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TORGリプレイ

『Samurai Showdown!!』

 

第二幕

 
シーン5 龍の集う地

 
 歳が近いからか、それとも邪気のなさからか。
 ソレイユとカトリーナはすっかり打ち解けて、半分こにした点心に舌鼓を打っている。
 2人の隣で、リリアンの灰色の脳細胞が動き始める。
 

リリアン:やることはただひとつ。一体、7月1日に何が起ころうとしているんだろう、っていうのと、金輪が来るって言ってるけど、何のために来るんだろう、っていうのを調べる。

ディアン:プレイヤー知識として、教えてもオッケーですか? それとも判定を必要としますか?

GM:ゲーム的に言ってしまうと、キャラクターは知らない筈の情報だから、少なくとも、これを知っていそうな人に訊くしかない。

リリアン:っていうか、〈手掛かり分析〉をしたい。金輪の手の者が来ているのならば、いわゆる戦闘員的な、戦闘するために来ているのか、もしくは式典の方に動員されてるのか。

GM:それだったら判定オッケーです。どうぞ。

リリアン:(コロコロ)6なのでポシ。(コロコロ)24。〈手掛かり分析〉26。

闇影:すげー。

GM:難易度「考えたくもない」を超えた(笑)。まず、金輪の手の者かどうかは、確証を得ていない状態だけど、明らかにニッポンのヤクザとか、商安局員とか、忍者とか、そういった武装勢力が、香港に大量に導入されています。あと、銀行関係の警護が、どこも死ぬほど厚い。

リリアン:銀行を警備してるのがそいつらってことね。なるほど。

GM:ちょっと過剰なくらいの警備状況ですね。ATMの近くにも、張り付いてますから。

リリアン:ATMに張り付いてる? ちょっと変な気もするけど、ニッポンでは普通なんでしょ、それは?

闇影:すいません、出ていいですか?

ユウイチ:あ、おれも出たいな。

闇影:じゃあ、いつの間にか同じ席に座って、飲茶しながら。

ユウイチ:「美味いッスねー♪」

闇影:「ここの小籠包がなかなか絶品でな」と言って、ハフハフ食ってる。

リリアン:「って、あたしが頼んだのに、なんであんたらがそれ食べてんのよ!

GM:ソレイユちゃんが、「だめですよー、しはらいは、ユウイチさんですからね?」

リリアン:「ったく、何を考えてんのよ、一体」と言って、〈手掛かり分析〉で忍者の【秘密】を抜きにいこう。(コロコロ)+4、22。

GM:超えました。では【秘密】を。

リリアン:(内容を読んで)「・・・それで、結局いつもの面々が集まってるってわけ?」

闇影:「左様。で、貴公の疑問についてだがな、とある世界のスティリーは、ATMなんだよ」

リリアン:「ATM? ATMから、なんか変なものが湧き出てくるってこと?」

GM:侵略者たちは、杭を打って、世界と世界を隔てる三角形のバリアーを作っています。その杭はスティリーと呼ばれていて、世界によって違うんですけど、ニッポンテックのスティリーは、ATMの形をしてるんです。

リリアン:ATMを3つ置くと、その中の三角形が自分のゾーンになっちゃうってこと?

GM:そうです。ATMだったら、あちこちに置いてあっても不自然じゃないし、ATMを壊そうとしてる奴らがいれば(*21)、犯罪者だからやっつけてもいいよね!

闇影:しかも、予備として複数並べてても、全く違和感がない。

GM:金輪龍一は、この日のために準備をしていたので、香港中に金輪のATMが建っています。勿論、本物も偽物も、混在しているので。

闇影:どれが本物のスティリーだかさっぱり解らない。

GM:これはトップシークレットなので、闇影ですら、本来は知らない筈です。知らない筈なんですけど、何故か知っています。【秘密】に書いてある、・・・に関連して、知っている。というのが、今すっぱ抜いたリリアンには解ります。

マキシム:まだ、みんなには公表しないんだ。

リリアン:うん。

闇影:「香港の危機というのは、まずそれだ。もうひとつの危機は、もっと質が悪くてな」

リリアン:「もっと質が悪い?」

闇影:「それは、全員揃ってから、彼女に訊いた方が早かろう」

GM/カトリーナ:「そうですね。確かに、皆さん揃ってから、お話をした方が、手っ取り早いとは思います」

リリアン:「じゃあ、私の泊まってるホテルに来る?」

ユウイチ:「いや、それよりはおれの飛行機の方がいいんじゃないか。ちょっと、リリアンにも訊きたいことがあってね」

リリアン:「盗聴されてるかもしれないでしょ」バカにしたような口調で言って、ばっと席を立ちましょう。「会計しに行ってくるわ」

ユウイチ:あー、ちょっと待って。今回なかなか絡んでこないのが気になったんで、リリアンの【秘密】をすっぱ抜こうと思ったんだけど。

リリアン:いいよ。

ユウイチ:(コロコロ)〈発見〉16。

GM:ぴったり成功。抜けました。

ユウイチ:見せろー。(内容を読んで)うん、今ここでオープンにするより、直接みんなの前で言ってもらった方がいいかな、と思う。

GM:カードだけは、公開しておきましょう。リリアンのサイドストーリーカードは、“疑惑”です。だからみんなは、リリアンは何を考えているんだろう、何を考えているんだろう、って。

リリアン:GMの想定さえ無視してるよね。

GM:でも結果的に、疑惑プレイだったので、僕は文句は言いませんでした。

ディアン:オレは“個人的利害”です。

闇影:“人物誤認”。

ディアン:あ、解った! マキシミリアンは“仇敵”だ。

マキシム:(苦笑)

GM:というわけで、みんなが合流するシーンを作りましょう。
 

 神出鬼没な闇影の尽力により、
 5人のストームナイトとソレイユ、そしてカトリーナが、初めて一堂に会する。
 

GM:カトリーナは、まずユウイチに、「改めまして、よろしくお願いします」

ユウイチ:「貴女が、我々に協力してくれるという人なんですね?」

GM/カトリーナ:「互いに、協力することになっています。あなたも龍のひとりですね」

ユウイチ:「まあ、そういうことになるんですかねえ」

GM:「そちらにいらっしゃるのが、ディアン・オブローさんと、マキシミリアンさんですね。はじめまして。カトリーナ・トヴァリシュです」と、見るでもなく言います。顔は、便宜上向けているだけ。「ところで、あなたの飛行機には、隠されたものがあるので、後で外しておくといいですよ」

ユウイチ:「あー、とりあえず、わざと外さずにおいたんですが、そろそろやばいですかねえ」

GM/カトリーナ:「足取りを追うなら、構いませんが、爆弾は外した方がいいと思います」

マキシム:ダメじゃん。

ユウイチ:「あー、最悪特攻して自爆! っていうのも」

GM/カトリーナ:「コストが掛かりすぎかと」(笑)

ユウイチ:「せっかく、調べてくれる人も、一緒になってくれたんで。ねえリリアン」

リリアン:「あたし? 爆弾を?」

闇影:技術アクシオム、あなたが一番高いんだから。

リリアン:「まったくもう・・・」

 
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