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TORGリプレイ

『Samurai Overdrive!』

 

第一幕

 
シーン5 誰が為に金は流れる(承前)

 
リリアン:で、参加者はひとりだけ?

ディアン:はっきり言って、オレは、今の話には乗れません。ただし、裏を調べた結果、参加した方がいいと判断したら乗り込みます。

闇影:私も、いざとなったら出る気満々。で、いつの間にかみんなの横に立っています。

ユウイチ:とりあえず、どうするべな。

ディアン:「織田は、ジェイクと言っていた。オレは、ジェイクに会ったことがある(*13)」

闇影:「ジェイクとは、何者なのだ?」

GM:僕のイメージですけど、でっぷり太った、下世話な男。視聴率命で、口を開けば不謹慎なことしか言わないような(笑)。

闇影:「なるほど。この世よりは、あの世に生きる方が似合う奴ということか」

GM:ただ、民衆の支持は高い。面白いから。

闇影:民衆の支持? ふん。民衆の支持のために、己の品性やら何やらを捨て去るというのは、そこら辺にいる下劣な政治家と変わらん。

リリアン:「はいはい。わかったから、とりあえず、飛行機に戻ってから話をしましょうか?」ってウインクしてあげよう。

ユウイチ:そうだね。

闇影:で、私はマキシムの肩をぽんと叩いて、「安心しろ。いざという時には、後ろには俺がいる。背中は任せておけ」

リリアン:「卑怯なことしちゃダメよ?」って言って、こう、トコトコ横を歩いていってあげよう。

闇影:え? ナイルの忍者が卑怯なことするわけないじゃないですか! 正々堂々現れて、「義によって助太刀いたす!」って言うだけだから(笑)。

ディアン:あれ?

闇影:だって、一対一で勝てない相手と戦わされているのを、助太刀するのは、卑怯じゃないから。きっと武道家じゃないもん、そういう時の相手は!

GM:その通りでーす。

リリアン:「まったく、もう。どこで何聞かれてるか(*14)、わからないのよ?」

闇影:「ふん、聞かれようと聞かれまいと、我に裏表なし!」(笑)

GM:それがダメなんだっつーの!

ユウイチ:いや、それって忍者としてどうよ?

GM:ナイル忍者だから!

ユウイチ:駄目だ、ジャパニメーションニンジャは、ホントに!
 

「マキシミリアン。何故、この話を請けた?」
 盗聴される危険のない、ユウイチの飛行機の中。抑えた口調で、ディアンはマキシムに尋ねる。
 

ディアン:オレは、マキシミリアンが、御前試合に乗ったことに、全く納得がいってない。命のやり取りをするって時点で、オレはもう大反対なので。

リリアン:お茶淹れてる。こぽこぽ。

GM:ソレイユが、「す、すごいですよ、みなさん。さいしんがたです!」

闇影:「ほう! 冷蔵庫の中で勝手に氷が!」(笑)

ディアン:今までどんだけローテクだったんだよ!

闇影:だって、私の技術アクシオム21だよ。氷入れる冷蔵庫ぐらいしか知らない。

マキシム:じゃあ、ディアンに答えます。「来る時にもみんなに言ったが、俺は、ニッポンを侵略している奴らが、この件に絡んでるんじゃないかと思ってる。御前試合の話も、どこか胡散臭い。俺は試合に出て、『奴』が何を考えてるのか、知りたいんだ。できることなら、試合の裏を暴いて、ニッポンを侵略から取り返すための、足がかりとしたい」

ディアン:「カナワ殿を疑っているのか」

マキシム:・・・・・。

ディアン:「何故だ。カナワ殿は、アイルの政府に、援助をしてくれた。オレは、マキシミリアン、お前の行動が、お前の名誉を損なうことにならないか、心配だ」

GM:そうですね。みんな、金輪龍一をすごくいい人だと思ってる。特に3人は、明らかに信奉者になるレベルで〈魅了〉されてるから、「何言ってんのお前?」って空気なわけですよ。

ユウイチ:んー、でも逆に、長いこと一緒にいた仲間が、そんな風に不審がってたら、今のでおれ、冷静になるんじゃないかなと思う。

GM:難しいところですね。例えば、あなたが「この人のためだったら命賭けてもいい!」って信じてる相手がいるとします。それに対して、あなたの友達が、「あいつは怪しい!」って言ってるわけですよ。どう思います?

