Eternal Smile > Pandora's Box
 

　限りなく今に近い未来………
　今夜、あるいは明朝、さもなければ来週……ほんの少しだけ未来の物語
 

Prologue

 
　野原球太郎くん、というストームナイトがおります。

　キャラクタークラスはコアアースの運動家（ルビ：アスリート）。デビュー戦は約１０年前のトーグオンリーコン。甲子園でも大活躍の野球馬鹿、もとい、スーパー高校球児だった彼は、とある事件をきっかけに超越。金輪の息が掛かったプロ球団からのスカウトを蹴り、自分のプレイで人々に希望を取り戻してもらうことを目指して、世界へ飛び出していきました。

　が、憧れの大リーグはリビングランドの侵略によって休止状態。紆余曲折の末、エジプトに渡った彼は、探偵事務所の一員となり、兄貴分との出会いと、尊敬する女性との悲しい別れを同時に経験しました。その顛末は、リプレイ『星辰の王』で語られています。
 

　２０１４年の晩秋、球太郎のプレイヤーさんに、お誕生日おめでとうメールを送ったところ、こんな返事が来ました。
『今、欲しい誕生日プレゼントは、しゃあみさんの希望に満ちたシナリオでＰＣ１を演じる権利です。叶わぬ願いですが、言うだけタダです（笑）』

　私はこう答えました。
『それならシミュレーションしてみましょうか。
　あなた（球太郎）はフランスへ向かおうとしています。目的は、サイバー教会に囚われた１００人の肉体を見つけ、助け出すことです』

　当時私は、『Pandora』のセッションを終えたばかりでした。プレイヤーさんが違えば、ＮＰＣへのアプローチも違ってくるはずだから、別の展開のPandoraを楽しむことができるんじゃないか。そう思って、初期情報を書いて送りました。冗談半分、本気半分でした。

　プレイヤーさんからの反応は、私の予想をはるかに超えたものでした。情景を思い浮かべて、まさに球太郎として返事してくださったのです。すごく嬉しかったので、最後まで続けてみたいな、と思いました。
 

　３週間にわたるメールのやりとりで紡ぎ上げた、『もうひとつのPandora』をお楽しみください。
　なお、プレイヤーさんの了承を得て、会話のやりとり風に編集させてもらっています。また、ダイスやカードの使用は困難なため、そこの部分は「言ったもん勝ち」。判定には全て成功したものとして進めています。

 
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