Eternal Smile > Be Strong 『Be Strong』第二幕 強力:「まぁ、相手が悪かった、と言いたいところだ」ここで初めて、アンの顔を認識して、「腕が立つな」 アン:「そう見えるらしいね」 強力:「きちんと名乗ってなかったな。強力だ」 アン:「あたしは、アン・シャーリー。赤毛のアンと呼ばれてる。この子のボディーガードさ」 強力:「随分と、洒落た名前だな。俺らで言う四股名みたいなもんか」 ディ:「・・・・・」だんだん、ストロングが、角力の言葉を使うようになってきた。 GM:「あっ!」フランソワが、周りがわやなことになってるのに今気づいたらしくて、風穴が開いた外を見て、「星がきれい! 手が届きそう!」 強力:あー、生きづらいタイプの天才だわ!(笑)
ディ:「フランソワ。この後、何か珍しいことが起こるのか?」 GM/フランソワ:「わたしにわかるのは、明日、この星とこの星とこの星が揃う、ってことだけだよ」 スレブ:うーん。揃った結果何が起こるかだなー。 強力:星が並ぶってのは、基本的に凶兆だからなー。 GM:彼女の言うことを、みんなで分析してみましょう。ではスレブ、〈方位感覚〉。 ディ:“ひらめき”あります。よかったら使ってください。 スレブ:“ひらめき”いただいて、交換に“偉業”を渡しておきます。(コロコロ)18、+5。“ひらめき”を乗せて16。 ディ:“ひらめき”を渡した演出で、オレは、窓の外の、建設途中のエジプト様式の神殿を眺めます。 GM:ディ、〈リアリティ〉。 ディ:(コロコロ)17。“貫禄”で+3して、21です。 GM:そうすると、あの神殿の周辺が、コアアース/ナイル混合エリアになっているのがわかります。護符といって、持ってくると、一時的にリアリティが変わるアイテムがあるんです。それを神殿に組み込んで、このエリアをナイル帝国に寄せようとしているところ。 スレブ:ふむ。 強力:作業員さん大変だろうなー(笑)。 GM:あと、アン姐さんも〈科学〉か、なければ《知力》で振ってみてください。 アン:(コロコロ)19。+6だけど、《知力》は8だから、14。 GM:彼女の話を噛み砕いていくと、次のことがわかります。惑星は、軌道上を公転しています。そして、数学的に流れを紐解くと、計算によって、規則的に惑星を配列「させる」ことができます。 強力:それ・・・。 GM:古代の天文学者は、惑星が一定期間ごとに自然に配列することを知っていました。〈数学魔法〉って、これとこれはこの角度で見ると揃うから、このタイミングだったら呪文が使える、みたいな魔法なんです。本来、呪文を使いたい時と、惑星が配列する時って、一致するわけがないじゃないですか。 強力:うん。 GM:しかし、計算を突き詰めた結果、「規則的に惑星が配列して、呪文や奇跡を起こりやすくする」という信念が、惑星の公転にまで影響を及ぼしています。 アン:ああー。 GM:おかしなことに、因果関係がぐちゃぐちゃになっています。「計算が合えば、揃うはずだ」という信念が、惑星の公転という自然現象を凌駕するんです。 アン:だからフランソワをここに連れてきた。 GM:そうです。もうひとつわかることがあって、彼女はナイル帝国のリアリティに変身しています。彼女が使っているのは、〈数学魔法〉です。 強力:荒唐無稽なレベルにまで高まった計算能力が、ナイルのリアリティと合致して、〈数学魔法〉を、本人も知らないまんま、発動させ続けているっていうことなんだね。やばいね! GM:はい。そして、今回与えられた例題は、「全ての惑星を使った惑星配列」です。これが解けるということは、配列を揃える行為そのものなので。 強力:あー、これを仕組んだ親分、結構厄介だわ。 GM:「明日、この計算が解けたら、本物の神様に会えるのよ」スレブには、何が起こるのかわかります。神の降臨です! スレブ:ふむ。あ、ここまでわかるんですね。 アン:ナイルの神って? GM:エジプトの宮中神です。誰を呼ぶかというと、セトです。 強力:うわ、最悪だ。なんでセトなんだよ。 アン:セトって悪神だっけ。 GM:習合されて、悪神にされちゃった。大地神オシリス、生命神ホルス、天空神ヌウト、女性の守護神ネフティス、職人の神プタハ、地下世界の神アヌビス、悪神セト。