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TORGリプレイ

『REWRITE』

 

第三幕

 
シーン5 彼らの選んだ未来
 

GM:止まった時間の中で、あなたたちはアーサーの剣に刺し貫かれ、致命傷を負い、地に倒れ伏します。そして血がだーっと流れて、よく死の寸前に走馬灯的なものが見えたりすると言われてるけど、時間が止まってるんで、それもなく。

:あれだね、身体はもうダメージ受けて死にかけてるんだけれども、時間が動いてないからエネルギーが働いてない。

GM:そうです。ああ、痛くも痒くもないけど、死ぬんだな、というのが解ります。

:このまま多分時間が動いたら、死ぬんだろうなと。

GM:はい。そして、全員が倒れ伏したところで、彼は、謝ろうとするんですけど、「謝って許されることじゃない。でも、僕がうまくいけば、みんなは死なない筈だから」と言って、あなたたちのことを振り返らずに、再び、階段を上っていきます。

ディアン:・・・・・。

GM:いくんですが、彼の姿が見えなくなった途端に、みんなの視界の片隅で、ひょこっと、ジョシュが起き上がります。

ユウイチ:あれ?

GM/????:「ほぉー、こうなったか!」

:・・・えぇーっ?

マキシム:ワケわかんねぇ。

GM:という声がして、身体がガクガクガクって動いたと思ったら、着ている白衣の前を開くと、お腹にドアがあります。鉄腕アトムのお腹みたいなヤツ。パカッと開けます。

:うんうんうん。

GM:そうすると、中から、こんな人が出てきます(ナイル帝国ソースブックの表紙を指差す)。

ユウイチ:誰?

GMDr.メビウスです!

マキシム:えぇぇぇーっ!?

ユウイチ:信じられねえ。

:俺、メビウスと抱き合ってたのかよー!(笑)最悪だよ。まあ、確かに怪しいところは何回かあったんだよね。
 

ナイル帝国ハイロードDr.メビウスは、余裕に満ちた表情で
血の海の中に倒れる5人を見回し、光の上で視線を止める。

「きっと、お前達ストームナイトの意見は、同じなのだろうな。
 代表してお前が伝えただけで。・・・面白い」
 

GM:「では、アーサーではないが、お前達に選択肢をひとつ増やしてやろう。この世界を、リライトしたいか?」とメビウスは、問い掛けます。

ユウイチ:ひとりひとり返事をした方がいいのかね。

リリアン:えっ、喋っていいの?

GM:そうですね、あなたたちは、前より自由がきくようになっています。

ユウイチ:では、おれは一言、「いやだ」

GM/メビウス:「ああ、解っていると思うが、お前達は皆、致命傷だ。時が動き出せば死ぬ。私は助けるつもりなどない。当然だな、お前達は私の敵だからな。そして、もし命乞いをするのであれば、私を面白がらせるぐらいのことは、してくれるよな?」

:・・・しまった、キャラ的に詰んだ!

リリアン:そしたら、埃をパンパンと払いながら、立ち上がってあげましょう。「誰があんたなんかに降伏するって言った? いや、正しくは、を屈服させることなど誰にもできん」と言って、“正体”カード切ってあげよう。

:お!

GM:(興味津々で)どうします?

ディアン:い、今、リリアンが俺と言った。

GM:ああ、判りますよ。

リリアン:「あの坊やが斬ったのは、俺のダミーの姿に過ぎない」と言って、ガバッと(胸パッドを外す)。

一同:うわーーーっ!!(笑)

GM:ブラが、ブラが、ブラがー!

ユウイチ:そう来たか!

GM:ま、まぁいいかー、“正体”カードだから。では、あなただけ、即死ではない、というくらいにしといてください。あなたもやっぱり放っとくと死ぬ。

リリアン:「生憎とストームナイトは、あんたなんかに屈服するほど、弱い存在じゃないんだぜ?」

ディアン:マスター。名誉の法則で、全員に活力を与えます。出血が止まるから、死ぬことはなくなる。

GM:なるほど。では、そう思った瞬間、メビウスがあなたを睨みつけて、「私がそれをお前に許すと思うか?」

ディアン:「許されなくても、やるまでだ」

GM:「ならば死ね」って言うんですけど、みんな判りますよ。本気です。

リリアン:うん。ここで冗談言われた方が、余計腹立つわ。

ディアン:(睨み返す)

ユウイチ:「リリアンもディアンも、まあ待て」と言って止めるしかないでしょう。

リリアン:命が惜しくてストームナイトはやってられないんでねー。

ユウイチ:ま、そうだけどね。ただ、面白い取引ではある、と思ったんだ。

リリアン:マジで?

:「問題はリライトの結果なんだ。書き換えた後の世界が見えてこないと、返事ができない」

GM:であれば、メビウスは言います。「知りたいことは、どうなるか、ということだな。私の計算が確かならば、いや、これ以外ありえないのだが、アーサーは、ポシビリティ戦争が起こる、その瞬間まで戻って、何か妨害工作をするのだろう。つまり、全てが起こらなかったことにする、というのが、彼の狙いだ」

ディアン:「お前にとって、何の得になる?」

GM/メビウス:「私に得があるわけはない。お前達が死んだら、私は彼を殺して、装置を奪い返すだけのことだ。何か問題でもあるか?」

:今回リライトされたとしても、Dr.メビウスには得にならないわけね。・・・ポシビリティ戦争の始まりって、何なの?

GM:正確に言うと、インドネシアに、まずオーロシュのブリッジが降りてきたことから始まるんですけど、既に起きてしまった現象なので、調べる能力さえあれば、どこにブリッジが降りてきて戦争のきっかけになったかは、特定できるんですね。一箇所だけってことはないんですが、準備段階で、全部のブリッジを潰してしまえば、侵攻自体ができなくなるので、そうそう、手が出せなくなります。

一同:・・・・・。

GM/メビウス:「そうすると、この地球は、我々、ポシビリティ略奪者に襲われることもなく、平和な・・・まあ、平和かどうかは知らないが、お前達地球人同士の争いに終始するのだろうな」

:うんうんうん。タイムパラドックス難しいよー!

GM/メビウス:「そして、我々それぞれの世界の人間は、侵攻する手段を失い、しばしの間、遠くからこの宝石のような星を眺めるだけに留まるわけだ」

マキシム:変身キャラクター(*20)たちにとってはさ、元の世界に戻れるってわけだから、すごいオイシい相談だよね。

:え、俺元々テラ出身。

GM/メビウス:「(光へ)だからお前達は、地球に来なかったことになる。ひとり残らず。(マキシムへ)どうだ? 地球人。お前の星が救われるぞ。こんな奴らは元々いなかったのだ。地球人として、平和に生きていけるだろう」

ユウイチ:「確かにな・・・」

 
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