Eternal Smile > Portrait of Wu-Han
 

 
TORGリプレイ

『アル男の肖像』

 

第二幕

 
シーン2 同じ星を目指して

 
カールした背中までのブロンド、褐色の肌。
目元に特徴的なほくろのある、クラシカルなスーツ姿の女性は、
彼女を助けるために空から現れた赤いチャイナ服の男、ロン・ウーと、しばし見つめ合う。
 

ロン:とりあえず、「お嬢さん、大丈夫ですか?」と、英語で話し掛けますけど。

GM:英語で返してくるよ。「危ないところを、ありがとうございました」

セバス:っていうか、こんなところで何やってるんだよ。

ユウイチ:じゃあ、こんなところで話しているのも危険なんで、わたし、飛行艇で迎えに行こうと思います。

ロン:あ、やりとりが終わった後で呼ぶんで、ちょっと待ってて(笑)。「いやーよかったよかった。通りすがって。俺はロン・ウー。キミは?」

GM:「わたくしは、ジーン・スミスと申します」そうそう、今気付いたんだけど、スタレンジャーが一緒にいます。

ロン:保護色になってんぞ、おい(笑)。「よう。俺ロン・ウー。お前は?」

GM:何も反応がない。ふよふよー、ふよふよー。

ロン:あれ? ケタ・カルズ(*13)信者じゃないのかな。

GM/ジーン:「あ、彼はシャイなんですよ。ほほほ」

ロン:シャイなヒトデはちょっと怖いぞ(笑)。ま、いいや。「で、こんなトコで何してたの?」

GM:「それは・・・」ちょっと口ごもる。

ロン:「何?」

GM/ジーン:「実はわたくし、あの博物館に用事がありまして、彼(スタレンジャー)にガイドしてもらって、ここまで来たんですけど、一緒に来た同僚が、あの恐竜に・・・」

ユウイチ:ぱくっ! ってされたわけね。

ロン:「あー・・・。ちょっと間に合わなかったな。そいつらには悪いことしたな」

GM/ジーン:「わたくしひとりでは、進むのも戻るのもおぼつかなくなってしまいました」

ロン:「でも、よくもまぁ、こんなトコに来たもんだね(笑)。チャレンジャーだなぁ」

セバス:確かに。

GM/ジーン:「本当にありがとうございました。では、わたくしはこれで」

ロン:手を出すけど(*14)。

GM:えっ?(素でビックリ)

ロン:いやいやいやいやいや(笑)。お姉さんお姉さん。

GM:「はい?」差し伸べられた手に、ちょんと。

ロン:あー、はいはい、そういうことね。じゃあ、苦笑いしながら、エスコートしますわ。

GM/ジーン:「ありがとうございます!」

ロン:このお姉さん解ってんのかなー。面白くなっちゃったんで、ユウイチを呼ぶよ。「ゆっくり降りてきてねー。この辺だよー」

ユウイチ:「縄梯子下ろすから、うまく掴まってくれよー」ぶーーん、って低空飛行。

GM:ジーンはどうするの?

ロン:ジーンさんは、脇に抱えるから。別に気にもせず。

GM:あ、すごいすごい。

ユウイチ:“ロマンス”だねー。一応、説明しとかないと、まずくない? おじいちゃんの状況を。

ロン:「あー、うちにはちょっと変わったおじいちゃんがいてね」(笑)

GM/ジーン:「おじいちゃん、ですか?」

ロン:「あんま気にしないで。平気だから」

セバス:そうすると、円盤の中には、わしと、ウー・ハンが並んで、こう、舵取ってるから。

GM:やっぱり、立ち尽くすよ。

ユウイチ:「知ってます? アレ」(笑)

GM:さっと、ロン・ウーの陰に隠れる。

ロン:一応、細かい事情はとりあえず置いといて、みんなで口裏合わせて、うちのパーティでウー・ハンを捕まえてね、って話を(笑)。

GM/ジーン:「まあ、すごい!」

ロン:「みんな一度は通る道だよ。ファンタジーゲームだったら、ゴブリン退治みたいなものだよ(*15)」

ユウイチ:ちょっと待てちょっと待てちょっと待てー!(笑)

GM:「な、なんと失礼な人間アルか!」とか言うよ。セバスチャンの口で。

セバス:「話を合わせるがいい! おかしいだろう! 少し黙っておれ!」

ロン:「まぁ色々あってね、ちょっと停戦協定中なんで、呉越同舟ってヤツ?」

GM/ジーン:「そう、なんですか」

ユウイチ:ま、色々ありすぎてね。

ロン:呉越同舟で乗る船が中華ドンブリとは思わなかったけどな(笑)。

セバス:確かに。

ロン:ってわけで、「彼女、ジーン・スミスさんって言うんだけど」って2人に話して、ジーンさんに、「まだ名前しか聞いてなかったけど、詳しい事情教えてもらっていい?」

GM/ジーン:「はい。わたくしは、スミソニアンから来た者です。あの博物館に置いてあるホープ・ダイヤを回収しに来たんですけど・・・」

セバス:あら?

ロン:「奇遇だね。実は俺らもそのダイヤに用があってね」

GM/ジーン:「まあ、そうなんですか!」

ロン:「ちょっと一度借りて、正確に言うと、元のところに返そうとしてるんだよね」

GM/ジーン:「元のところ?」

ロン:「うん。ほら、インドの方から持ってかれたって話でしょ?」

GM/ジーン:「はるか昔の話ですわね」

ロン:「それがまぁ、巡り巡って、俺らに天罰が降って来たらしくて」

GM/ジーン:「そう、なんですか」

ロン:善いことをしたつもりだったんだけどなー。悪いのは一緒にいた奴らだと思うんだけど。

ユウイチ:いや、ショックトルーパーをまとめて始末した段階で。

ロン:あれがいけなかったのかなー。

セバス:後ろを見ながら、「わしは何もしとらん」(笑)

ロン:「ってわけで、神様とやらのご機嫌をとるために、そのダイヤが必要なんだ。ほら、元々神像のおでこにくっついてたものらしいんで、そこに納まるのが一番いいんじゃねーの? まぁ、そっちはそっちで所有権を主張すると思うけど」

GM/ジーン:「皆さんの事情は解りました。では、回収してから、スミソニアンの方に連絡を取りたいと思います。そこの場で話していただけませんか?」

ロン:「正直なかなか難しいと思うんだけど。とりあえずは、博物館の中の案内とかしてもらえれば助かるな」

GM/ジーン:「・・・はい」

 
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