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TORGリプレイ

『RESCUE』

 

第一幕

 
シーン4 A Real Manace

 
再び、リッダルホルメン教会上空。
シュアの操る輸送ヘリの背後に、先刻のチュートン・ドラゴンが迫る。
 

シュア:チュートン・ドラゴンが来るのは計算済み。問題ない。僕は単純に、下にいるストームナイトの人たちを、拾って帰るだけ。

GM:拾うのであれば、〈航空機操縦〉で、着陸してください。

シュア:まず、ドラゴンを何とかしてからですね。乗るの待ってる間にブレス吐かれたら、僕たち死んじゃうんで(笑)。

GM:そうですね。

シュア:では、ドラゴンに対して、〈間合い〉を仕掛けます。出目が良ければプレイヤーズコールを狙う。(コロコロ)振り足し。

マキシム:さすが!

セバス:やったねー。

シュア:ポシビリティを使います。

GM:打ち消します。

シュア:まぁいい。達成値30!

GM:わ、すごいな。プレイヤーズコール。何をしたいですか?

シュア:そうですね、完全にきりもみさせて、墜落死させます。自重で首の骨が折れちゃった、って形ですね。

GM:ではシュアは、ドラゴンの横を通った時に、〈発見〉振ってください。

シュア:(コロコロ)低っ。“警戒”使います。

GM:了解です。誰かが、ドラゴンの背に乗っていました。

シュア:ああー! しまった。なるほどね。

闇影:ドラゴン単体で来るとは限らないもんな。

シュア:チュートン・ドラゴンは知性高いんで、単独行動は全然あると思ったけど。それはちょっとやられたな。叙述トリック的な感じでしたね。

GM:すまんです。そして、悪役側の行動ですが、死んだはずのドラゴンが、動く、よ。

マキシム:ん?

シュア:ドラゴンが動く? はいはいはい。

闇影:死霊術によるものか。

GM:隣には、墜落する前に飛び降りた、立派な鎧のヴァイキングの姿が見えます。

セバス:へぇー、ヴァイキングなのにドラゴンライダーなんているんだ。

闇影:いるんですよ。ひとり。

シュア:あのー、マスター。有名人な感じするんですけど、知ってていいッスかね?

マキシム:俺はそのヴァイキングに嫌な予感がするんだけど。全員揃ってない状態で、逢っちゃいけないんじゃないか。

シュア:多分知ってると思うから、一応確認なんですけど。ただの確認作業なんですけどね。

GM:うん。知ってるんじゃないかな。

シュア:(天を仰いで)あー、ユーソリオンだ!

マキシム:そうだと思った。
 

強力な死霊術師にして、アイルの元ハイロード、アンガー・ユーソリオン。
マキシムとディアンにとって、因縁浅からぬ相手が、ヘリに真っ直ぐ視線を注いでいる。
 

シュア:ん! 覚悟は決まった。ユーソリオンがいて、倒したと思ったドラゴンが動いた。今しかない、“緊急行動”! 相手は魔法を使ったから、行動が終わっている!

闇影:うん、行動してるね。

シュア:ユーソリオンに対して〈間合い〉を・・・いや、それよりも、拡声器で下の人たちに「ロープ掴んで乗ってくれ!」って呼び掛けて、ロープを何本か投げて、そのまま、掴んでもらって回収します。

GM:ふむふむ。このラウンドは、ロープを掴んでもらう、までですね。

闇影:降りるのも一行動だから、〈間合い〉して、“緊急行動”で降りて、呼び掛ける、で終わりでしょうね。

シュア:解りました。次のラウンドが勝負だな。

GM:場札めくりますよ。悪役先攻、ヒーローは、後攻。

シュア:まぁ、厳しいが何とかなるだろう。

GM:では敵側いきます。チュートン・ドラゴンは、ブレス。

闇影:復活したチュートン・ドラゴン。首が変な方向に曲がってる。

シュア:目が死んでる(笑)。

GM:(コロコロ)低すぎて当たらない。っていうか、動いていない目標を外すって、どういうこと?

