキのキーを叩き、インカムを差し出します。

マルセル：「準備ができた。１分だ。１分で終わらせろ。いいな」

球太郎：インカムを渡され、すうと息を吸い込みます。「ニッポンから来たストームナイト、野原球太郎です！　サイバー教会に不当に捕らわれている人たちがいます。彼らを助けたい！　また、皆さんも大切な人が捕らわれてると聞きます。一緒に助けに行こう！」
 

　球太郎の演説を追いかけるように、
　マルセルのサイバーデッキから、『民衆を導く自由の女神』の画像が送信される。
 

球太郎：「俺たちストームナイトが旗を振る！　みんな、ついてきてくれ！　そして希望の絵を完成させよう！　助けを求める人は、いつか必ず助かるという希望を、俺たちの手で伝えよう！！」拳を力強く振り上げたところで・・・ジャスト・１分です。

ＧＭ：集結したレジスタンスにただ声を掛けるだけなら、拡声器で充分。何故サイバーデッキを使ったのかというと・・・。

マルセル：「教会の広報チャンネル、聖ビジョンを１分間クラックした。この地方の全ての家庭に、お前の言葉が届いているはずだ」

球太郎：すげえ！　さすが！　情報戦とはこういうものかと感心します。

ナオミ：「ドラクロワの絵まで出して、言いたい放題だったから、きっと向こうはカンカンね」

ＧＭ：マルセルもナオミも、してやったりという笑みを浮かべています。直後、神の救護院に、サイレンが鳴り響きます。職員や教会警察が、コンクリートブロックを積んでバリケードを築こうとしています。

球太郎：鳴り響くサイレンに、気を引き締めるというより、むしろやる気を掻き立てられます。「さあ！　先輩方！　レジスタンスの各々がた！」
 

　そして、俺の勝利の女神よ・・・と心の中でそっと付け加えて、

「試合開始だ（プレイボール）！！」
 

ＧＭ：いよいよクライマックスです。カード調整をどうぞ。何でも３枚持ってっていいですよ。

球太郎：「奮起・計画・計画」など色々考えましたが、“ドラマ”、“敵方失敗”、“偉業”、この清き一票、いや三票をいただけるなら、つまらない使い方は決してしないとお約束いたします！（選挙演説か）

ＧＭ：カードのチョイス了解です。“敵方失敗”がしっかり入っているあたり、さすがだと思いました。“奮起”（＊１０）と“計画”２枚でもＯＫは出したけど、見せ場宣言は一幕に１回しかできないから、使いどころが難しいよ、とアドバイスするところでした。

球太郎：ありがとうございます！　現在の手札は“モノローグ”、“ドラマ”、“敵方失敗”、“偉業”です。

 
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