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TORGリプレイ

『Be Strong』

第一幕

 
シーン3 夢幻

 
 ここはイギリス、オックスフォードの王宮。
「ディアン・オブロー、参りました」
 アイル女王ペラ・アーディネイは、臣下の聖騎士に向けて穏やかに微笑む。
 

GM/アーディネイ:「ディ。よく来てくれました。どうです? パラディンになって久しいですが、何か変化はありましたか?」

ディ:ちょっと考えて、「王宮にいると、あまり、外の声は聞こえてこないな、と思った」

GM:「なるほど。であれば、民の声を聞いたり、届けたりすることが必要なのでしょうね。丁度よかった。こういうお話をもらっています」ということで、ざっくり言いますと、ドバイという国がありまして。

ディ:ドバイ。
 

 アラブ首長国連邦を構成する首長国のひとつ、ドバイには、
 俗に石油王と呼ばれる金持ちがいる。
 ナイル帝国と直接矛を交えてはいないが、彼らの財力は、帝国の侵略に抗う国々を影から支えている。
 そんな石油王のひとりより、知と武の祭典(オリンピア)のゲストとして、
 有名人であるディアン・オブローに来てほしい、と打診があったらしい。
 

ディ:「知と、武の、オリンピア?」

GM/アーディネイ:「はい」

ディ:「オレがやることは、ドバイの、金持ちと会って、話をしてくること」

GM/アーディネイ:「その通りです。石油王と、友好を深めてきてください。かの地では、無手、武器なしの武術大会が開かれるそうです」

ディ:「武術大会・・・」

GM/アーディネイ:「参戦しろ、という話にはならないと思いますが、あなたが認めた、という箔が欲しいのでしょう」

ディ:・・・・・。

GM:一応補足しておくと、殺し合いとかではなくて、あくまで望んだ者たちが試合をする、というものです。「ただ、星の導きによって、何かが起こりそうな、天啓も出ています。ナイル帝国が近くにある以上、何が起きてもおかしくありません」

強力:まして、力が集まるというのは、それだけで、予想外の事態が起こりやすいので。

アン:うん。

GM/アーディネイ:「あなたに由縁のある者が、いるのやもしれません。そして、あなたというひとつの剣が入ることによって、運命が変わるやもしれません」

ディ:「わかりました」

GM:ということで、あなたには“個人的利害”を差し上げます。

強力:見聞を広めてくればいいじゃない?

ディ:はーい。

GM:では、ドバイに到着します。めっちゃ栄えてます。アホみたいに高いタワーが立ってます。この辺、地震がほぼないので、高くし放題でございます。

アン:確か、高さが権力の象徴みたいなもの。

GM:あなたを呼んだ若き石油王は、アブラーム王子と呼ばれています。若くてイケメンで、ちょっとヒゲ生やしていて。

ディ:アブラーム王子。

GM:この人が、知と武の祭典、アブラーム・オリンピアを主催しております。あなたが空港に降り立つと、「はじめまして! あなたがディアン・オブローですか?」

スレブ:ドーモ、イケメン石油王です。

ディ:「ストームナイト、ディアン・オブロー」

GM:「やーやー、どうも!」すごい気さくに、握手を求めてきて、「あなたの勇名はかねがね! Youtubeで見てます!」(笑)

ディ:「え・・・?」

アン:Youtube出てるんかい!

GM:「こんな有名人とお会いできるなんて、嬉しいです! どうぞどうぞ!」って、アホみたいにでっけぇ、リムジンに乗せられて。

強力:長っ!(笑)

ディ:実は、クルマが苦手なので(*8)、硬直してます。

アン:でも王子は、『さすが聖騎士殿! 堂々とした佇まい!』

GM/アブラーム:「微動だにしていない!(笑)見てみろ、これが英雄というものだよ!」

強力:まぁ、善人ではあるね。

GM:「これが今、建設中の試合会場なんですよ」と言って、リムジンがすぐ傍を通るんですけど、おや? っていうぐらいエジプト式ですね。本当にピラミッドみたいな作り方をしてます。

スレブ:神を讃える形をしている!

ディ:「ここで、武の祭典を?」

GM/アブラーム:「はい。神に捧げるやつをやった方がいいという話でして」

ディ:「神に、捧げる?」
 

 アブラーム王子は、王宮じみた私邸にディアンを案内し、とある人物を紹介する。
「こちらは・・・・・さん。今回、協力いただいている方なんですよ」
 何故か名前がよく聞き取れない。
 白いローブを纏い、女性のシルエットのようだが、顔はよく見えない。
 

GM:「あなたがディアン・オブローですね」と、聞いたことのあるような声がして・・・意識が遠ざかるかどうかは、判定で決めよう。〈意志力〉!

ディ:“ひらめき”が1枚ある。(コロコロ)9。

GM:(コロコロ)ポシビリティを使います!

ディ:えっ?!(笑)打ち消す、打ち消す。この判定にポシビリティは使えますか?

GM:抵抗判定なので、使える、でいいです。

ディ:(コロコロ)19、+6、“ひらめき”で+9、〈意志力〉24。

GM:その数値だと足りない。誰と会ったかを覚えていられない、って感じです。

強力:うーむ。

アン:認識操作みたいな。

GM:はい。精神操作をされたことが、自分でも何となくわかります。最終的にどうなるかは言えませんが。

ディ:仕方ないな。これ以上やりようがないので。

GM:ではあなたは、女性と会った、と思う。

強力:多分会った。

GM:多分会った。何かをされたと思う。以降は、その人の名前が出る度に、黒塗りになる感じ。

ディ:怖いなぁー。

GM:その人が、アブラーム王子と話をして、イベントの準備を進めているということだけはわかります。そしてあなたは、オリンピアをめぐる陰謀に、巻き込まれようとしているのでした。

 
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