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TORGリプレイ

『RELIVE』

 

第三幕

 
シーン5 The truth is beneath the sea
 

黒服2人を無事に撃退したものの、ユキの表情は冴えない。
そしてストームナイトも、難しい選択を迫られていた。
この後ユキをどうするか。また、部族の安全をどうやって守るか。
 

GM:ユキはちょっと、考え込んでいる様子です。

ディオルド:族長の私には、部族を守る義務があるけれども、その族長が狙われて、皆が危険にさらされているのでは、本末転倒ではないのかな。どうしよう、どうしよう。

GM:そう、そのレベル。ここにいて、迎撃し続けることはできるけど、それでいいのだろうか、と。

ディオルド:私ここにいる、皆安全。敵来る、皆危険。私出て行く、安全だけど、皆危険。

大悟:ユキはここから離れたくないわけですよね。

GM:はい。要するに、離れていいものかどうか、悩んでいる。

大悟:いい手があります。彼女の髪の毛を一房持って、「誰か、ナイフか何か貸してくれ」

GM:それだったら、何をするつもりか言ってもらわないと、彼女は抵抗しちゃうんで。

大悟:「要するに、きみを狙う忍者どもが来ないように手を打てばいい。我々はその手段を持っている」

GM/ユキ:「もし知恵があるのならおしえてくれ。忍者がやってきて、わたしがいない間に、わたしの部族の弱いものを、人質にした場合、わたしは、うまく抗するすべを持っていないから」

大悟:「ここにきみがいないという証拠を、連中に見せてやるんだ。そのためには、今、きみの髪の毛を一房もらいたい。持って帰って、死んだと報告すればいい」

GM/ユキ:「やつらが、わたしは死んだものとおもってくれるのであれば、髪ぐらい、差し出すのは、かまわないが」

大悟:では、他の4人に向かって、「これでどうかな?」と問いかけます。「我々は、ユキの生死を確認するために来ている。間もなく、さっきの奴等の比ではない、本当の敵が来る。そいつらさえいなくなれば、皆、我々の報告を信用するしかない」

ディ:「それは、あやめにも、嘘をつくということか?」

マッコイ:(笑)痛いなー。

シオン:「まあ待て。嘘をつくわけじゃあない。ニッポンテックの雪は死んだ。ここにいるのは、リビングランドの、しかも族長のユキだ」

大悟:そうそうそう! ミサキ族の、族長のユキ。

シオン:「三崎雪はアメリカに入った時に死んだんだ」

ディ:「嘘をつくのは、名誉に反することだ。何故、ユキが、リビングランドで、部族の長になったと、伝えてはいけないんだ?」

GM:今、ものすごくでっかい大命題にぶち当たりましたね。報告できるけど、報告するのがすごく躊躇われる内容だった、っていう(笑)。

大悟:「伝えるのは構わんさ。だが結果として、どれだけの人間が不幸になると思う? ディアン。きみが嘘をつく必要はない。ただ、黙って見ているだけでいい」

GM:それはあの、見逃すのもまずいことはまずいんです。

シオン:沈黙による嘘ってダメなんだよね、確かね。

GM:俺が悪いことするから、お前黙ってて、っていう話だから。悪いことする時に、自分を庇うのは、そもそも恥。

ディオルド:「経緯は違うが、私もディと同じ意見だ。何故かというと、ユキは、今でこそこうだが、もしかして、何かの拍子で元に戻るかもしれない。その時に甦るであろう『記憶』、それこそを奴等は狙っているんだ。すなわち、我々がいくら虚偽の報告をしようと、奴等は、必ずそれを突き止めて、ユキに、その秘密を公開することを迫るだろう」

マッコイ:「だったら、あやめ本人にだけは真実を伝えるという手もある」

大悟:「あやめは、果たして本当のことを言っているのかな?」

GM:そこはもう、キャラクターのスタンス次第です。疑い出すときりがないというレベルに突入するので。

ディオルド:真実や善悪を超えたところから発生しているような、今回の事件だけれども、我々の、ユキに幸せになってほしい、幸せを掴んでほしいという想いは一緒の筈だ。ならば、模索しよう。もっと他にいい方法がないかを。“アイデア”カードを使ってな!(笑)

GM:なるほど。それだったら、マスターも6人目のプレイヤーとして頑張りますか。

マッコイ:是非。

シオン:「ユキはどう思う?」(笑)

GM:ユキは、みんなと一緒に日本に行くのもやぶさかではないんですが、やっぱり自分の責任というものに対して、無関心ではいられないそうです。だから、例えば“知人”カードを使って、彼女の代わりに部族を守ってくれる人を呼べば、ここを離れることは可能になります。そうしてから、敵が単純に黒服とエージェントの2つあったとして、その両方に、ユキは死んだと思わせるなり、そいつらを叩き潰すなり、っていう話になります。

ディ:エージェントとは、今、共闘を結んでるのではなかったか?

GM:ここのエージェントとは一時休戦してるけど、エージェントの上層部は別に関係ないので。

ディ:なるほど。

シオン:“知人”を使うのは、別に構わない。えーとね、クイン・セバスチャン(*23)呼ぶのはどうかな?

ディ:クイン・セバスチャンか。前にも会ったことがあるし、いいと思う。

ディオルド:とりあえず、当面の時間稼ぎ的に、クイン・セバスチャンに、ここを一時守ってもらって、ユキを連れて、いったん日本に帰るか。我々の依頼人であるあやめにも、ニッポンテックの方々にも、彼女がどういう状況かという真実を叩きつけて、その上で判断していただいて、もし彼女を消すっていうんだったら徹底抗戦の構えで。

大悟:ただ、ニッポンテックのことだから、思い出させるために、いきなりストーム戦闘(*24)って可能性もあるんだよね。

シオン:でもね、そこまで派手にやると、目立つんじゃないかな。

GM:まあ、追いつめられない限り、やらないッスよ。

ディオルド:あと、これは当てずっぽうなんだけど、実は金輪龍一が彼女を消そうとしてるんじゃないか。御三家に後継者がいるっていう時点で・・・。

シオン:彼にとっては邪魔なんだ。

ディオルド:そう。で、我々が連れて帰ったところを、襲撃して、テロリストどもに暗殺されちゃいましたよ、って公表しちゃえば問題ないわけだから。

GM:ただ、彼女は御三家の隠し子であって、公式に知られてるわけじゃないから、そのまま闇から闇へ葬られるっていう可能性は、当然あると思います。

マッコイ:そうなんだよな。

GM:あとは、あやめがユキの身柄の確保を問題にしていたってことは、彼女の中に、秘密がある、ということかもしれません。

ディ:「そうだ。ユキは、三崎雪という名前で、学園にいた。本当の名前は何だ?」

GM/ユキ:「わたしの戸籍上の名前は、ミサキ・ユキのはずだ」

ディ:「では・・・」

GM/ユキ:「わたしの本当の父親の名前はしらない。わたしの母のもとに、たまにくる男が、父だといっていた」

ディ:「どんな男だ?」

GM:すごく寂しそうな顔をして、「わからない。ただ、いちど抱いてもらったおぼえがある。・・・ああ、父親というのは、こういうものなのか、とその時おぼえた」

一同:・・・・・。

GM/ユキ:「別にかなしい話ではないぞ。気にするな。人にはいろんな事情があるものだ」

 
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