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TORGリプレイ

『Samurai Showdown!!』

 

第四幕

 
シーン3 清算のとき

 
 一天にわかに掻き曇り、辺りを不可視のエネルギーの渦が覆い始める。
 程なく、この式典会場は強烈なリアリティ・ストームの中心になるだろう。
 香港を狙う金輪龍一とスラッチェンの、執着心の強さを示すかのような。
 

GM:金輪龍一は、「すごい騒ぎになってきたね。安全なところに避難した方がよさそうだ。すまないが、しばらく守ってもらえないかな? この機に乗じて、暗殺者でも来たら大変だ」とディに。

マキシム:・・・・・。

ディアン:何も言いません。

GM:であれば、彼は言葉を引っ込めて、「では、この場はお願いいたします」

ディアン:「どこへ行く?」

GM/金輪:「ちょっとあちらへ。避難させていただきます」

ディアン:これで行かせちゃうと、オレたちが追いかける口実がない。今、行動を起こすしかないのか。
 

「お前を行かせるわけにはいかない」
 マキシムは抑えた口調で言い、斬神刀の切っ先を金輪龍一へと向ける。
 

マキシム:「お前が本物か偽物かは解らない。ただ、お前を行かせたら、この香港がなくなってしまう」

GM:よろしいんですか? ご家族のことは、という顔をします。口には出さない。

マキシム:うん、解る。「俺はこの戦いでは、私情は挟まない」

GM:ディの方を見ます。守ってくれますよね? って顔。

マキシム:すっごいイヤだな!

ディアン:(深呼吸して)みんな。オレはここで、全力を出す。

リリアン:勝負賭けるのね。

ユウイチ:何をしたいんだい?

ディアン:見せ場宣言。“モノローグ”。

GM:そうですね。それなら止められます。カードの効果で、判定も何もなしに止められるんで。

ディアン:ここで、【秘密】を話しても(*29)構いませんか?

GM:いいです。クライマックスですから。

ディアン:「カナワ殿。オレはあなたから、オレの頼みを聞いてもらった見返りに、あなたの生命を、暗殺者から守ってほしいと、頼まれた。オレは、隅田川の上で、あなたを、暗殺者から守った。これで、お前との契約は果たされた! 今のオレは、この香港を、我が物にしようとする、ハイロードと戦うストームナイト、ディアン・オブロー! オレは、マキシミリアンと共に、お前に挑戦する!」と言って、“リーダーシップ”でマキシミリアンに2枚!

一同おおーっ!

GM/金輪:「何の証拠があって、私をそのように、誹謗中傷なさるのです?」

ディアン:「お前は、オレと、オレの仲間を、甘い顔で、たぶらかそうとした。御前試合の時、お前は、お前の会社の者に、マキシミリアンと戦うように仕向けた。そして・・・」

リリアン:『っていうか、理由なんて要るの?』って叫んであげましょう。『あんたたち、バカなバーバリアンなんだからさ、目の前の奴がムカついたら、殴ればいいのよ』

闇影:ひでぇ。

リリアン:『あんたたちの感情が、証拠でしょ? ムカつくことされたんだから、好きなだけ暴れちゃいなさい!』

闇影:『そう。正義に理由なし!』

ユウイチ:うわー。

リリアン:強いから正義じゃない。正義だから強いんだ!

闇影:何を当たり前なことを。

GM:それに応えるように、後ろから声がします。「証拠が欲しければ、僕が生き証人です!」

マキシム:宮本か。

GM/宮本:「No.0634。宮本です」

ディアン:金輪龍一に、「お前は、宮本を知っている」

GM/宮本:「はい。僕は直接顔を合わせる立場ではありませんでしたが。・・・あなたのような、企業のトップからすると、僕は塵芥以下の存在かもしれない。でも、僕はあなたを知っている。僕はこのストームナイトたちを知っている。僕や、あなたが、異世界から来たことを知っている!

マキシム:じゃあ、俺も付け加えて、「お前は、俺の家族、俺の故郷、ニッポンに住む沢山の人たちを、傷つけた。そして、大切なものを沢山奪った。俺はお前を許さない」

GM:金輪龍一は薄く笑って、「まあ、そう来る可能性も考えていましたよ」指をパチン、って鳴らすんですけど、誰も出てきません。

ユウイチ:あれ?

GM:その頃、式典会場の裏手で、天使を模したレリーフの施された盾を持った男が、ニッポンの有象無象たちの積み重なった前に立っています。

マキシム:あっ!

GM/アーク:「我が名はアーク。今は、ひとりのストームナイト。歪んだ想いに凝り固まった、俺の頭をぶん殴って、目を覚まさせてくれた奴に、借りを返しに来た」

ユウイチ:すげー、剣術バカがいっぱいだ。

リリアン:言うな。

GM/アーク:「俺が戦うのは、友のため。そして我が主君、彼女のため」(*30

 
〜ハワイ・ストームギルド本部〜

 ギルドマスター、ジェシカ・E・フリートは、
 大画面の前で指揮を執りながら、香港で奮戦している仲間たちに思いを馳せる。
「私にできる戦い方はこれです。勝ってください、ディアンさん!」
 

ディアン:ギルドマスターだったのか!

