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TORGリプレイ

『REWRITE』

 

第三幕

 
シーン5 彼らの選んだ未来(その2)
 

:「世界の未来よりも、アーサーが取り返したい未来の方が、僕は気になる。もし、奴らが来なかったということになると、相当な勢いで歴史が変わる。だから今こそ僕はアーサーに問いたい。今、ここで戦争を起こらなくしたところで、君の取り戻したい未来は戻ってくるのかい? と」

GM/メビウス:「それをアーサーに言いたければ、お前達は、この死の状況を何とかせねばならないな。この階段を一歩登っただけで、いや、登ることさえできずにお前達は死ぬだろう」

ユウイチ:「要は、あんたにとって面白い状況になれば、見逃そう、ということなんだろう?」

GM/メビウス:「圧倒的に上の立場の人間に対して、弱者がすることは二つだけだ。ひとつは、歓心を買う。もうひとつは、相手を納得させる。どちらかしかない。解るな? そして私はファラオだ。お前達には私を喜ばせる義務がある」

リリアン:「(拍手しながら)はいはい、スーペルスーペル。で? これだから頭の悪い子は嫌いなのよね。どうせならばさ、第三の選択肢ってのがあるだろ? 下の奴らがレボリューションするってのがな」

GM/メビウス:「ほう。だが私はそういった暴力的な手段は好みではない」

リリアン:「当たり前だろ? 好んでたら、お前あっさり潰されるんだからさ、その程度も解らないで物事を語らないでほしいな」

GM/メビウス:「私はお前達の自由意志をなくすこともできるが、そうはしない」

リリアン:「自由意志をなくすも何も、よくもそこまで偉そうな口がきけたもんだよ。この上半身裸の男が」

GM/メビウス:「当然だ。私はファラオだからな!」

リリアン:「覆面にパンツ一丁が偉そうな口きくな」

GM:誰がオルテガ(*21)だ(笑)。

リリアン:と挑発しながら、行けそうなヤツに視線送ってるからね。

ユウイチ:ただ、行けそうったって・・・。

マキシム:致命傷・・・。

GM:全員ちょっと動くと死にそう、っていう状況。奇跡の【ヒーリング】でも使わないと。

ディアン:【ヒーリング】なら、オレ使える。使っていいの?

GM:使うこと自体は止めないけど、使おうとすると、さっきと一緒で、メビウスが邪魔をしますよ。要するに、彼はあなたたちが瀕死の状況にあるということで圧倒的なアドバンテージを得ているので、それを捨てるような真似はしません。単純に、ディアンを殺して、「さあ、ひとり死んだけど、お前達どうする?」って訊くだけです。

リリアン:ま、そりゃそうだわな。

ディアン:(悔しそうな顔)

マキシム:どうするかなー。俺的には、こいつ倒して、傷を回復して進みたいんだけど。

ディアン:おいおいおい、メビウスを倒すって、お前は・・・(苦笑)。

GM:不可能とは言いませんけど、僕はあなたたちを皆殺しにする自信がありますよ(笑)。

マキシム:でも少なくとも、こいつをやり過ごす方法を見つけないと。ちょっと訊きたいんだけど、アーサーがやろうとしてることってのは、メビウスが望んでることと一緒なの?

GM:違います。だから、皆さんとの問答で、新たな展開が見出せなければ、当初の予定通りにアーサーを追いかけて殺すよ、って言ってる。

マキシム:ああ、なるほどなるほど。

GM:要するに、こうやって話をしていること自体、彼の気まぐれです。

ディアン:「書き換えることは、解決にはならない。一度、起こってしまった戦争は、オレたちの、責任で、何とかするしかない」

GM/メビウス:「そうだな」

ディアン:「だから・・・!」

GM/メビウス:「ただ、お前達には、手持ちが何もないだろう。今のお前達は、命すら、賭ける対象ではなくなっている。賭けるものなしで、賭けに参加することはできない」

一同:(沈黙)

GM:ここで言えることは、マスターは理不尽な要求を突きつけているので、悩むのは当然だと思います。その上で、皆さんが、プレイヤーとしてもキャラクターとしても、パーティとしても、後悔しない結論さえ出れば、いいと思います。

ユウイチ:最善なのは、メビウスの干渉を退けて、自分たちの傷を何とか【ヒーリング】で回復して、一気に駆け上がって上を止めることだよね。

リリアン:それをやるためには、このバカを止めることが必要なわけね。

ユウイチ:まず、メビウスに一旦お帰り願うのが先だよね。

GM:手段はともかく、彼が、あなたたちを見逃してくれる、という状況を作り出さないと駄目です。さっきまでの話だと、彼の提案に乗るならば、協力するのもやぶさかではないよ、ぐらいのニュアンスですね。

ディアン:提案に乗る、というのは、アーサーを殺して、装置を奪い返すということ?

GM:首を振ります。「それはお前達が、新たな展開を提案すればいい」

 
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