マキシム:単純に、さっき首を直撃して、ひん曲がったからじゃない?

闇影:あと、ヘリコプターのホバリングっていうのは、完全停止じゃなくて、常に上下にゆっくり移動してるんですよ。

GM:なるほど。

シュア:よしよし! 当たらなければどうということはない! ストームナイトのヘリは化け物か、とか言わしてやるぜ!

GM:ユーソリオンですが、ここにいるのはシュアだけなので、シュアを〈威圧〉します。

シュア:うわー。ありがとうございます。ユーソリオン卿のご指名をいただけるとは。

マキシム:やっべぇ。シュア、いきなりタイマンかよ。

シュア:ストームナイトがハイロードに睨まれたぐらいでびびってたら話になんないッスよ。

GM:では・・・「よくも俺のキャレドン(*9)を殺ってくれたな?」

闇影:やっぱりキャレドンかい!

GM:(コロコロ)20!(コロコロ)ポシビリティ使う。

シュア:消します!

闇影:なんでいきなり目が良くなるんですか? 殺る気になった途端に。

GM:知らなーい。〈威圧〉43。

マキシム:うわーっ!

シュア:馬っ鹿じゃないの?(笑)どうすっかな。43か。

GM:マスターとしては、プレイヤーズコールで今すぐここから飛び去ってほしいだけです。墜落死はさせないです。まだ第一幕だから。使命も何も忘れて、逃げ帰ってくれればそれでいいです。

シュア:ほうー。なるほどねー。心を折りにきたか。

闇影:ホラーの常套手段だよな。とりあえず逃がしておいて、じわじわじわじわ、真綿で首を絞めるかのごとく。

シュア:前のラウンドで、乗ってくれって呼び掛けをしたから、下の人たちはヘリの方に寄ってきてくれてるんですよね?

GM:はい。ですが恐怖のあまり、誰も乗らないうちに飛び去ります。というのが、プレイヤーズコールの内容です。

シュア:・・・・・。

マキシム:相手の強さが、びしっと判ったね、今。40いくつの〈威圧〉が飛んでくるんだぞ、みたいな。

セバス:俺でも抵抗できないぞ、多分。

シュア:積極防御します。(コロコロ)ダブル。

GM:お!

シュア:(コロコロ)36。ポシビリティを使います。

GM:どうぞ。

シュア:(コロコロ)50。僕はこういう時に絶対負けたくない! “ドラマ”を使います。(コロコロ)もう1枚“ドラマ”。(コロコロ)ダブル!

セバス:おおー。ここで出すか!

マキシム:マジで?

シュア:はい。(コロコロ)出目合計は96! +23で、33。

GM:10差。逆転負けまで下がりました。

シュア:少なくともプレイヤーズコールだけは、やりません! 目の前に助けられる人たちがいて、見過ごして、置いていくのは絶対にイヤです!

セバス:ほうー。

シュア:僕は人や生命やら、そういうのを守って運ぶのが仕事です。ディのことは、もう列車で脱出したと思ってるし、わかんないことだから意地の張りようもないけど、ここで負けちゃうと。

マキシム:そうだね。見捨てることになっちゃうから。

闇影:運び屋の意地だね。

GM:解りました。では、同じ逃げ出すでも、目の前の人たちが、全員乗るまで待ってから、にしましょう。

シュア:乗った瞬間、扉が締まりきる前に動くよ! 全力逃亡!(笑)うん、そこは全く、僕は抵抗しないよ!

闇影:この逆転負けは、あれだね、逃げたいのをどこまで我慢できるか、チキンレース。

シュア:きゃー、怖いわー! っていうかさっき、超頑張って首を折ったのは、超有名NPCが乗ってるキャレドンだった! 生きて帰れば大殊勲だよ、俺! でも心の中では、くそっ、ユーソリオン、覚えてろよー!

GM:ということで、第一幕終了です。今回のシナリオタイトルは、『RESCUE』です。

シュア:よしっ! ありがとうシュア! よく応えてくれた!

 
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