ディアン:もうちょっと決め手がないと、疑うまではいかないかもね。

GM:勿論、人にもよると思うんですけど、「お前、何言ってるんだよ? あの人の良さが解らないのか!」っていうのは、結構自然じゃないッスか?

闇影:私も言いましょう。「隠されたものを、無理に暴くと、それなりの代償を支払わざるを得ないぞ」

リリアン:つまり忍者の隠形を見破ったら、はなまるパンツだったとか。

闇影:見ぃーたーなー!(笑)

GM:この状況は、マスターがちょっと意地悪してる部分で、ひとりだけ真実にたどり着いてるけど、誰にも信じてもらえないんですよ、今。

ユウイチ:「金輪龍一のことは置いておくとしても、命のやり取りは、あまりにも、無駄じゃないのか?」

マキシム:・・・・・。

ユウイチ:「それだったら、別の方向から調査した方が、まだいけるんじゃないかと思うが。逆に言えば、お前が目立つことによって、おれらが動きやすくなるかもしれないけども」

ディアン:闇影が言った、虎穴に入らずんば、ですね。

GM:あと、さっきも言いましたけど、金輪龍一が出てくるなんてことは、まず、あり得ません。そうそう会えないです。

闇影:最後にもうひとつ。「それはそれ。これはこれ」

GM:漢のセリフが来たー!(笑)

闇影:「何故なら、これで賞金が得られれば、多少なりとも、我々に実入りがある。すなわち、今後の活動が楽になる」

ユウイチ:あー、その言葉は強い。

闇影:「我々だけではない」ディの方をチラッと見て、「例えば、ディの故郷の、孤児院の拡張ができる可能性がある」

ディアン:うわ! 痛ぇ! 痛ぇ!

闇影:「今まで以上に、戦災に遭った子どもたちを救うことができるだろう。そして、ユウイチの飛行機」

ユウイチ:待て。言いたいことは解る。ただ、おれは試合には出ないぞ。戦闘系じゃないんだから。

闇影:「今までは、我々の懐から経費を出していたわけだが、その必要がなくなる。それでなくても、今回、この快適さは何だ!」(笑)

GM:すごい。飲まれてる飲まれてる!

ユウイチ:「いやいや、ちょっと待て! そこ、おかしいぞ! お前は今後、おれに金を払わないで、ただ乗りするつもりなのか? 燃料代払うのは普通のことだろう! 今回は特別だが、へたすると、戻った時に内装を全部取り払われる可能性もあるんだぞ? 金をどう使うか、この飛行機はおれのだ!」(笑)

闇影:「無論。内装を取り払われないためにも、あの賞金は、便利」

リリアン:と言ってるところに、お茶とケーキを置きながら、「ま、もめるのはいいんだけど、少なくとも、最初の交渉を潰すわけにはいかないでしょうよ」

ユウイチ:「ああ。最後はそうなるな」

闇影:「それにだな」と言って、ケーキ食いながら、「このケーキも経費」

リリアン:「残念。それは私のお財布よ」

ユウイチ:ゴチ!

闇影:「というわけで、帰る前にケーキの名店を探しておくべきだな(もぐもぐ)」

GM:ソレイユも、テレビとか見て、「ニッポンでおかいものしたいです! おねーさん、おかいものいきましょうよ!」

リリアン:「そうねー、ここにしかないブランドもあるしねー」

マキシム:・・・・・。

ディアン:・・・・・。
 

 誰よりも互いの実力を認め合う2人の視線が、真正面からぶつかる。
 やがて、マキシムは表情を険しくし、きびすを返す。
 

マキシム:「今は金のためと思ってくれても構わんさ」不機嫌な顔で剣をぽーんと投げて、向こうへ行きます。いいよ、こいつらは、みたいな感じで。

GM:わかりました。では、彼が剣を持って、タラップを降りて、みんなから離れていくシーンで、第一幕終了です。みんなに2ポシずつ差し上げます。

 
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