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TORGリプレイ

『RESCUE』

 

第二幕

 
シーン1 The Prisoner

 
GM:では第二幕、始めさせていただきます。舞台はイギリス・オックスフォードです。「陛下、こんなものが!」と言って、渡された書状を、ペラ・アーディネイ女王が受け取ります(封筒を出す)。

セバス:お、小道具か。

GM:封蝋には、交差した骨の紋章。封筒を開けると、突風が吹き、彼女の金色の髪が、はらはらと何筋か舞います。

シュア:カッコいい。

GM:そして、彼女は書状を開き、言葉を失います。皆さんはそこに登場します。

シュア:あの後、「ディがいないんだったら、戻るー!」って騒いで、運ばなきゃいけない人たちがいるから涙をのんで、ぐわーって泣きながら帰ってきました。「あいつまたバカなことしやがって、まったく!」

マキシム:事の次第を説明します。列車に乗って脱出した。それから、結局、ディアンを連れ戻すことができなかった。やっぱりちょっと悔しそうに。

シュア:「女王陛下。個人的にお願いしたいことがひとつあるんで、よろしいですか? もし許されるのであれば、ディは、多分生きていると思うんで、僕はすぐにでも彼を回収しに行きたいと思います!」

GM/アーディネイ:「それは、少し待ってください。わたくしのところに、アンガー・ユーソリオンから、書状が届きました」
 

『ディアンとかいうストーマーを預かっている。
 こやつの命が惜しければ、エンドラクの月4日の午後6時(*10)、
 ドラカヌスを持ってリッダルホルメン島へ来い』
 

セバス:「ディアンは、捕まったか」

マキシム:!!

セバス:「ドラカヌスを持って、あの島まで来い、と。陛下。このドラカヌスとは何ですかな?」

闇影:それを聞くと、私は、女王陛下の横に置いてある、漆黒の冠に目をやります。「その、邪悪なる祭器を、持って行く、と?」

GM/アーディネイ:「ドラカヌスとは、このダークネスデバイスの名です。ユーソリオンは、わたくしの身体に憑依した時に、これを使って、地球への橋を築き、今のような、戦いが始まってしまいました」

セバス:おおう! それはヤバいねー。

GM:あと、封筒にはもうひとつ、こんなものが。

シュア:さらに入っている?

GM:ディアンのロザリオです。黒くすすけてます。

セバス:すすけてるのか。ほうー。

シュア:なるほどね。嘘じゃないぞ、と。

マキシム:「あの野郎! ふざけやがって!」逆上して、場をわきまえず怒鳴り声を上げます。「シュア、行くぞ!」

シュア:「うん!」

セバス:それは止めよう。首根っこ掴んで、「落ちつけ!」

闇影:ふと気がつくと、真後ろにいて、「怒鳴ってこの状況が解決するなら、とうの昔に俺も怒鳴っている」

シュア:「確かにね。まぁ、ちっと頭を冷やしますか」

マキシム:でも俺は、怒りを抑えきれないから・・・。

シュア:どうぞどうぞ。当然だと思います。

マキシム:「畜生!」と言って、剣を振りかぶって、ガーン!

シュア:それは止める!(笑)床は堅いと思うけど、天井は怪しいもんだから。

闇影:上からバラバラバラと破片が落ちたところで、「弁償は自腹だぞ?」(笑)

GM:アーディネイ女王は、皆さんが落ち着くのを待って言います。「ユーソリオンに、ドラカヌスを渡すわけにはまいりません」

シュア:「さすがにそれは、論外ですよね」

闇影:「陛下。ドラカヌスのコピーを作っていただきたい。なに、外見だけで充分」

シュア:闇影さん、多分それ、アウトです。アイルの人たちは、武器を隠すことも、人を騙すことも、ダメだから。偽物を持ってくっていうのは、僕らが勝手にやる分にはオッケーだけど、提案して、うんと頷いてくれる人は、誰もいません。

闇影:それは解ってるけど、忍者としては普通に言う。で、断られるんだったら、「ならば仕方がない。それは、持って行けません」

GM/アーディネイ:「皆さんのおっしゃる通りです。・・・わたくしは、彼を見捨てたという汚名をかぶることも、止むなしかと思っています」

闇影:「汚名? 汚名とは言いませんな。ドラカヌスを渡した後のことを考えれば、陛下の選択は間違っておりません」

マキシム:・・・・・。

闇影:「我々は、我々の好き勝手にやらせていただきます。そう、我々の仲間を助けるために。他の皆が駄目だと言うならば、私ひとりで行くだけです」

シュア:「んな、言うわけないじゃないッスか。いくら闇影さんでも、2本の足だけで、ストックホルムに行く気ッスか?」

闇影:いや、二本の足があれば充分。

GM:〈武道〉の奥義習得の試練の中にあるからね。水の上を渡るやつ。

シュア:そっか、水上歩行など、〈武道〉にとっては、練習の段階! おおー、たまらん!(笑)

セバス:なんという胸熱。

シュア:いかん、つ、つい。「女王陛下が、汚名をかぶることはありませんよ。ここは、常に名誉に満ち満ちているべきです。僕たちが頑張って、何とかすればいいことです」

GM/アーディネイ:「では、皆さんは、ユーソリオンと戦う、とおっしゃるのですか?」

シュア:「当然です! あいつには、僕も、貸しがひとつあるんで」

セバス:「そうなりますなぁ」

シュア:なんたって、相手はハイロードですよ? ストームナイトになったからには、もう、やるしかないじゃないですか!