マキシム:そういうことか。

GM:宮本くんは、「こんなことをして、ニッポンに帰りたくはないのですか」って言われるんですけど、「いいんです。僕は僕の愛する人が、笑う姿を見た」

マキシム:・・・・・。

リリアン:で、抜刀ですな。

ディアン:“リーダーシップ”の分、カードを4枚ください。

GM:どうぞ。まだ見せ場宣言の途中なので、それも場に出していいですよ。

ディアン:やったー。では〈威嚇〉してみます。「オレの言葉が、間違っているなら、言い返してみろ!」

マキシム:怖いなー。

ディアン:(コロコロ)6。あれ? ポシビリティを使います。

GM:消します。

ディアン:“緊急行動”で、もう一回振ります。(コロコロ)20!

GM:来た!

ディアン:(コロコロ)31。ポシビリティを使います。

GM:えーと、彼は今、デバイスを持っていないので、消せません。

ディアン:(コロコロ)46、+13。誰か“貫禄”持ってませんか?

リリアン:“貫禄”はないけど、“援助”はあるぞ。

ディアン:お願いします。オレが“貫禄”を1枚使って、合計+19。〈威嚇〉36です。

GM:逆転負け。

ディアン:よし!

GM:金輪龍一は、その威に押されたかのように、半歩だけ後ずさりしました。表情は全く変わりません。「なるほど。あの時私を守ったのは、本気だったんですね(*31)。驚きました」

ディアン:!

GM/金輪:「私も、上司の歓心を買うために、傷を負ったことがあるんですよ。効果はてきめんでした」

ディアン:(GMを睨みつける)

マキシム:ホントの悪党だな。

GM:「なるほどなるほど。本気とは、面倒くさいものですね。ですが、デバイスの力を使えば、きみたちなど」って言ったところで、同時に、スラッチェンが、「伸るか反るかだー!」

ディアン:なっ?!

GM:スティリー起動!(コロコロ)「来い、我が故郷! 天より来りて、滅ぼせ、テクノデーモン!」

マキシム:やばいだろそれ!

GM:ハイロードは、ダークネスデバイスを持っていない時でも、スティリーを通して、デバイスの力を借りたりすることができるんですが、その繋がりが、スラッチェンの横槍によって、一瞬切れました。このラウンドは、デバイスからポシビリティを引き出せないし、デバイスの技能も借りられません。

ユウイチ:このラウンドで決めちまえ。

マキシム:そうだね。見せ場宣言で、「俺は故郷を取り返す」と言って、金輪龍一に斬りかかります。

GM/金輪:「その気持ちも買ってあげよう!」

マキシム:この野郎! (コロコロ)12か。悪くはない。ポシ。

GM:ポシは消します。

マキシム:“ドラマ”を使って振り足す。(コロコロ)23。“ヒーロー”2枚で、(コロコロ)33。(コロコロ)43。“計画”でもっかい回収して、(コロコロ)53!

ディアン:10、振り足し!

マキシム:(コロコロ)66。

GM:超えた!

ディアン:マスター、名誉の法則は使えますか? “ドラマ”カードを“偉業”カードにする。

GM:使えます。1振らなければ大丈夫。

リリアン:頑張って。

ディアン:(コロコロ)よし、20。

GM:ダブルだ。では、ちょっと演出しましょう。一瞬ですけど、空に名誉の光が輝き、かのデュナド神の姿が浮かびます。

ディアン:おお、すごい。

GM:彼は、あなたたちの行為を承認したようです。祝福を受け、“ドラマ”カードが“偉業”カードに変化しました!

マキシム:ダイス目は66で、+17だから、〈白兵戦〉43。

闇影:スラッチェンぐらいしか避けれないよ。

GM:一応積極防御。(コロコロ)きゃー、無理! 彼は、何となく盾を使うように、右手を持ち上げます。普段持っている筈のデバイスが、そこにはないので、止めきれずに両断されます。因みに、もしデバイスがあったら、斬神刀の方が折れます。ダメージください。

マキシム:17+25だから、42。“アドレナリン”と“だめ押し”で、48。

GM:48? はい? 満載のタンカーをぶった斬って、なお、お釣りがくるんですけど。

ユウイチ:後ろの建物ごと斬ったね。衝撃波で。

GM:あれだ。銀行がほぼ真っ二つになって、途中の壁とか全部なくなって、金庫の前までがスルーできるようになった。

リリアン:でも、颯爽と「風が吹いたわねぇ」ぐらいしか言わない。

マキシム:カッコいいー!

GM:彼のアーマー基本値なんてものは、勿論、仕立てのいいスーツしか着ていないから、9! ずんばらりんと半分になって、「なるほど、ここでは私の負けか。では、きみたちはこのビジネスで何を得ると言うのだ?」

ディアン:「お前の本性を見た。オレたちは、もう、騙されない」

GM:「私は、きみのような人が好きですよ」と言って、酷薄に笑って、「まあ、このぐらいでしょうか。収支・・・決算は・・・」

マキシム:この・・・! 最後の最後まで。
 

 金輪龍一こと、No.3327のクローンは絶命した。
 しかし、リアリティ・ストームは収まる気配を見せない。
 

ディアン:「あとは、スティリーだ」

 
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