三千年の歴史のうちに、この話とこの話、属性が一緒だから混ぜちゃえー、ってやった結果、悪神となったんですけど。 強力:貶められた結果の悪神って、最悪だからね。普通の悪神よりも拗らせてくるからね。 GM:そして、ナイル帝国の世界法則、マンガの法則は、あらゆる物語を、マンガ的に、正邪を明確にします。 アン:悪神って言われたら悪神になっちゃうんだ。 強力:万が一降臨したら、ここは終わりだね。 GM:そして強力。〈武道(角力)〉で振ってください。 強力:(コロコロ)16。 GM:わかること。角力とは元々何ですか? 強力:(笑)ほう。神事ですね。 GM:横綱とは何ですか? 強力:その神事を司るものの、頂点ですね。 GM:そして、神の依代です。 アン:エジプト角力だから・・・。 ディ:えーっと・・・。 強力:ああー! スレブ:はいはい。 GM:つまり、『エジプト神に、なる』儀式です。 一同:うわー! GM:ただし、角力には、相手が必要です。儀式を行うためには、同格の相手が。つまり、強力関、この世界にあなたしかいません! アン:まさか、他の選手って、カモフラージュ? GM:全部、あなたを呼ぶためだけの餌です! スレブ:なるほどねー。 強力:本腰入れて、妄言で殴り返してきましたね(笑)。これが、人の因果か。 GM:あと、角力には、独りずもうといって、例えば豊穣の神と角力を取って、人間に負けた神様が、花を持たせてくれて、人に豊穣をくれる、みたいな儀式もあるわけですね。 ディ:ちょっと待って。セトに負けたら、人間は・・・。 強力:う、うん。まずは最後まで聞こう。 GM:星を揃えて神を呼び、角力を取って勝った方、もしくは、降ろした方が、神になる。そして、ネテルは絶対、あなたに勝つじゃないですか。 強力:うん(笑)。それに、万が一勝った場合、強力がセトになる可能性もあるよね。 GM:あなたの心が、もし、邪悪であれば。ナイル帝国は、正邪の法則が働く世界です。全ての知的生命体は、善なる者か、悪なる者しかいません。堕ちたままの強力が、土俵に上がったらどうなるか。勝とうが負けようが・・・。 強力:セトは出てくる!(笑) GM:負ければ勿論まずい。仮に勝ったらどうなる? アン:あれ? 実は我々、強力関に、すげぇストレートな球投げてる? 強力:・・・オッケー。全っっっくわからないけどわかった!(笑)
ディ:「ストロング、どうした? 怪我でもしたか?」 強力:「そういえば、覚えただけでまともに使っていない技があったな、と思っただけだ。やらないとわからないものだな」 スレブ:「ほう、慣れない技を使ったのか! どうだ、体験するというのは素晴らしいだろう!」 ディ:(笑)スーパーポジティブ! スレブ:「まずは体験することから始めるのだ。その調子だ!」と言って、嬉しそうに肩を叩く。 強力:「確かにお前の言う通りだな、スレブ。思い込みというのは、良くないものだ」 ディ:「思い込み、か・・・」一回言葉を切って、「気になることがある。オレは、この国に来た時、誰かに会ったのを、思い出せずにいる」 一同:・・・・・。 強力:「俺はあまり詳しくないが、そういった術を使う奴のひとりぐらいいるだろう。例えば、あの、エジプト野郎とかな!」 ディ:・・・・・。 強力:「心配するな。何かあれば手を貸す。お前が知ってる強力が手を貸せるかはまた別だが。少し時間をくれ」 アン:強力関に言います。「できそうにないんだったら、死んだふりはやめておきな」 強力:「息苦しいと思ったら窓を開けるだろう。そんなもんだ」 アン:瓶を投げます。 強力:そのまま後ろ手に、パシッ! アン:すげぇ高い酒です。「あんたが普段飲んでる酒より、こっちの方が、より、沈める。その味が馴染むかどうかで、このまま死人になるか、それとも、生きた人間になるか、考えるといい」 強力:近くのテーブルに、カツッ、と置いて、「終わってから飲むさ」(*12) ディ:「ストロング」 強力:「・・・なんだ」 ディ:返事をしてくれたことに微笑んで、その後で、まっすぐ目を見て、「許せるようになるには、Be Strong(強くなることだ)」 強力:こう返して去ります。「強さって、何だろうな」 "Eternal Smile" Since 2002.02.02 E-mail:charmy_s@mac.com |