セバス:やったー、スラッチェン(*11)クラスー。

闇影:大丈夫。スラッチェンよりは、まだ弱いから。

シュア:「ってことで、僕は準備があるんで、また改めて。失礼します」

GM/アーディネイ:「お待ちください。わたくしも、彼を救いたいと思います。皆さんが許してくださるならば、わたくしも一緒に行きます」

セバス:行くの?! マジで?

シュア:えっ? えっ、いいんスか? さすがに、えーと、陛下が動かれるのは、ど、どどどど、どうなの。

セバス:それはまずいね。さすがに言うわ。「女王陛下、お待ちください。一番上の者が動く時というのは、真に動かねばならない時のみでございます。ここは、今一度我々に。我々にぃー!」(笑)

闇影:「陛下が出られるのは、ゴーントマンとの決戦の時だけで充分」

シュア:「陛下には、ここで、僕たちの帰りを待っていてもらうというのが、一番、お願いしたいことです、はい」

セバス:そう言いつつ、マキシムへ目配せして、ほら、名誉の騎士、何やってんだよお前。

マキシム:どうするかなー。俺は、アーディネイ女王の気持ちも、汲んじゃったんだよね。みんなは止めてるけど、俺は別に止めなくてもな、と思って。

闇影:ぶっちゃけて言うと、ユーソリオンの前にアーディネイ女王連れてくっていうのは、黄色いくまさん(*12)の前にハチミツ持ってくのと同じです。ドラカヌスって、アーディネイ女王の肉体に合わせて調整されてるから、乗っ取られちゃったら最後だし。

GM:(見抜かれたか)

シュア:単純に、来てもらえれば、戦力的な意味ではそりゃ強いけどね。

マキシム:解った。じゃあ、止める方にまわろう。「女王。あなたが軽々しく動くべきではない。ディアンは、あいつは強い。あいつは、俺たちが助けに行く。その代わり、あいつを助けるための手助けをしてくれ。頼む」

GM/アーディネイ:「・・・解りました。では、わたくしにも、できる限りの贈り物をさせてください。これから、しばらく時間をいただいて、皆さんに守りの呪文を施します」

シュア:ニコッと笑って、「そういう意味での援助は、遠慮せずに受けさせていただきますので、よろしくお願いします! あ、あと、貸与していただけるエタニティ・シャードとか、ないですかね?」(笑)

GM:それを聞くと、トルウィン・タンクレッドが、カツカツと歩いてきて、じっとシュアの顔を見て、「きみは地球の住人だな。私について来てくれ。私から話をするより、きみからの方がよさそうだ」

シュア:「あ、はい、解りました」じゃあ、先に退出しまーす。

セバス:エタニティ・シャードって、何だっけ?

マキシム:マジックアイテムみたいなもんだよ。ポシビリティが入った。

シュア:条件を満たすと、判定は要るんですけど、ポシビリティを何点も引き出せるんですよ。

セバス:ああー、魔晶石?(*13

シュア:みたいなもんです。それがないと、ハイロードにはちょっと太刀打ちできない。

闇影:攻撃力はともかく、防御力が不安だよね。特に精神系。

GM:はい。さっきので解ったと思いますが、1回振り足して達成値43とかいく相手です。

シュア:普通のボス相手みたいに、互いに削り合いとかやってると、間違いなく、力尽きるのは僕たち。

闇影:今はもう、ダークネスデバイスを持ってないんで、使えるポシビリティは1点だけだけど。

GM:因みに、他の世界のハイロードは、ダークネスデバイスの分も合わせて、ポシビリティを一度に2点使えます。

シュア:他のハイロードには、あいつは魔王としてはダメなヤツだ、って言われちゃう。でも僕たちからすると充分魔王です。

セバス:「では、女王陛下。我々も準備がありますから、これで失礼いたします」

マキシム:その前に、ディアンの首飾りは、俺が預かりたいな。

シュア:だね。

マキシム:アーディネイ女王に、「この首飾りは、俺が届ける。ディアンは俺の相棒だからな」と言って、首飾りを自分の首に下げて。

GM:ちょっと待て! オレの、それ、シャロンとお揃い!

セバス:あ、じゃあ、首に下げようとしたら、「・・・それはやめとけ、本当に、やめとけ」(笑)

マキシム:シャロンのなんだ。それはまずいな。手に巻いときましょう。

 
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